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日本でもっと “カスタマーサクセス” を盛り上げよう!! #5に参加してきた!

こんにちは。中村綾香(@niloiv51)です。

2018年11月26日(月)に開催された「日本でもっと “カスタマーサクセス” を盛り上げよう!! #5 」に参加しましたので、イベントレポを書きます!
前回のレポはよろしければ以下から…!

■JCSC(Japan Customer Success Community)とは?
日本ではまだまだ普及・浸透していない「カスタマーサクセス」について情報交換、議論をし、カスタマーサクセスという概念を日本に浸透、活性化させることを目的とした、日本でカスタマーサクセスに挑戦する人たちのコミュニティです。
※ベルフェイスのCSメンバーが立ち上げたコミュニティで、FBページはコチラです!

<当日のイベントの様子>

*司会*
ベルフェイス株式会社 カスタマーサクセス企画室 室長 小林泰己さん

司会は前回に引き続き、小林さん!
小林さんはベルフェイスで、テックタッチ領域を1人で担当されていらっしゃいますが、最近のお取り組みについてお話いただきました。

◆カスタマーサクセス(職)って…?
We're HAPPY!!
これは前回もお話があって心から共感したのですが、お客様も自分たちも一緒に幸せになるのがカスタマーサクセスだよね、という事。私もちょうど今日メンバーと会話をしていて、CSは顧客と一緒に喜びを感じられるから好きなんです!と言う発言があり、まさにこの言葉だなと噛み締めました。

◆ベルフェイスでのトレンド
ヘルススコア管理に絶賛取り組み中との事。スコア要素は以下のようなものだそうです。
「推進者のやる気」という項目が面白いと思っていて、特にold営業スタイルとの戦いもあるベルフェイスさんには、重要な項目となるんだろうなと。

そして、このスコア管理を全部Excelで実施されているようで、そろそろHiCustomer入れたいなーと仰っていました…!

そして、司会の小林さんから、高橋さんのご紹介。
このコーナーが私はとても好きで、webMTGにはbellFaceではなくZoomと紹介する小林さんの切なさそうな感じ含め、小林さんから登壇者の方への愛を感じます!!

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第1部 登壇発表

*登壇者*
HiCustomer株式会社 高橋 歩さん

今回は、なんと「HiCustomerを使わなくてもできる!? カスタマーサクセスのサクセス方法」という、高橋さんもボスに怒られたというテーマでした笑
今回はハイタマの高橋さんではなく、CSを多めにやっている高橋さんとしてお話いただくとの事です。

また、今日の内容を受けて各自「3つのアクションプラン」を立ててみましょう!との宿題もありました…!心して聞かねばと思いました…!!

カスタマーサクセスと言えば「青本」が有名で、会場にいらっしゃった多くの方が購読済みとの事。その中では、以下のような事が書かれています。

高橋さんからは「本当にそれでよいんだっけ?」というお話をしていただけるとの事で、改めて本日のタイトルは「新・逆説のカスタマーサクセス」
※参考:馬田先生著 (そんなに逆説のない)逆説のカスタマーサクセス

と言うことで、5つの逆説でCSを読み解いていきます。

1.チーム目標:解約率は追いかけない

高橋さんの調査によると、約75%のCSチームが「解約率・更新率の改善」を重要ミッションとして持っているようです。
ただ、解約率・更新率は日々追いかける目標としては扱いづらい部分があります。なぜならば、発生タイミングが大分先に存在したり、意思決定に時間が掛かったりなど、日々の活動が改善に直結していると実感しにくいのです。
なので、解約率・更新率をKGIとして設定し、KPIとしてその手前のもの、ヘルススコアを設定した方がよい、との事です。

このヘルススコアには①プロセス指標 ②関係指標 ③成果指標の3分類があり、例としては以下のようなものがあります。
※後半のパネルディスカッションでもありますが、これはあくまでも一例で、対象とするプロダクト/サービスによりモニタリングすべき項目は変わります!

2.顧客分類:「○○タッチ」で考えない

よく見るピラミッドですが、これを見たら要注意!とのお話。なぜならば、このピラミッドには①顧客価値(≒契約の価値) ②サポート手法の2軸が混ざるため、紛らわしいのです。
私もピラミッドを使った話を社内でしていると噛み合わない時があり、正にこれだったなと思っています。どちらの話をしているのか認識あわせをしながら使うことが大切です。
お勧めの対応方法としては、以下!
 ・顧客価値分類の話では「○○タッチ」を使わない
 ・サポート手法は顧客価値ではなく目的から考える

青本などでは顧客価値に紐付けて「○○タッチ」と分類したりしていますが、達成したい事が実現できる手段はどれなのか、またそれは顧客の期待に見合うか、コストに見合うかという観点から選択する必要があります。
そのためにまずは、顧客のゴールで分類してみるのが良いのでは、との事でした。

その一例としてUNCOVER TRUTHさんのUSERDIVEというツールに付随する改善業務アウトソーシングの事例を共有いただきました。
まずは、顧客価値(=予算)を元にタッチモデルで分類したがあまりしっくり来ず、顧客のゴールを深堀したところ、アウトソーシング活用の目的が異なっていたとの事!
・自分たちの代わりに成果をあげて欲しい
・自分たちで出来るようになりたい

そして、この様なゴールの深堀の際は4つの視点が有用との事。
・財務の視点…収益や生産性の向上
・顧客の視点…新規顧客開拓と既存顧客の占有率向上
・業務プロセスの視点…業務プロセス改善による差別化
・学習と成長の視点…意識改革や能力向上による成長

これに当てはめて考えたUSERDIVEの例は以下です。
表層のゴール(財務視点)では同じでしたが、業務プロセスの視点で違いが見つかり、さらに学習と成長の視点での支援が必要な部分が見えました!

3.顧客探し:正しい顧客なんていない

青本でも原則①として記載されている「正しい顧客販売する」ということ。これは私自身もCS構築時にかなり頭を悩ませ、正しい顧客/理想の顧客の定義できないまま、顧客の成功の定義だけをして進めていたので、とても興味がある内容でした。

まず、顧客はどの様なときにサービス/プロダクトに価値を感じるのか。
それは、顧客が「価値を感じて」いて、私たちがそれを「提供できている」時。

じゃあそこに注力すれば良いではないか!としてしまう(赤い部分を切り捨ててしまう)と、顧客が減ってしまいます…。

それではどう考えていけば良いのか…?
①自社のサービス≠顧客の期待
自社サービスの価値と顧客の期待がぴったり一致することはないし、営業時に伝えきれることも無い。なぜなら顧客が気付いていない価値を提供していたりするものだから。
だからこそ、重なる部分をCSのプロセスで大きくしていくことを考える!
②顧客に関する十分な知識を身につける
良く「うちは特殊だから~」と言われることがありますが、その際にどの領域が特殊なのか?を考えてみる。
そのために、以下の軸で十分に調査してみる!
・業界…業界動向、慣習、専門用語など
・企業…企業の理念、経営計画、戦略、提供サービスなど
・顧客業務…独自の業務内容、業務プロセス、手続きなど
③それぞれのステークホルダーを見極める
企業により利用者と決裁者が違ったり、誰に何を伝えればよいのかを見極める!

これらにより、顧客とのギャップ(認識相違)をなくして、強みだと思っていることを、正しく伝えることが出来れば強みを理解してもらえる!
「正しい顧客に販売」するのではなく、「顧客に正しく伝える」事が大切だとの事です。

4.活動方針:プロアクティブを目指さない

よく、カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違いは「リアクティブ」と「プロアクティブ」だと言われます。
ただ、プロアクティブな活動は①時間的制約(先回りにはゴールが無く、全部のカバーは不可能) ②人への依存(担当者の知識や経験に頼らざるを得ない)という理由より割と難しいものです。

だったら、リアクティブに動けるきっかけを作ればよい=ヘルススコアを管理してトリガーにしましょう!という事です。
しかも、CSはリアクティブでも顧客にはプロアクティブに見えるという凄技です!

5.ヘルススコア:データ分析からはじめない

そしてリアクティブになるために管理していくヘルススコアは、データ分析から始めない…!!
なぜならば、データ分析をするのはハードルが高い。
エンジニアのリソースが無かったり、自分たちでやろうとしても分析に必要なスキルやリソースが無かったり、そもそも分析するためのデータが揃っていなかったり…。
本当にもうその通りです!と心の底から思っておりました。

そもそも、なんのためにヘルススコアを管理するのかを考えると、顧客が目指すゴールがあり、そこにたどり着くためのルートを伴走していくのがCSですが、そのルートを外れた時に気付いて戻れるようにするため。

なので、そのためのポイントとしてやっていくことは、以下4点。
①ゴールの明確化
今どんな状況で、どういう状態(成功状態)を目指すのかを顧客と握る
②ステージに分類
カスタマーライフサイクルにあわせてフェーズに分解する。
この時のポイントは、顧客へのアクションが同じかどうか、かつ自社の視点も入れること!
ex)同じ運用フェーズでも、契約更新期は特別な動きするよね!とか
③アクション定義
ステージごとに(1)どんなときに(2)何をするか、を書き出す。
④インジケーターを見つける
③で書き出した(1)どんなときを指標化したものがヘルススコアの候補になる。その中で、改善アクションに直結する指標が「インジケーター」になる!

仮説を持って、逆算したアクションから始めてみよう!との事。完璧な状態ではCSを動かせないから、とても心強い言葉を頂きました。

最後に…

冒頭にあった「3つのアクションプラン」、高橋さんが考えてくださったとの事!!
ぜひ皆さんもアクションされてはいかがでしょうか!?
①カスタマーサクセスについてもうちょっと調べてみる
→Schooで高橋さんご出演の講義が見られるよ!
②自社のサクセスロードマップを作ってみる
→サクセスロードマップ作成の講義をやっているので、興味がある方は高橋さんにコンタクトを!
③カスタマーサクセス管理がしやすいツールについて調べてみる
→「HiCustomer」があります!12月4日に正式版がリリースされました!

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と、ここまでレポートを書いていたのですが、なんと私のPCクラッシュによりパネルディスカッションの議事メモが飛んでしまいました;;ので、今回のレポートはここまでとなります…。
(SaaSConferenceTOKYOの議事メモも一緒になくなってしまったので、お待ち頂いていた方、誠に申し訳ありません…)

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青本や成功しているカスタマーサクセスの事例はとても参考になりますが、カスタマーサクセスを始めるフェーズではハードルが高いと感じることが多いと思っていたのですが、今回のお話を伺い、正攻法でなくても出来るんだ!と勇気をもらいました。

ちなみに私のアクションプランは以下3つとしました。
①社内のカスタマーサクセスコミュニティを作る
対面ではなくslack上でも良いので、CSに興味がある人に対して情報発信・対話できる場を作り、興味がある人同士を繋げて社内へCSを根付かせていく
②カスタマージャーニーマップを作れるようになる
CS構築をするにあたりこれは必須なのでは、と思っています
③良さげなヘルススコア要素も検討する
データが取れていなくても、経験値として関係ありそうだなと思った項目は、切り捨てずに試しに採用してみるのはありなのかな、と思いました

またイベントに参加しましたらレポート書きます!
何か皆様の参考になっていたら嬉しいです^^

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