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2021年2月双葉町取材の記録(写真)その11/前田団地

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<続き>


地図にない道を抜けて前田地区へ

山田地区へ向かう道は閉鎖。双葉町でも最も汚染された場所の1つ。
帰還困難区域、特定復興再生拠点区域、2つの線が並ぶ。
除染事業のため、道路は新しく作られ線量は低いが、少し道の端に寄ると一気に線量は上がる。
またもう一つのゲート。どちらも、かつては山中で稲作をしてたと思われる。
しかしどちらも、2024年の今も帰還困難区域。

前田地区

山間を抜けると前田地区に入り、一気に開けた。奥に見えるのは常磐線の陸橋。
ちょうど特急ひたちが走り抜けた。
陸橋の真下からの眺め。
前田川沿いを歩いて右に行けばR288、左は山田地区。

山田地区(帰還困難区域)

この先が山田地区。24年の今も帰還困難区域であり、数十μSv/hの汚染が今も残る。
一見、なんの変哲もない風景。放射能は目には見えない。
山田地区の荒野。かつての農地は全て汚染地帯に。
向こうに見える家は全て無人。許可なくあのエリアに入ることも出来ない。
西を見る。右に見える道はR288。あの道も、右奥に見える山の辺りで通行止めとなる。

国道288号と前田地区

R288。奥の山の辺りで通行止めとなる。この頃はまだ通行証が必要だった。
今も軽車両は通行禁止。バイクの通行が解禁されたのも、最も遅かった。
この国道の右側(北側)が前田地区。
ここは住宅地だった。除染、解体の真っ最中。
空き巣にも入られただろうし、野生動物にも荒らされている。
空き巣を捕まえたら近所の人だった、なんて話もある。
今は、ここには何もない。一切何もない。
放置車両。

前田団地

 この日のハイライトはまさしく前田団地だった。誰もいない集合住宅、音のしない団地というものは、恐怖以外の何物でもない。20年6月の新緑の季節に訪れた時と比べて、枯れた草木に覆われた前田団地は恐怖だった。しかし、ここにも原発事故前は子供達の声が溢れる暮らしがあったのだ。

 原発事故前は前田団地に住んでいたという人からメッセージをもらったことがある。写真として残してくれてありがとう、と。僕はその言葉にどれだけ救われたことだろうか。

この公営住宅は資金の一部を簡易保険積立金から融資を受けて建設されたものです
双葉町 双葉郵便局
公園。
放置された軽自動車。
ここも少しずつ除染が進んでいた。その傍では震災で歪んだままのフェンス。
放置された自転車。
洗濯物さえもそのまま。
近くにはフレコンバッグの仮置場が用意されていた。前田団地の除染、解体の準備が進む。

<続く>

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