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「ハルカと約束の鐘」🌟魔法使いリフレムの物語🌟
深い森の奥に、ひっそりと佇む古い塔がある。そこには、ある不思議な魔法使いが住んでいる。名をリフレム。 彼は、炎を灯すでもなく、空を飛ぶでもなく——ものごとの見方を変えるリフレーミングの魔法の達人だった。
さて・・・。今日はどんな魔法が生まれるだろう?
🔔 ハルカと約束の鐘
「私がやらなきゃ……全部、一人で……。」
ハルカは、拳を握りしめながら呟いた。
「誰かに頼るのは、甘えなんじゃないかって思うんです。 大切なことほど、自分で背負わないと……。」
リフレムは静かにハルカを見つめた。
「そう思い込んで、どれくらいになる?」
「……ずっと。」
ハルカは俯いた。
「誰にも頼らず、全部やりきれる人になりたくて……。 でも、正直、苦しくなるときもあって……。」
リフレムは微笑み、ハルカの手をそっと引いた。
「よし、一緒に ‘約束の鐘’ を見に行こう。」
🔔 約束の鐘の広場
二人がたどり着いたのは、丘の上の広場だった。
そこには、古びた大きな鐘が立っており。 風が吹き抜けると、鐘はかすかに揺ているかのように見えた。
「これは ‘約束の鐘’ と呼ばれている。 ここで誰かと鐘を鳴らすと、その約束は ‘二人で支え合うもの’ になるんだ。」
ハルカは鐘を見上げた。
「……でも、私の役目は ‘一人でやり遂げること’ なんです。」
🔔 響かない鐘
ハルカはふと、鐘の大きさを見て思った。
「このくらいなら……私一人でも鳴らせるはず・・・。」
そう言って、鐘の紐をしっかりと握り、力を込めて引いた。
——しかし。
確かに鳴るはずの鐘は、まるで音を吸い込んだかのように、静かに揺れるだけだった。
「……え?」
ハルカはもう一度、力を込めて引いた。
だが、鐘はただ揺れるだけで、音は鳴らなかった。
鐘の周囲には、風が静かに流れていた。 まるで、鐘がその音を空へと返してしまったかのように。
焦りが胸をよぎる。
「どうして? 私の力が足りないの……?」
リフレムは優しく微笑んだ。
「ハルカ、確かに ‘一人で鳴らさなくてはいけない鐘’ もある。けれど ‘二人でなら鳴る鐘’ もある…。全部を ‘一人で’ じゃなくていいのだよ。」
🔔 分かち合うことで強くなる
リフレムは、そっと鐘の紐を握った。
「この鐘は、一人では鳴らせない。 誰かと力を合わせて、はじめて響くのだ。」
ハルカは驚き、リフレムと一緒に鐘の紐を握った。
二人が同時に引くと——
ゴーン……
澄んだ音が空に広がった。
それは風に乗り、丘を越え、遠くの町へと響いていく。
「……!」
ハルカは、胸の奥に響く音を感じた。
「力を ‘合わせる’ って、こういうこと……?」
「そうさ。」
リフレムは頷いた。
「本当に大切なことは、一人で背負うことじゃない。 ‘支え合うこと’ で、より強く、遠くまで響くのだ。」
🔔 約束の鐘が教えてくれたこと
ハルカは、鐘の音が消えていく空を見つめた。
「……じゃあ、私は ‘誰かと一緒に’ やってもいいのかな?」
「もちろん。」
リフレムは微笑んだ。
「誰かに頼ることは ‘甘え’ じゃない。 ‘共に歩む力’ なんだよ。」
ハルカは、静かに頷いた。
「ありがとう、リフレム。」
鐘の音が、もう一度静かに響いた。それは風に乗り、まるで ‘誰かの心’ に届くかのように、優しく広がっていった。
🌿 リフレムの教え
「本当に大切なことは、一人で抱え込むことじゃない。‘支え合うこともまた、強さ’ なのだから。」
今回の物語のように心が軽くなるリフレーミングの考え方について、シリーズとして分かりやすく物語にしています。カウンセリングを受ける前に一度読んでみてください。それだけで心が楽になるかもしれません。
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