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ロシアも招待しては?

 9日の長崎原爆の日の平和祈念式典に、長崎市がイスラエルの駐日大使を招待しなかった。これに、日本を除く米英などG7の6か国とEU=ヨーロッパ連合の東京に駐在する大使らが連名で懸念を示す書簡を長崎市の鈴木市長に送り、駐日大使の参加を見合わせた。イスラエルを、ロシアと同等に扱うのは筋が違うとの言い分だ。
 
 これに対し、鈴木市長は「政治的な理由で招待しないわけではなく、平穏かつ厳粛な雰囲気のもとで式典を円滑に実施したいという理由だ。」と述べている。イスラエルの大使が出席すれば、治安が乱されるかもしれないとの言い分で、些か無理がある。
 
 長崎に先立ち開催された広島の平和祈念式典には、イスラエルの大使も招待されて何ら問題なかったし、話題にさえなっていない。治安を理由とする長崎市長の説明には無理があり、多分・・・ゴザを攻撃しているイスラエルを嫌っているのだろう。勿論、広島・長崎とも、ロシアの大使は招待していない。
 
 ロシアは一方的にウクライナに侵攻し、欧米に対して核兵器の使用をチラつかせているが、イスラエルのゴザ攻撃の発端は、昨年10月、突如ハマスがイスラエルに侵攻し、無用な蛮行、1200人の殺戮の末、200人以上の人質を連れ去ったことであり、ロシアとは基本的に違う、というのが欧米大使の主張だろう。
 
 勿論、事はそんなに単純ではなく、イスラエルを国家として認めるか認めないか、ユダヤ人の存在そのものをどう考えるかまで遡り、我々には理解し難い理屈がある・・・・らしい。
 
 私は、ロシアの大使もイスラエルの大使も、広島・長崎の平和祈念式典に招待すればよかったと考えている。日本はロシアを国として認め、大使の交換をしている。そうであれば、大使を記念式典に招待して、平和が大切なこと、核兵器がいかに愚かで悲惨なことを訴えるのが当たり前ではないか。勿論、それで直ぐに何かが変わるわけではないが・・・・

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