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自宅で死ぬための大会議 ③ 看取りが人生に与えてくれるもの-2

 認知症でも大丈夫
 ここでは、認知症、末期がん、末期腎不全などでも在宅医療で看取ることが出来ると述べています。
 
 三砂:父は認知症だったので施設で看て・・・認知症でも家で死ぬことは出来ると思われますか?
 山中:はい。心配されるのは「不穏」でしょう。・・・投薬でかなり落ち着かせることが出来ます。精神疾患を専門とする訪問介護のサポートなども出来ますから、うまく我々に頼って欲しい。認知症だけでなく・・・痛みや苦しみはもちろん、不穏を落ち着かせてあげるのも、在宅医療の大事な役割です。
 三砂:がん患者の場合は、家で死ぬための経験値が・・・積み重ねられつつあり・・・。では他の病気は、となると山中先生はどうですか?
 山中:腎不全は在宅で自然なかたちでお看取りが出来る、むしろ病院にいる必要のない病気だと思います。積極的治療がかえって苦痛になる方もいます。
 石川:90近かった父にとって透析のために病院通いを選択するのは大変な負担でした。
 
 治せない病気こそ在宅医療 
 山中:訪問診療医は個々の患者さんの症状を診断し、延命治療を含めたサポートをしていくことが出来ます。・・・病院のドクターで「もうできることはないから諦めて家に帰りましょうね」というような言い方をする人がけっこういますが、その言い方はやめて欲しいですね。在宅医療でも苦痛の緩和をして、本人が楽に過ごせる状態にできますし、延命も出来ます。
 
 石川:慢性疾患を抱えている人は医療ケアができる施設にしか入れない可能性を考えておいたほうがいい。
 甚野:たしかに一時金や月額料金といったお金の情報しか見えていない人は多いと思います。
 石川:「家で死ぬのも大変そうだし施設でいいや」程度の漫然とした知識でいると、たとえお金を貯めていても望むような施設に入れないかもしれない。さらに言えば、より良い死へのプロセスをたどるのが難しいかもしれない。

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