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酸素と二酸化炭素 ①

「すべての不調は呼吸が原因」 本間生夫 著 
 
抜粋・引用です。
1万字を超えますので二回に分けて投稿します。また、本投稿は図書館からの蔵書で書き始めましたので、途中「次の予約」ありで返却することになり終了していません。内容的には今回の2回でも十分なのですが(後半は肩甲骨を含めた上体の体操の紹介で呼吸筋を強化する)また、機会を見て後半を投稿したいと思います。
【  】私のコメントです。
 
 
 
ここから引用です。
 
 
 
はじめに
 
呼吸は老化から始まっています。
片時も休むことなく、空気中の酸素を取り込み、栄養素を燃焼させてエネルギーに換えているのです。この「空気の出し入れ」を一生に渡って続けている訳です。
 
誰もが同じように空気を出し入れしている訳ではありません。気づいていない場合が殆んどですが、呼吸が浅かったり、呼吸が乱れていたりして、空気の出し入れを効率が落ちている人もいます。
 
こうした「呼吸の差」が私たちの老化や衰えのスピードにもろに影響してくるのです。
 
呼吸が悪いと、心身の全ての活動が制限されてしまいます。空気が入って来ないと、エネルギーも充分に生みっ出せなくなって代謝が落ち込み、各臓器の働きが低下したり、疲れやすくなったり、体を動かす力が落ちたりするようになります。
 
呼吸は自律神経と連動しているので、呼吸が悪いと自律神経機能が乱れ、さまざまな体調不良や病気に見舞われるようになります。それに、呼吸は私たちの感情をも左右しているため、呼吸が悪いと不安やイライラなどのマイナス感情をつのらせやすくなります。
 
このため、普段から呼吸のコンディションが悪い人は、知らず知らずのうちにさまざまな不調や病気を抱えるようになり、より早く老化し、より早く衰えて行ってしまうことになる訳です。
 
老化が早まれば、当然寿命にも影響が表れます。呼吸の良し悪しは私たちの健康寿命にも大きく影響していると言って言って良いでしょう。
 
 
 
呼吸は食事より大事
 
ものを食べたり飲んだりすることに関しては、健康のためにあれこれ気を付けているかもしれませんが、こと呼吸に関しては「何も気を付けていないし、何の対策もしていない」という方が殆んどなのではないでしょうか。しかし、それではいけないのです。
 
ある意味、呼吸は食事よりも大事です。人間は呼吸が止まるとほんの数分で死んでしまいます。休むことなく常に空気を出し入れしていないと、私たちは生きていけないのです。
 
呼吸は基本的に「無意識下で行われる自動作業」です。意識に上がってこないので、自動的に息を出し入れしているのが当たり前のことと感じられてしまい、「気をつけよう」とか「もっとよくしよう」とかいった考えになかなか結び付いてこない訳です。
 
自分でも気がつかない内に心身の老化や衰えを進ませてしまうハメになるのです。
ではいったいどうすればいいのでしょうか。
 
呼吸も筋トレのようにトレーニングできるのです。ごく簡単に取り込むことが出来、どんなに年取ってからでも強化していくことが可能です。
 
ですから、日々しっかりと呼吸を鍛えていくべきです。呼吸器が鍛えられ、空気を出し入れする力が回復してくれば、「体調が良くなった」「疲れにくくなった」「体をラクに動かせるようになった」「気持ちが安定するようになった」というようにさまざまなプラス作用が表れて来るでしょう。
 
私は、長年にわたり医学や生理学の分野から呼吸を研究してきました。また、呼吸の力を向上させるトレーニングや体操の開発・普及にも力を注いできました。なかでも呼吸の力を思い知らされたのは、あの東日本大震災の後に岩手県のある小学校に呼吸体操の指導で訪問した時です。
 
当時は感情が不安定で体調不良や不眠を訴えるような子供たちが少なくありませんでした。子供たちは表面上は明るいのですが、呼吸が浅くて速い子が多かったのです。呼吸と感情は表裏一体であり、強い不安やストレスがあると、てきめんに呼吸が悪くなってしまいます。
 
子供たちに呼吸体操を指導して、深くゆっくりした呼吸リズムを身につけるようにしてもらったところ、心身の不調を訴える子供が格段に減りました。皆感情も呼吸も安定するようになり、心の底、体の底から笑顔を取り戻せるようになっていったのです。
 
人間は呼吸をしないと生きていけません。呼吸が弱まれば、たちまち衰えてしまいますし、呼吸が止めれば、文字通り息絶えてしまいます。逆に言えば、呼吸を強化してしっかりと整えていれば、いつまでも健康に生きていけるのだということ、生きるも死ぬも呼吸がカギ握っているのです。
 
 
 
第1章 呼吸のせいで「老化」していませんか。
「息苦しさに」悩まされていませんか?
 
少し急いだだけでハアハアと息が乱れる。普段から呼吸が浅くて速いせいか、仕事などで無理をするとすぐに息苦しくなる。ちょっとしたことですぐ咳込んでしまい、呼吸が出来ずに苦しくなってくる。肺に充分な空気が入って来ない気がする。ストレスや不安を感じると、いつも息が荒くなってドキドキしてしまう。
 
 
皆さんは、日頃こういった「呼吸のしづらさ」や「息苦しさ」を感じてはいないでしょうか。もしそうなら、決して放っておいてはいけません。こうした不調は明らかに呼吸の機能が衰えてきているサイン。それはあなたの生命力が低下して来ていますよ、というサインでもあるのです。
 
何の対策もしないで放っておくと、呼吸の衰えが進み、生命力も衰え、心身の健康を大きく損なってしまう事態になるかも知れません。「生きる」ということは、息を出し入れすることによってこそ成り立っていると言っても良いでしょう。そして、呼吸が止まる時は人が死ぬ時です。要するに、呼吸こそが「生きている証」なのです。
 
とにかく、日々呼吸する力、息を出し入れする力をいかに衰えさせないようにしていくか。それが私たちが人生を健やかに全うできるかどうかのカギを握っているのです。
 
 
 
 
 
呼吸する力は歳と共に衰える
呼吸の力も他の臓器の機能と同じように、誰しも歳を取れば息を出し入れする機能も段々落ちて来るのです。一般的な医学常識で言うと、呼吸機能の低下は60代くらいからめだってくるとされています。しかし、呼吸力は60代になってからいきなりガクンとおちる訳ではありません.
実は若いうちから少しずつ、じわじわと低下してきているのです。
 
呼吸は無意識に行われる作業のため、多くの人は歳を重ねても若い頃と同じ呼吸リズムが一生涯続くと思いがちです。しかし、呼吸機能は年々着実に衰えている、いわば、呼吸も歳をとっているのです。そして高齢になって様々な呼吸トラブルを背負い込むことになってしまうのです。
 
勿論、呼吸機能が衰える原因は、加齢以外にも色々あります。喫煙習慣、肺や気管の病気、ぜんそくなどのアレルギー、姿勢の悪さからくる胸郭圧迫、それに常日頃からストレスや不安、緊張などに晒されているために呼吸の力を落としてしまっているケースもあります。
ですからここでは「呼吸機能も歳をとるのだ」ということを、しっかりと肝に銘じておくようにしてください。
 
 
 
 
老化すると「空気を出し入れする力」が落ちる
「加齢による呼吸器機能の大きな原因となっているのは「呼吸器自体の老朽化」です。なかでも「呼吸筋の老朽化」と「肺の老朽化」です。
 
 
まずは「呼吸筋の老朽化」です。
肺は自力で膨らんだり縮んだりしている訳ではありません。肺の周囲には肋間筋をはじめとした呼吸筋が存在しています。これらの筋肉が絶えず収縮運動を行なっているからこそ、肺は膨らんだり縮んだりすることが出来るのです。
 
ところが、呼吸筋の力があってこそ呼吸の機能は中年以降、高齢になるに従い、少しずつ衰えて来ます。どんな筋肉も歳を取れば衰えるものですが、呼吸筋の場合、加齢とともに筋肉がかたくなり、肺を広げたり、縮めたりの収縮運動を充分に行えなくなってくる。こうした呼吸筋の老朽化が進むと、呼吸が浅くなって、だんだん効率よく空気を出し入れすることが出来なくなってくるのです。
 
 
 
 
次に「肺の老朽化」です。
肺は胸郭の中に収まっている風船のような存在。この風船は呼吸筋の収縮により空気の出し入れをしています。この風船=肺は、加齢により少しずつ弾力が落ちて来るのです。歳を取ると弾性が低下して膨らんだり縮んだりする力が落ちて来ます。すると、換気量が落ち、段々充分な量の空気を出し入れすることが出来なくなって来るわけです。
 
 
 
老年になると「肺の中に残る空気の量」が増えてしまう
空気を出し入れする力が落ちて来ると、だんだん増えて来るのが「機能的残気量」です。
「残気量」とは息を目いっぱい吐き切ったつもりでも肺の中に残っている空気の量のこと。肺活量の検査の時に息を大きく吸ってから、思いっきり吐き出した時の空気量の最大値が、肺活量。その時に全部吐き出したつもりなのに、肺に残っている空気量が残気量です。
 
肺活量の検査のように思い切り吐くのでなく、安静状態でいつも通りの呼吸をしている時に肺に残る空気の量です。少しの量の空気が残るのは正常です。必要以上の空気が残るのが異常なのです。呼吸筋や肺が老朽化して呼吸機能が衰えて来ると、この機能的残気量が増えて来るようになります。
 
これは肺の中に常に余分な空気が居座っていて、「外から新たな空気を取り込むスペースが」狭くなっているということです。次に吸う時に充分な空気を吸えなくなってしまいます。空気を出し入れする換気効率がてきめんに低下してくるようになります。
 
効率が悪くなると、呼吸筋をより強い力で収縮させて肺を膨らませたり、また、より大きな力でも肺が充分に広がらなかったりで呼吸の度に結構なエネルギーを消耗するようになります。すると息苦しさを感じたり、浅くて速い呼吸をするようになって来ます。
 
こうして呼吸の不調が続くと意識して頑張らないとうまく呼吸が出来なくなり、呼吸の力は定価の一途をたどり、どんどん息をしづらくなる方向へとシフトして行きます。ですから呼吸の力をキープできるかどうかは「肺の中に残っている空気の量」を如何に減らせるかにかかっているのです。
 
 
 
 
 
息をするのが苦しい―COPDは死ぬよりもつらい病気
呼吸年齢を(実年齢と機能的残気量の平均レベルの比較)極端に老いさせてしまうと、どんな怖ろしい事態になるか、述べて見ましょう。
 
COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気をご存知でしょうか。これはタバコの煙などの有害物質が原因で肺に炎症が起こり、肺が気腫化して、大変呼吸がしづらくなる病気です。
 
主な症状は、息苦しさ、息切れなどの呼吸困難。そしてしつこい咳や痰に苦しめられます。日本にはおよそ530万人の患者がいて、60代の8人に1人、70歳以上の6人に1人が罹患しているとされています。【この本は2018年7月初版】
 
COPDの死亡者数は、喘息の約10倍にのぼるという調査もあります。WHOの2004年の調査では、死因の第4位になっています。患者は寝ても覚めても「息をする苦しさ」から逃れられません。精神的にも体力的のもどんどん追い詰められてしまうようになります。
 
呼吸器の機能が極端に衰えて来ると、このCOPDと同様の症状が現れるようになります。機能的な残気量がかなりの量に増え、息の出し入れをスムーズに行えなくなってくると、寝ても覚めても空気不足感や息苦しさなどの辛い症状に悩まされるようになってしまいます。
 
 
【COPDは研究によるとタバコの煙とは関係なく、コロナ禍から圧倒的に使用するようになって、現在も消毒液として使用している「第4級アンモニウム塩」が原因とされている。その他、消臭剤や芳臭剤や漂白剤にも含まれている。興味ある方「[IN DEEP」岡さんのブログに研究の紹介があり。
マスクによる自死の時代 : ガンだけではなく、一酸化窒素不足によるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)まで今後増えてしまうかもしれないことを科学誌ネイチャーに掲載された日本の研究で知る - In Deep
 
過剰な消毒がどのように小さな子たちを殺していくか - In Deep
 
消毒剤に使われる第四級アンモニウム塩は、通常の使用でも「先天性異常と神経の欠損」を誘発する。実験では異常は二世代にわたり続いた - In Deep
 
あと2本記事がありますがこれだけにしておきます】。
 
【科学誌{ネイチャー」は一流の雑誌です。「査読付きと言うのは何人かの専門家が読んで研究方法などをチェックした後に雑誌に掲載される記事のことで、所謂、お墨付です。信頼性があるということです】。
 
 
 
 
 
呼吸が変われば気持ちも変る
私は、感情と呼吸は一体だと考えています。皆さんは、怒った時には息を荒げますね。また、時間に遅れそうな時や、ゾッとするような怖い思いをした時には呼吸が速くなるのではないでしょうか。一方、親しい人と談笑している時やひとりでくつろいでいる時は呼吸がゆったりとしています。
 
呼吸はその時その時の心模様を反映しています。呼吸は私たちの感情を映す鏡。不安、悲しみ、喜び、幸せ、癒し、安心などのポジティブな感情になった時に、ゆったりと安定するメカニズムになっています。
 
即ち、不安定な感情が不安定な呼吸を招き、安定した感情が安定した呼吸を招くのだということ。これは逆パターンも当てはまります。不安定な呼吸をしていると感情も不安定になって来ますし、安定した呼吸をしていれば感情も安定した呼吸をしていれば感情も安定するようになります。
 
 
 
言うなれば、感情が変れば呼吸も変わり、呼吸が変われば感情も変る。まさに、感情と呼吸は一体として動いている訳です。
 
 
 
こうした感情と呼吸の連動性を利用すれば、呼吸をトレーニングで整えることによって感情を安定させていくことも充分に可能なのです。
 
 
 
ですから、普段から不安、焦り、緊張などのストレスにさらされて「浅くて速い呼吸」になっている人は、ゆったりとした呼吸をするようにトレーニングを積めば、感情を安定させたり、心に余裕を持たせたりするように自分を変えていくことが出来る訳です。
 
 
 
 
呼吸のせいで老化している人は多い
呼吸器は歳を重ねるとともに衰えていく一方。何の対策もしていなければ、年々呼吸筋や肺の機能が落ちて、空気を出し入れする効率が低下していってしまいます。
 
加齢によって衰えるだけでなく、呼吸は日々のストレスによってもじわじわとダメージを受けているのです。これまで呼吸の重要性に気付かないせいで心と体を老化させてしまってはいないでしょうか。でも大丈夫、しっかりとしたケアやトレーニングをしていけば、呼吸の力は着実に回復します。トレーニングで呼吸を鍛えて、これまでの損を取り返していけばいいのです。
 
 
 
 
 
第2章
大切なのは酸素ではなく二酸化炭素だった
 
呼吸を良くするハウツーを紹介する前に、ここでひとつ確認しておかなくてはならないことがあります。
 
それは「いい呼吸」とはどんな呼吸なのかという点です。呼吸を良くするといっても、どういう息の出し入れが「いい呼吸」で、どういう息の出し入れが「悪い呼吸」なのかが理解できていなければ話になりませんね。
 
 
 
次に挙げた項目について考えてみて下さい
*酸素を沢山吸っても呼吸がラクになる訳ではない
*酸素の取り過ぎは体によくない
*活性酸素の害を減らすには、適度な運動をする方がいい
*二酸化炭素は体にとって欠かせない働きをしている
*口から呼吸をしていると認知症になりやすい
*深呼吸を何回も立て続けに行なうのはよくない
*深呼吸しても、脳や体により多くの酸素が行き渡るということはない
腹式呼吸よりも胸式呼吸を鍛えるほうが大事である
 
いかがでしょうか。これらの正解は全て〇です。「いい呼吸」に関する正しい知識を身につけた上で、息を出し入れする力を向上させてください。
 
 
 

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