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今日はUFOの日
登場モノ
チョッパー:挽肉挽き機の妖精、スーパーモノモデルの責任者
スラスラ:ハムスライサーの妖精、同上従業員、社畜
その他妖精、妖精さんの仕業なの
チョッパーとスラスラが道を歩いていると空にきらりと光るモノが見えた。スラスラはUFO発見と喜びスマホで撮影を試みるも、モタモタ愚図愚図し、シャッターチャンスを逃す。この男に神様がたまさかの幸運を与えたとしてももちろん、気が付かないか、ぼんやりしているうちに逃すかのどちらかしかない。スラスラとはそういう男なのだ。
チェッ、月刊ムーに投稿しようと思ったのにと、しょぼくれるスラスラにチョッパーは
飛行機にしか見えなかったけどねぇと、皮肉のような事を言って慰める。爺、目もおかしいなとスラスラは思ったので、反論はしなかった。
一方、夜な夜なきゅり男は窮地に立たされていた。君だけが僕のベストパートナーさ、君なしの僕なんて、ぬか床の古漬キュウリみたいに萎れているよ。などと甘い言葉を大葉佳代
(おおばかよ)に囁いた5分後には同じセリフを使いまわしておてんば娘のジンジャーにも語っていたのが双方にバレて、詰め寄られていた。
佳代とジンジャーはこのへっぴり腰の優男に嫌気がさして、二人して夜な夜なきゅり男をぶん投げた。スリムなきゅり男は思いのほか大空高く飛んだ。その様子を見ていたのがチョッパーとスラスラだったので、どっちにしても彼らの見たのはUFOではなかった。まぁ、それ以上に珍しい光景ではあったかもしれない。
きゅり男はグルングルン、回りながら山道にドスンと落ちた。丁度そこにハイキングに来て道に迷った毛玉婆がいた。婆は何の準備もなく、山道に迷って、喉はカラカラ、お腹はグーグーになっていたので、空からきゅり男が降ってきて、これは神様からのお恵みと、ポリっと、きゅり男を丸かじり。
乾いた喉は一瞬にして潤いに満ち、UMA~ウマ~と歓声を上げた。きゅり男はそれを聞いて、それ、ウマーと読むんじゃなくって、ユーマですから~と、薄れゆく意識の中で思った。
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