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「油を使ってはいけない」という論への、明確な科学的結論
脂肪酸は分類方法によって「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の大きく2つに分けられます。
油の主成分である脂肪酸には、オメガ3・オメガ6・オメガ9などの種類があります。
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オメガ3とオメガ6は「必須脂肪酸」と呼ばれる体内で作ることができない栄養素なので、食べ物や植物油から補う必要があります。
オメガ9は体内で合成できるため、食品からの摂取は必須ではありません。
食用油の主成分である脂質は、たんぱく質、炭水化物とならぶ三大栄養素の1つで、身体活動のエネルギー源として不可欠です。
脂質から摂るエネルギーは年齢や性別によって違いますが、1日の必要エネルギーのおよそ25%前後といわれています。
たとえば1日に2,000kcal必要な成人であれば、適量とされる脂質の量は1日55gぐらいでしょう。
脂質の摂り過ぎで糖尿病や脂質異常症である人またそれらの境界線にある人は、食生活を変えるだけで健康体質へ改善することが可能です。
そのためには、食品に含まれる脂質の量をある程度知っておく必要があります。
「油が体に悪い」というのは、どういう事でしょうか。
5つの視点から考えてみます。
【体に悪い油について】
①飽和脂肪酸が多い油
飽和脂肪酸は、溶ける温度が高く、バターやラードなど常温で固まる「脂」。
不飽和脂肪酸は低い温度でも溶け、サラダ油やオリーブオイルなどの10-20℃程度の室温でも液体の固まらない「油」に分けられます。
飽和脂肪酸は、身体の重要なエネルギー源になりますが、過剰に摂取するとLDL(悪玉?!)コレステロールが増してしまい、動脈硬化や心疾患、糖尿病、肥満などのリスクが高まると言われています。
②遺伝子組み換えを利用した油
キャノーラ油の原料となる菜種のほとんどはカナダから輸入されていて、その菜種は遺伝子組み換えされた品種が使用されています。
キャノーラ油とは何かというと、こちらはキャノーラという原料を使って作られた油です。
キャノーラとは、なたね油に使われるアブラナを改良した品種で、油を絞るためにカナダで開発されました。
つまり、キャノーラ油はなたね油の一種なんです。
遺伝子組み換え作物を長年食べ続けたら、細胞にどのような影響を及ぼすか分かっておらず、安全とは言い切れません。
③リノール酸を含む油
大腸がんを促進する物質として有名なものにリノール酸というものがあります。
リノール酸の含有率が低いパーム油のほうがリノール酸よりも大腸がんが発生しやすいということが確認されました。
パーム油はアブラヤシの果実から得られる植物油である。
通常ギニアアブラヤシから得られ、飽和脂肪酸が多い。
植物油に多く含まれるリノール酸などを過剰に摂取していると、体内に炎症が不必要に起きます。
そのため高血圧症や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病も起こりやすくなる。
また、血液を凝固させる作用があるので、血液がドロドロになり、血管内に血の塊(血栓)ができ、心筋梗塞や脳卒中を起こす危険性が高まります。
④トランス脂肪酸を含む油
トランス脂肪酸が腸に入ってくると、消化ができず、ダメージが蓄積されます。
そうすると腸粘膜に細かな穴があく「リーキーガット症候群」を起こします。この症状を抱える人が今、増えている。
トランス脂肪酸というものは自然界にはあまり存在していなくて、本来なら「液体の油を加工して固体に変えるとき」に発生します。
そのため、トランス脂肪酸は人間の体で代謝しにくいのです。
近年、そのトランス脂肪酸より有害だと言われている油がある。
それがトランス脂肪酸と同時に副次的に生産される「ジヒドロ型ビタミンK1」です。
トランス脂肪酸を多く含む代表的な油といえば、マーガリンとショートニングです。
注意:トランス脂肪酸に害はないという一流の科学者もいます。歴史的に日本人の和食生活に無かったということと、取り過ぎについては問題がある。
⑤酸化した油
油が酸化すると、過酸化脂質が生成されます。
過酸化脂質は人の体に有害な物質で、肝臓障害や動脈硬化を引き起こす可能性を持ち、DNAを損傷させる発がん性物質とも指摘されています。
以上
体内で作れない必須脂肪酸の摂り方
オメガ3 (n-3系脂肪酸)
α-リノレン酸 … アマニ油などに含まれています。亜麻仁油とは、亜麻の種子から抽出される油のことで、必須脂肪酸であるα-リノレン酸やリノール酸を豊富に含みます。
EPA・DHA …酸化しにくいイワシやサバなどの青魚などに含まれています。マグロ、カツオなどの赤身にもDHA・EPAが多く含まれています。魚に含まれる脂は酸化が早いので、刺身を購入するときはサク(ブロック)を選び、食べるときには、空気に触れている(酸化している)サクの表面5㎜くらいを切り落として、時間をおかずに鮮度が良い状態で食べることがポイントです。
オメガ6 (n-6系脂肪酸)
リノール酸 … 大豆油などに含まれています。大豆油は大豆を原料としている油。サラダ油は、原料の一つに大豆がある。
なお、必須脂肪酸はオリーブオイルなどにも含まれていますが、絞った油はどうしても酸化しやすい。
「見えない油」とは?
パン類・肉類・菓子類などの食品に含まれていて、食べるときに意識しづらい油のことです。
この中には中性脂肪やコレステロールを増やすと言われる脂肪酸も多く含まれるので、摂り過ぎないように注意が必要です。
特に、パーム油は、私達の身の回りの大変多くの加工品に含まれています。
どんなものに使われているのか、以下にリストアップしてご紹介します。
・インスタントラーメン
・赤ちゃん用ウエハース
・せんべい
・チョコレート菓子全般
・スナック菓子全般
・アイスクリーム
・マーガリン
・冷凍食品全般
・カレーやシチューなどのルウ
・スープの素
・菓子パンや惣菜パン
パーム油の50%は飽和脂肪であり、大量に摂取すると血液中のコレステロール値を上昇させ、場合によっては心筋梗塞などの心疾患を引き起こします。
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「見える油」とは?
オリーブ油・アマニ油・バター・マーガリンなどの料理に使用する油のことです。
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「揚げもの」の歴史
「揚げる」という調理法が日本に伝わったのは、安土桃山時代といわれています。
当時は「油」そのものが貴重品でしたから、油が伝わったとはいえ、庶民の口に入るようなものではありません。
徳川家康は天ぷらが大好きだったという話は有名ですが、もともと日本には油を使った調理法というのはありませんでした。
日本人が日常的に「揚げもの」を食べるようになったのは、江戸時代も後期に入ってからです。
つまり、日本人が「油もの」を食べるようになったのは、ここ150~200年ほどのことなのです。
日本と欧米の食文化の違いは、「油を膵臓で分解・消化する」システムとして組み込まれていることが考えられます。
ある臨床データによると、日本人の膵臓の機能は古くから油ものを食べてきた国の人と比べて弱いとのことです。
結論
・パン(小麦の問題もある)・菓子類(栄養がない)は食べない事です。
・外食でも、揚げ物を、出来るだけ選ばない。
・家庭で揚げ物は、出さない食べない。
・魚を食べる。(和食中心)
ここまで言われると、「早死にでもいいから、美味しいもの食べたい!」「食の楽しみを奪うな!」という方もいるでしょう。
そういう方へは、現時点で最新科学情報から安全だと考えられている油を使いましょう。
それでも植物油を摂りたいというと、下記のような情報が一般化しています。
加熱料理(炒め物、揚げ物)に向いている油
・米油
・ごま油
リノール酸は、ゴマ油に含まれる脂肪酸の約45%を占めています。
・(ピュア)オリーブオイル
しぼっただけのオイルを精製し、香りや味のない「油」の状態にしたものと、「エクストラバージンオリーブオイル」もしくは「バージンオリーブオイル」をブレンドして出来上がります。
・ひまわり油
ひまわり油は、大きくわけて精製ひまわり油、ひまわりサラダ油に分けられます。このうち、ひまわりサラダ油は、精製ひまわり油に比べて、トランス脂肪酸が発生しやすいです。
加熱で特に注意することは、使用後オイルポットに入れた油は必ず酸化する事です。
非加熱料理(ドレッシング)に向いている油(加熱すると酸化するため)
・(エキストラバージン)オリーブオイル
オリーブの実をしぼっただけのオイルの中でも香りや成分の基準を満たした一部とされています。しぼっただけのオイルは、世界基準では、品質が良い順に「エクストラバージンオリーブオイル」、「バージンオリーブオイル」、「オリーブオイルランパンテ」と分けられます。
・えごま油
・亜麻仁油
非加熱料理におすすめの油は、光の影響を受けやすく酸化しやすいので、使い切りや遮光瓶に入っているもの。
そして、加熱であろうと、非加熱であろうと、海外産で遺伝子組み換えでないという表記があるものに限定されます。
という訳で、何とか理由を見つけて植物油を摂りたがるのですが、実は、これらの油も摂ってはいけません。
それは、日本人の5万年の歴史の中で、植物油を摂ってこなかったからというのが結論だからです。
追記 科学は、日々進歩します。この投稿も、いつかは古い情報となる可能性があることをご理解下さい。
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