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文章が読めなくなった話


どこから話を始めようか。

小学3,4年生の時、うまくクラスに馴染めなかった時。友達は本だけだった。休み時間はほぼ図書室にいて、当時マイブームだった魔女が出てくる本をずっと読んでた。

その後は教科書と漫画を除いてあまり本を読んだ記憶はない。

大学受験の勉強をしてる時、文章を読めなくなってることに気がついた。いや、正確には読める。読めるんだが、内容が頭に入ってこない。何度も一文を見返してようやく理解出来るといった具合だ。

これにはほとほと困ってしまった。現代文の文章が読めない、とかではない。何のテストにしても問題文が1発では理解できないのだ。全く理解できないわけではないし、ある程度は過去問で傾向も分かるが、何度も読み返さないといけないのでかなりの時間ロスになるのだ。勉強するペースもかなり落ちた。

当時は「変だ」という感覚が無いわけではなかったが、そんな事を言う暇があれば勉強しなければという焦燥感のほうが大きかったのだ。

私が高校に通うために使ってた駅には、貨物列車が通る。貨物列車が通るホームを歩いたことがある人は分かるかも知れないが、身体がふらつく程の風がくる。何度も、その貨物列車の風に身を任せて飛び込めたら、と思った。親の期待と、それに応えられない悲しみ。親はとても支えてくれたが、とても辛かった覚えがある。

結果、希望してた大学は全て落ちた。後期試験でなんとか、そんなに偏差値が高くない私立大学に入った。

大学に入った後は、文章が1発では理解できないというのは当たり前になっていて、確実に「変だ」と思ったのは最近である。

そもそも小説や本を読む習慣は小学生以降なかったので気が付かなかったのかもしれない。ちなみに、音として入ってくる情報は普通に理解出来るし、漫画も読める。アニメと漫画が読めればオタクとしても問題なかった。

社会人になって、語彙力があまりにも無いことと、趣味として勉強したいと思って本を買った。手始めに、あらすじを読んで好きそうな小説を買ったが、読めない。理解できない。頭に入ってこない。まるで目が滑るような感覚。何度一文を読み返しても理解できない。しかし、SNSの文章は読める。(長い記事になると読む気が無くなるので短い記事しかよまないが)インターネット上の記事も読める…。

何度試しても同じ。読もう、読みたいと思うのに、本が積まれていくのを見て「冷静に考えてみればこれおかしいよな」と思った。

ようやく、まずいな〜〜〜何とかしないとな〜〜〜〜と思って対策を打ち始めた。

もし、同じような症状があって、この文章を読んでる人がいたら、悲観しないでほしい。私は以下に挙げる対策でかなり軽減した。


1.文章を読むハードルを下げる

そもそも文章を読むにあたって力んでたら理解できないのだ。私の場合は「文章を読めなければ、勉強ができなくて受験失敗する」「時間が無いのだから1度読んだら全て把握してもう一度読むことが無いようにしないと」と考えてた。理解しなきゃいけないという脅迫概念のようなものだ。これをまず取っ払う。…なんなら本を読まなくたっていいのだ。読んでみて嫌になればやめればいい、読んでみて理解出来なければ何度でも読み返せばいい。極論、読めなくても生きていける。

2.好きなジャンルかつ読みやすい本を用意する

好きなアニメの原作、アニメの小説版やアナザーストーリー、昔好きだった作家の本…自分が好きで興味がある本を買った。ただ、中には一般的に見ても読みにくい物もあった。知らない難しい言葉がいっぱいの本は、本を沢山読んでる人でも読みにくい。もしこれから本を読もうと思ってる人がいたら、自分は本初心者だとおもってGoogle先生にきいてみることをオススメする。

3.トライあるのみ

読んで嫌になって投げ出して、また違う本を買って読んでみて途中で投げ出して、また前の本を最初から読んで…を繰り返した。でもこの期間が大事だったような気がする。読めなくて放り出してしまった自分を責めたくなるが、大丈夫だと自分に言い聞かせた。


状況が一気に良くなることは無い。考えはすぐに変わるわけではないし、やっぱ本読むのは無理だと何度も思った。でも同じくらい、本をまた楽しく読めるようになりたかった。上記の対策を繰り返してるうちに、気が散りながら、何度かトライして1冊読み終えることができた。とても自信になった。


そしてこの文章を書いてる今日、この日、本に熱中することができて、投げ出すことなく、読み進めて1冊読み終えた。「熱中して投げ出さずに読み終えた」ということができたのは久しぶりだった。普通に本を読んで、熱中できてた小学生3,4年のあの頃を思い出した。ここまで長かった。本当に長かった…。

本当に嬉しくて、これはアウトプットすべきだと思って衝動的にNoteに登録して、はじめての記事を書いている。


もし、同じような症状があって、この文章を読んでる人がいたら、悲観しないでほしい。

あなたも、もしかしたら数年後には普通に本を楽しめるようになってるかもしれない。


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