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60年来の旧友と会食
昨日は高校時代からの旧友と夫婦同士4人で会食した。彼は高校2年の同級生だから、付き合いは62年間に及ぶ。学生時代は彼の家にしばしばお邪魔し、母上殿と妹殿ともそれなりに親しかった。社会人になってからもお付き合いが続き、お互いに結婚する前から、我監視人殿と彼の今の妻殿ともダブルデートなどもしていた。
彼のお父上は某建具メーカーのオーナーで、彼は2代目だ。当方は、会社が忙しかったのと、福山や新潟に転勤したこともあり、年に1度の同期グループ懇親会で会う程度だった。61歳で私が東京に戻ってからは数人の仲間でゴルフするなどしてそれなりに付き合いがあったが、姫路に行ってからは疎遠になっていた。4年前に東京に戻ってきた直後は、体調不良が続いたが、昨年、一段落すると、彼が人形町で会食しようと誘ってくれるようになった。
昨日の会食は、日本橋三越の特別食堂、予約していた12時に集合する。広々としたスペースにゆったりと席が配置され、隣を気にせずに大きな声で話しが出来る。肉好きの彼は何時もの通りステーキのコース、奥様は和食の何とか御膳、当方は(つつましく?)かつ重、監視人殿はにぎりのセット、いずれもかなり高いが、場所代と考えればまあまあ・・・・かもしれない。
4人の集合は久々、昔ばなしから始まり、留まるところを知らず、延々と話が続く。彼の話しでは、お父上が亡くなった時、会社の株式を継いだ彼の相続税が60億円、払うのに四苦八苦した。その後リーマンショックで売り上げが激減し、140億円の借金を返済するのが大変だった。返済期限が迫る都度、神経をすり減らした。といった話を初めて聞いた。個人のオーナー会社だから、会社の借金に社長個人が連帯保証人になっており、会社が倒産すれば、個人もすべての財産を失うことになる。何とか立て直し、今は実質無借金経営になり、2年程前に息子に社長を譲り、暇になったそうだ。
当方も上場企業のトップに就任した時に前任者からの諸々があって、立て直しに苦労したが、基本的にサラリーマン社長だから、万一会社が破綻しても社長を辞めるだけで、個人の財産までは追求されない。彼の立場とは重みが違う。それでも会社の経営者としての苦労を語れる貴重な友人だ。
話は延々と続き、3時間程喋ったところで、流石にもうよかろうと解散となった。・・・・ところが、当方に異変があった。立ち上がって歩こうとすると、ふらつきが激しくまともに歩けない。舌も回らず、普通に喋れない。同じ姿勢で長く座っていると偶に出る脊髄小脳変性症の症状だ。椅子の背に手をかけながら机の周りを何周も練習歩きをするなどして、監視人殿に助けてもらい何とか進めるようになり、タクシーで帰宅した。