産後3ヶ月でつらい腰痛と恥骨痛の原因と対策について理学療法士が解説
「妊娠中から恥骨痛があって、産後も続いているのと腰が痛い」
産後3ヶ月のママからいただいたご相談。妊娠中から腰痛や恥骨痛があり、産後も悩んでいるというお悩みでした。
妊娠中からみられた恥骨痛は、出産後にたいていは消失しています。
ただ、骨盤のズレや骨盤周りの腹筋の弱化により、骨盤痛や腰痛が現れている方も少数いることがあります。
産後にみられやすい骨盤トラブルと腰痛の原因と対策について解説していきます。産後の体の不調がある方は、参考になる記事です。
産後3ヶ月の腰痛の原因
産後の体の状態チェック
柔軟性、筋力、骨盤の状態など確認すると、一番の問題点は「関節」のかみ合わせや動きの問題でした。
腰の状態チェックとして、前屈、後屈をしたときに体を反る「後屈」の動きの際に、腰がつらくなる感じがある状態。
また、膝を抱える動きでの鼡径部痛、また、仰向けで片脚を上にもちあげる動きでの鼡径部痛が出現。この動作チェックでの疼痛は、「仙腸関節」のかみ合わせトラブルや腰部から骨盤まわりの適合性不良が濃厚になります。
妊娠中のお腹の張りと腹筋の弱化
妊娠中から腰痛や恥骨痛に悩んでいたということがあり、妊娠中にお腹の大きくなることでの腹筋の弱化により、腰部や恥骨部に負担がかかりやすくなっていたと考えられます。
この状態は、大きくなったお腹が恥骨部に負荷として加わることで恥骨痛が現れることもあります。
さらに、産後の腹直筋離開もまだあったため、腰背部の筋肉で弱さを代償していることが推測できました。
妊娠中から弱まっていた腹筋が構造的にもまだ弱く、骨盤のずれ、産後の授乳姿勢や抱っこ姿勢など負荷が腰背部に加わり、腰痛として現れていると推測しました。
腰痛の対策と骨盤ケア
腹部の筋肉や骨盤を支えるための重要な筋肉である骨盤底筋の働きが弱くなっている様子でしたので、まずは深呼吸を通して腹部周りの安定感をつくる方法を指導。
そして、骨盤のズレを改善することと、殿筋の力強さを高めるためのストレッチも解説しています。
実践としては以下のようなストレッチが有効です。
骨盤の安定感を高めるストレッチ
利き手側の脚をかかえます
膝・おへそ・反対側の肩のポイントを結ぶ直線をイメージして脚をひきつけます
引きつけるときは優しくひきつけます
10秒間キープしたら脚をもとに戻します
反対側も同様に斜めの直線上で脚を優しくひきつけます
10秒間キープしたら脚をもとに戻します
左右交互に行うように3往復行います
【ポイント】
・強くひきこまない
太ももがお腹にくっつくくらいに強く引き込む必要はありません
軽く膝を肩に近づけるように優しくひきつけましょう
・利き手側から交互に行う
必ず利き手側から行い、左右交互に行います
利き手側から行うのは、歩き動作を踏まえた動きの連鎖から設定しています
まとめ:産後の体の状態にあわせたケアを
産後の体のトラブルは、妊娠中からの体の変化が影響している方もいます。ただ、恥骨痛については産後消失することが多いですが、出産後も継続している場合は、早めの相談を推奨します。
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