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子どもの頃「将来の夢」を聞かれるのが嫌だった|本を読んで思い出したこと
妊娠すらしていない時から、もし自分に子どもができたら、これだけは絶対に言わないと決めていたことがある。それは、「将来何になりたいの?」だ。
幼い頃、この質問をされるたびに、なんとなく答えに困っていた。
知っている職業なんて限られているし、よくわからない。
でも、親や先生から何度も聞かれるうちに、とりあえず聞こえの良さそうな職業を選び、それっぽい理由をつけて答えるようになった。
気づけばそれが、実際に目指す職業になっていた。
もちろん、その道を選んだことを後悔しているわけではないし、今は今で充実している。
ただ、後から振り返ると「早々に選択肢を狭めてしまったのでは?」と思うことがある。
「将来何になりたい?」と聞かれると、つい職業のこと、とりわけ資格のあるものを答えなければいけないような気持ちになる。
実際に、周りの大人もそういう答えを期待していたように思う。
でも、本当に大切なのは「どんな職業につくか」ではなく、どのように生きたいかではないだろうか。
そもそも、子どもの頃は知っている職業の数が少ない。
大人になるにつれて、世の中には想像もしなかったような職業がたくさんあることを知る。その時に「これをやってみたい」と思うことがあるかもしれないのに、子どものうちから特定の職業にこだわる必要はないはずだ。そもそも、数年前には存在しなかった職業が生まれることもあるだろう。YouTuberは分かりやすい例ではないだろうか。
だから、私は自分の子どもには「何になりたい?」とは聞かないと決めている。
では、どう聞けばいいのか?
その答えの一つを、何気なく読んだ本の中に見つけた。
「今何やっているのが楽しい?」だ。
この問いなら、職業に縛られず、もっと広い視点でやりたいことを描けるかもしれない。幼い私も、違和感なく答えられたと思う。どんな答えでもいい。将来何につながるかなんて、具体的にわからなくていい。
職業は、その人の生き方を叶えるための手段のひとつでしかない。
生き方を決めてから、その手段を考えたって遅くはないはずだ。
「何になりたい?」よりも、「何が楽しい?」
そう問いかけることで、子どもが自分の可能性を広く考えられるようにしたい。
あの頃の自分は、何が楽しかっただろうか。
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