昭和歌謡集 ベスト100歌謡曲
文芸春秋12月号で、昭和歌謡集「ベスト100曲」を選出しようと、下記6名の方が、昭和20年から64年までに発表された歌から20曲を持ち寄り、各自の思いを紹介している。
五木寛之;1932年生まれ
藤原正彦:1943年生まれ
内館牧子:1948年生まれ
ジュディ・オング:1950年生まれ
片山杜秀:1963年生まれ 政治学者、音楽評論家、慶應義塾大学教授。
酒井順子:1966年生まれ エッセイスト
因みに私は1947年生まれ、内館牧子さんと近い。又片山杜秀さん、酒井順子さんは失礼ながら存じ上げていなかった。
6名の方が選んだ曲はそれぞれの年代を反映しているようが、各自が20曲を選んだ思いを述べている。
(五木)その時の日本人の感情をつかみ取り、爆発的なヒット曲になったけれども、瞬く間に忘れ去られてしまった曲もなるべく入れるようにしました。一瞬で燃え尽き消え去ってしまうのもまた、歌謡曲の本質の一つだと思うからです。
(藤原)日本の歌謡曲は、自然と胸に沁み込んでくる「もののあわれ」がその底流にある。もののあわれが濃厚に感じられる歌を中心に選びました。
(内館)私は昭和23年生まれで、一学年各クラス60人で八クラス、朝起きてから夜寝るまで競争に明け暮れていました。その中で生きてきた同年代がくっきりと見えてくる20曲を選びました。
(ジュディ)私が16歳で歌手デビューしてから今に至るまで自分が聴いて感銘を受けた20曲を選びました。
(片山)戦後の昭和歌謡の特徴は、その時々の古いものと新しいもの、日本の伝統と海外からもたされたものなどが絶えずせめぎ合い・・・それらの対立、衝突があったからこそ、あれほど豊かな歌が残された。それを意識しながら選んでみました。
(酒井)私は昭和41年生まれなので、最初に記憶がある歌手は、尾崎紀世彦さんと山本リンダさん。まさにニューミュージックでした。なるべく私がリアルタイムで出会って心を動かされた歌を中心に選びました。
同時に読者が選ぶベスト10もあげられているが、全体に古い。文芸春秋の読者は私(77歳)より年輩の方が多いのではないか。藤山一郎、田畑義夫、並木路子、美空ひばり、春日八郎・・・・などなは、ついていけない。
6名の方が選んだ曲を参考に、以下、私なりに昭和歌謡の20曲を選んでみた。
ジェリー藤尾「遠くへ行きたい」
昭和37年、作詞:永六輔 作曲:中村八大
吉永小百合・和田弘とマヒナスターズ「寒い朝」
昭和37年、作詞:佐伯孝雄 作詞:吉田正
浅川マキ「夜が明けたら」昭和44年、作詞・作曲:浅川マキ
ビリーバンバン「白いブランコ」
昭和44年、作詞:小平なほみ 作曲:菅原進
藤圭子「けいこの夢は夜開く」
昭和45年、作詞:石坂まさを 作曲:曽根幸明
小柳ルミ子「私の城下町」昭和46年、作詞:安井かずみ 作曲:平尾昌晃
ガロ「学生街の喫茶店」昭和47年、作詞:山下路夫 作曲:すぎやまこいち
南こうせつとかぐや姫「神田川」
昭和48年、作詞:喜多篠忠 作詞:南こうせつ
中村雅俊「ふれあい」 昭和49年、作詞山川啓介 作曲:いずみたく
太田裕美「木綿のハンカチーフ」昭和50年、作詞:松本隆 作曲:筒美京平中島みゆき「時代」 昭和50年、作詞・作曲:中島みゆき
荒井由美「卒業写真」 昭和50年、作詞・作曲:荒井由実
ばんばひろふみ「イチゴ白書をもう一度」
昭和50年、作詞・作曲:荒井由実
布施明「シクラメンのかほり」昭和50年、作詞・作曲:小椋佳
山口百恵「いい日旅立ち」昭和53年、作詞・作曲:谷村新司ジュディ・オング「魅せられて」 昭和54年、作詞:阿木燿子 作曲:筒美京平
久保田早紀「異邦人」 昭和54年 作詞・作曲 久保田早紀
五輪真弓「恋人よ」 昭和55年、作詞作曲:五輪真弓
谷村新司「昴」 昭和55年 作詞・作曲 谷倉新司
石川さゆり「天城越え」 昭和61年、作詞:吉岡治 作曲:弦哲也
ばんがひろふみ「イチゴ白書をもう一度」はどなたもあげていなかったが、私の時代そのもの、当時は自分を歌われているような気がした。なお、皆さんが選ぶ、美空ひばり、石原裕次郎は、私にはピンとこない。