水戸芸術館 プロムナードコンサート
by noriko
しばらくぶりに水戸芸術館のプロムナードコンサートを楽しんだ。コロナ禍の前にはよく足を運んだものだったが、中止になったり、席の予約制になったりで、いつの間にか遠のいてしまっていた。コンサートの席を予約するという行為は当然のことなので、それに躊躇することもないはずだが、パイプオルガンのあるエントランスホールにその時だけイスを並べてくれて、席の予約もせずに聴かせていただくのは、当日に予定を決められるという縛りのなさが、私にはとても贅沢な散歩ができた気持ちになり、演奏の始まるまでのホールに向かうところから、演奏が終わって家路につき、時には家に帰ってからもその余韻にひたることのできる特別の時間だったりする。
演奏がある日時は決まっているので、それを目的に出かけていくことには違いないのだが、以前の習慣が心地よかったのか、その時に行けば聴くことができる気軽さが、しばしば演奏を聴きに訪れていたのだろう。
パイプオルガンの独特の響きが心身にしみ渡ってきて、何だか祈りのような感覚になり、パイプオルガンが教会によくあるというのも納得できる。
この日も、最近見つけたお気に入りのパン屋でパンを選んだなら、食べる場所はいくつかの候補があるので、気ままな散歩を楽しんだ。向かいの水戸市民会館では「水戸マルシェ」なるイベントが開催されており、ちらちらとあたりを物色し、気に入ったものがないか探ってみたが、結局食べ物の行きつくようだ。
そうして水戸芸術館のシンボルタワーを横目に、ややなつかしくなってしまっていたエントランスホールに吸い込まれていくと、すでに座席は用意されており、演奏を待った。
久しぶりに聴いたら、やはり倍音の響きに酔いしれるのは悪くないなあと数年前を思い出したので、また時々出かけていくことになりそうだ。自然豊かな道をゆく散歩もいいが、「音楽にふれる」ことを目的に歩くのも、また違った心の開放感があり、これからもぜひ取り入れていきたいところだ。
by reiko
水戸芸術館のエントランスホール。2階に設けられたパイプオルガンが荘厳な雰囲気を漂わせている。このパイプオルガンの演奏を聴くことができる『プロムナードコンサート』が、今は月に2度ほど開かれている。
以前は時々足を運んでいたが、コロナが流行した最中はコンサートが無くなり、再開されてからもしばらくは予約制だったので、なんとなく腰が重く……。此度、予約無しで当日に行けば聴けるという以前と同じシステムに戻ったので行ってきた。ということは5年ぶり? 時が経つのが速すぎる。中止になっていた期間は寂しくもあったが、また以前のようにコンサートが開催されるという嬉しさも感じられた。
隣の市民会館では、水戸マルシェというハンドメイドフリーマーケットのような雰囲気の催しが開かれていたので、そこに立ち寄りながら館内を通り抜け、芸術館へと向かった。
開演には少し早い時間だったので、芸術館内のミュージアムショップに立ち寄る。ここに立ち寄った時に買うハンカチがある。ひびのこづえさんの動物柄のタオルハンカチである。今回も販売があったので、母と1枚ずつ選んで購入した。コレクションが増えてハッピーである。それからミュージアムショップに並んでいる本をチェックする。こういった場所では、書店やアマゾンなどでは見つけにくい本と出会えるのがいい。以前ここで購入して興味深く読んだのは『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』という本。全盲の白鳥さんと著者の川内さん、そのほか誘い合わせた人たちとのアート鑑賞を綴った内容で、私は全盲の方と接する機会がないこともあり、新しい視点を知ることができた。
さて、そろそろ頃合いだ。エントランスホールに椅子が並べられており、そこに座って演奏を聴く。パイプオルガンを眺めたかったので、少し後ろの方の席を選んだ。ヴィドール、バッハ、モーツァルト……全部で4曲の演奏だった。小さな音も大きな音も、穏やかさも激しさも、様々なパイプオルガンの音に触れることが出来て、聴き応えがあった。