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運動 笑い 認知症

   


脳の可塑性(かそせい)

脳の病気の根治はできません。一度脳神経が壊れると再生しないのです。これが認知症は治らないという原因です。認知症の専門医は、認知症を治すには、頭をよくするしかないと言っています。頭をよくするには薬や医学ではできません。トレーニングのみが頭をよくする方法です。

脳には可塑性(かそせい)脳の風合瀬と言うものがあります。失われた部分を他の部分で補うと言うものです。この力があるために障害を受けた人のリハビリが効果を発揮します。脳梗塞になって手足が動かない人が、歩けるようになった、走れるようになった、奇跡が起きたという事はよくあります。これが可塑性の力です。

 筋肉を意識して体を動かす


では可塑性を促すには何がいいか。どんなトレーニングがいいかです。
私は、筋肉を意識しながら行う筋トレが効果的だと考えています。特に大きな筋肉、つまり足のトレーニングが効果を発揮すると思っています。筋肉は、繊維一つ一つが別の神経脳細胞とつながっていてその支配を受けています。足の運動は、指先の動きより多くの脳神経を使います。足でバランスもとらないといけません。大きな筋肉ほど多くの脳神経を使うのです。足を鍛えると行動範囲が大きくなり脳神経もその分発達します。筋肉に意識しながら力を入れるという事は、休んでいる脳神経を目覚めさせるという効果もあると考えられます。
  

歩くマインドフルネス


 それで歩くマインドフルネス。これが効果的です。足の動きや、筋肉、床に触れた感覚、バランス感覚などをつぶさに感じながら、ゆっくり歩いていきます。歩くと言う事は目で見て進行方向の決定もします。移り変わる景色も認識して移動した距離も感じます。空間認識も使っているのです。非常に効果的ですね。
 座る瞑想もいいですね。呼吸に集中することでゆっくりとした深い呼吸ができるようになります。歩く瞑想はいろいろなものを瞬間的に感じる瞑想ですが、座る瞑想は一点集中に向いています。非常に強い集中力を生み出します。この集中力が様々な気付きに利用されて感覚が鋭くなるのです。
 この座るマインドフルネスで海馬が大きくなったという報告もあります。海馬は短期記憶のかなめで、いったん物事はここに集められ、長期記憶が必要な場合大脳皮質に送り込まれるそうです。最近では、前頭葉も大きくなった事例があると聞きました。まだエビデンス不足ですが。

エビデンス不足と言っても座禅や瞑想は心のトレーニングとして2500年以上前から伝えられています。長く続いていることは何かしか理由があるのです。現在の技術(機械)でその有効性を調べる事が出来ないというだけです。弘法大師空海は求聞持法と言いう瞑想で天才になったと伝えられています。心のトレーニングは、脳の可塑性を促すトレーニングなのです。認知症を治らない脳の病気とすると手を付けられませんが、心の病気だととらえると認知症改善にも力が入ると思います。
心を強くすると脳の可塑性が活発化します。心のトレーニングが認知症を改善すると思っています。

笑う


笑いはストレスを和らげます。アルツハイマーはストレスが原因だと言われています。このストレスを和らげ心をリセットするのです。また、笑いは呼吸でもあります。脳や体に酸素が回らないと体の維持できません。脳も体の一部です。多くの酸素を脳に回さなければ活動が弱まります。可塑性も活発化しません。酸素不足は致命傷です。笑いは、深い呼吸と同等の効果を発揮します。
笑いを馬鹿にしている方もいるようですが、実は笑いは、脳の高度な働きです。人間以外は笑うということはできません。高度に発達した脳の持ち主でないと笑えません。認知症が重症になって脳機能が衰えると笑えなくなるのです。言葉を理解し、前と後の話のギャップにおかしさを感じないとできないのです。また表情筋の細かな動きも笑いには必要になります。脳がそれだけ働いているのです。
笑いはおかしくなくても笑てください。作り笑い、うそ笑いでも脳が本当に笑ったと錯覚して同等の効果を発揮します。習慣的に笑いましょう。笑うとがんも撃退できるという報告もあります。

このように様々なトレーニングが認知症を改善していきます。全部できるといいのですが、一つだけでも取り組めるものを行うことが大切です。40歳代になったら、体も心も元気にしていきましょう。


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