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認知症のお薬
あんそくです。
今日は「認知症のお薬」について話していきたいと思います。
認知症と診断されたから認知症薬を飲むわけじゃない
「認知症」と診断を受けると、じゃ、認知症に効く薬の認知症薬を飲むのだろうと思いますよね。でも違うんです。
結論からいうと、認知症で現在起こっている症状をみて、先生が薬をだしてくれます。(先生によっては知識が少ない人もいて、とりあえず認知症薬を出す先生がいるのでご家族とか専門職の人はどういう薬の出し方をされる先生か見極めてくださいね。)
なんで認知症薬という名前がついているのか
認知症薬と呼ばれるものは4種類あって、主にアルツハイマー病をターゲットにしています。(メマリーはターゲットが違います。)
アルツハイマー病の場合、どうしてかわからないそうですが、脳細胞のアセチルコリン受容体が多く死に、アセチルコリンという脳の伝達物質が減ります。
減ることによって記憶の定着が悪くなり、記憶障害が起こります。
じゃ、細胞は減ったけど、残っている細胞に頑張ってもらおう。
その為にはアセチルコリンができるだけ長く細胞と細胞の間にいれるようにしようと考えられたのが、アリセプト(商品名ですが、この方が現場も家族もよく目にするのでそのままつかいます。エーザイさんすいません。)なわけです。
使用時には、状況確認が必要
記憶を作るときにアセチルコリンという神経伝達物質を使うので重要。
でも、アセチルコリンって他の各臓器でもつかっています。
それで、4種のうち、3種類のお薬「アリセプト」「レミニール」「リバスパッチ」は賦活系のお薬といって、一言で言えば、元気が出る薬、陽性に傾く薬です。
初期の頃で相手の言っていることが分からなかったり、すぐ忘れるからうつっぽくなってしまわれるときがあります。そのときお薬を飲まれると、分かりにくかったことが分かるようになって、元気になられることがあります。
逆に分からない事で相手を責めるタイプの人の場合は、分かることで落ちつかれることもあります。
上記の場合は投薬成功となります。
逆に急に怒りっぽくなったり、ハイテンションになられるときがあります。
また、興奮がある方で薬を飲み、さらに悪化される場合もあります。
このときは、薬を変えないといけません。
つまり、認知症薬といっても、風邪薬のように治るというものではなくて、
投薬して、症状をみて、「理解しやすくなられていたり」「落ち着きを取り戻されたり」するかを見ないといけないんです。
悪化したら中止して、陽性症状を抑える薬を先に優先して使わないといけないことになります。
その場合、抗精神薬などがつかわれることがあります。
まとめ
認知症だから認知症薬を飲むのではないんですね。陰性に傾いているときや認知症初期から中期のときに服用されるケースが多いです。
認知症中度期後半から重度期には、中止することも多いです。
その判断は、先生がしてくださいますが、認知症の人の行動や言葉を知っているのは、ご家族、専門職なので、先生に情景が浮かぶように伝えられると先生も判断しやすくなると思います。
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