オギャーという仕事。
『南畑美術散歩』の14工房16作家さんのインタビュー記事がすべて公開された。
今日は、最後の公開となったお二人、甲木先生、後藤先生のところをめぐり、
17時の就業の鐘が鳴った後、僕はなんだかはち切れそうな気分になって、そのまま、成竹窯の廣津先生のところへ向かった。
空は赤く燃えている。それはオギャーと生まれたような空だった。
なんだかずっと漲っていて、いつもは息が切れる急勾配の山道も確かな足取りでぐんぐん歩くことができる。まったく疲れることがない。
そして、成竹窯に着いて、小一時間ほど歌うようにしゃべった。
「今回の美術散歩は、自分がオギャーと生まれたような仕事だった」そう語った。
それから僕たち夫婦のことや(その場には奥さんもいた)好きな歌手や歌詞のことなんかを話していたら時間はあっという間に過ぎて、外に出ると、山の満月が煌々と輝いていた。
写真には精霊のようなものが映っているけれど、それも不思議じゃないくらい幸運だと感じた。こんな作家さんたちに出会えたことも、全力を注げる仕事にめぐり会えたことも、それをしていい環境を与えられたことも、全部、奇跡みたいに思えた。
感謝、としか言いようがない、爆発しそうな気持ちになった。四方の山々に向けて叫び出したいくらい、なんとも攻撃的な感謝だった。
2020年11月30日、満月の日に僕の南畑での最初の大仕事が終わった。
いまはこれ以上の仕事をできる気がしないが、協力隊の任期はまだはじまったばかりだ。
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