『ミンナのウタ』考察改訂版:さなの怪異になった原因、怪異としての能力、『カセット文字起こし』との関連等々
本記事は、以前に公開したこの考察を大幅改訂したものです。
『ミンナのウタ』考察旧版:『ミンナのウタ』と『カセット文字起こし』について~怪異の背景を探ってみる|肉球どろん (note.com)
リピートして2回目を観て、色々と気付きがあったので盛り込みました。
それにしても、考察云々抜きにしても『ミンナのウタ』面白いですね~。
GENERATIONSの面々の怪異に逢ってのやられっぷりが好きです。特に関口メンディーさん。何度観てもよいです。
そして考察しても面白い。二度美味しい!
ブルーレイが出たら買いたいです(コメンタリーとかディレクターズカットとか入れてほしいですね!)。
※少し追記しました。
★:2023/9/12更新ありの節
※アナザーエンディング版を観てさらに追記しました。
☆:2023/9/26更新ありの節
※ブルーレイを観てさらに追記しました。
◇:2024/1/18更新ありの節
【1】さなが怪異になった原因を探ってみる/家族関係に仕掛けがある?
▼パンフにあったヒント
パンフの以下の記載が、映画本編を一見しただけでは気付きにくいことへのヒントになるのではと思いました。
さなのバックボーンには「大切な人の死がキッカケで歪んでいく」というものがある。さなは大切な人が亡くなった”最期の音”に執着し、その音を集めるキャラクター。
私たち親子(さなと母)の物語にも目を向けると、物語が広がって見えてくると思う。その愛にも震えていただけたら。
▼さなの大切な人とは?
さなの大切な人とは誰か?
ストレートに考えると弟のとしおくんなのですが、権田(マキタスポーツ)がカセットテープのB面を再生するシーンからすると、自分で手を下して”最期の音”を収集したっぽいので違いそうです。
それっぽいのは、エレベーターの女性か、
男の子。このあたり?
▼エレベーターの女性、さなの姉説
エレベーターの女性、予告にも映っていますね。
見た目さなと似ていて、少し年齢が上のようです。
あと、誰かが接近してきて惹き込む直前にさなに替わるというのは、男の子のときと似ています。類似パターンだとすると、未来のさなというよりは別人という気がします。
考えられる可能性としては、
家から出ていった、さなの姉
さなの産みの母(ループしている母は育ての親)
ですが、学校での権田と教師の会話で、教師から実の母娘だと明言されていました(教師の返し、すごい食い気味でしたね…)
なので、2は違いそうです。だとしたら、1?
個人的に推したい、さなに姉がいた説…。
もし姉がいたとしたら、大切な人=姉の可能性はありそうです。
そして、姉の面影と重ね合わせた凛さんに最後助けられるという流れ…。
どうでしょうかね…。
▼男の子、弟のとしお君と見せかけて姉の子供説
マネージャーさん(公式Twitter)のツイートなどで、男の子の写真に敏雄と書かれていたりするので、ここは半信半疑なのですが…。
この少年、いかにもとしおって感じの顔をしていますよね…。
(呪怨の記憶…)
もしかして、そういう罠...?
お母さんのお腹の中の子供は、権田のB面再生シーンでさなが言っているように、=「弟、としお」で合っていると思います。
素直に見ると、ホテルとかに出る男の子も「弟、としお」の成長した姿かなと思いますが、明言はされていません。
マネージャーさんがああいうフリをするということは素直な解ではなさそうですし、さなの能力(後述)的にも未来の姿は出てこない気がします。
だとすると、他にありそうなのは、姉の子供…?
※公式サイトの人物相関図を見ると、「さなの母」と「さなの弟?」の間の線をよくよく見ると「?」が付いていて、やはり怪しくもあります。
『ミンナのウタ』公式サイト
映画『ミンナのウタ』|絶賛公開中 (shochiku.co.jp)
以上から、さなの大切な人は、姉か姉の子供のどちらかと推測しました。
ついでに、こういうのもなんか気になります…。人形の数が何かを示唆していそう...。
▼家系図が映った!しかし一瞬すぎる… ☆◇
上記の”さなの姉と姉の子供説”を考えた後、鑑賞3回目で気付きました。
さながお母さんのお腹をぽんぽんするシーンの直前、家系図が映っていますね!しかし一瞬すぎて内容は全然分かりませんでした…。
直前にさなが「弟、としお」と言っているので、姉と弟なのは分かります。その上でわざわざ家系図を映した理由として思いつくのは、家系図に何か謎があるか、あるいはとしおの漢字表記を見せたかったか(呪怨と同じですよーというネタ)、ぐらいですかね。
あと、これはさなのカセットデッキに付いていたラベルですが、こういうのを見ると、前か後にも文字があって千切れたんじゃないか?とついつい思ってしまいます。
○さなとか、さな○とか(例えば「さなえ」とか)の名前の人が家系図にいたら怪しいですね。カセットデッキはその人のおさがりかも…。
正直この説ムチャクチャ堅いとまでは思っていないですが、ブルーレイが出たときの楽しみの一つですね。
※2024/1/18追記
ブルーレイで確認しました。家系図じゃない!
画数を確認して子供の名前を考えていたメモでした…。
画数が良いので「高谷俊雄」に決めたという、それだけの話でした…。
エレベーターの女性=大切な人=姉説は、さすがにアクロバットすぎましたかね…。
▼震える親子の愛とは? ★☆
これも映画本編を一見しただけではピンとこなかったですが、2回目でこれかな?というのが見つかりました。
「ミンナのウタ」のタイトルが出てくるまでのシーン。カセットテープを封筒に入れて切手を貼ったりしています。
ここで映る手が、ある程度年齢のいった女性っぽいんですよね。
少なくともさなっぽくはない。
これはさなのお母さんですかね…。
さなのお母さんは、さなが狂って”最期の音”を集めているのをおそらく知っていて(学校で自殺があった後のビンタ)、それを止められなくて、さなは自分の”最期の音”を収集して絶命します。
その後、お母さんはさなの夢(詳細後述)を知って、さなのウタをみんなに伝えるべくラジオに送ったのだと思います。
(さなが手紙まであらかじめ用意していたのか、お母さんがさなの筆跡をコピーしたのかはわかりません)
それが呪いと知りつつも、それでも娘の夢を叶えてあげようとする。
母の愛…。
私はそんな解釈をしました。
※2023/9/12追記
…と、ここまで書いた後で、お母さん役の山川真里果さんのインタビューが公開されました。
お母さんの愛についてはこちらで結構言及されていますね。
あの演技の裏側を知ることのできる、とても面白く興味深い記事でした。
『ミンナのウタ』は、親子(母娘)の関係性に注目して観ても面白いですね。震えます…!
これも映画本編を一見しただけではピンとこなかったですが、2回目でこれかな?というのが見つかりました。
※2023/9/26追記
未公開シーンの二つ目は、屋上から女生徒が落ちる直前、屋上でのさなと女生徒たちの諍いの映像でした。
このとき、さなと相対していた女生徒は三人いましたが、さなを糾弾してくる女生徒ではなく、さなに優しく「説明してくれればそれでいいから」というようなことを言った女生徒が結果的に落とされています。
さなにとっては、糾弾されることよりも説明を求められることが嫌だったのかもしれません。
さなは、自分でも説明できない衝動にかられていたのかもしれませんね。
同じようなことが、さなとお母さんの間にも起こっていたような気がします。さなの”最期の音”を集める行動、それを見つけて説明を求めるお母さん(最初のうちは優しく接していたのかもしれません…)。
しかし、衝動に駆られて動くさなは上手く説明できない。説明を拒むさな。
そんなやり取りがあって、さなとお母さんのすれ違いに繋がっていったのかもしれませんね…。
※余談ですが、ひょっとして、落ちた女生徒”糸井シゲミ”の名前の元ネタって、糸井重さ…。
【2】『ミンナのウタ』と連動するサイト『カセット文字起こし』
▼カセット文字起こしとは
『カセット文字起こし』とは、この気味の悪い謎のサイトです。サイトに音声ファイルがあり、その内容を文字に起こしてTwitterに投稿する人を募集しています。
私は先にこのサイトに辿り着いて、なんだこれ?出所なんなんだ??と思いましたが、『ミンナのウタ』のサイトと連動しているようです。
それぞれのサイトの一番下に、広告に見せかけたお互いのサイトへのリンクがあります。
▼カセット文字起こしの音声は、映画本編には出てこない
『カセット文字起こし』のサイトには音声ファイルがありますが、内容は複数あり、リロードする度に変わるようです。
ですが、いずれも映画『ミンナのウタ』の本編には出てこない内容です。
音声の内容をざっくり言うと、
昔から伝わっている「歌」がある
「歌」は「文字」と「声色」(歌詞とメロディー?)からできている
「歌」の「文字」を書き起こした人がいて、ひどい目にあったらしい
というようなものです。
▼映画本編にどう関わるのか ☆
映画本編には出てこないとはいえ、これだけ手のかかったものが無関係なはずがないですよね…。
※『このテープもってないですか?』の「ニコニコ大百科」、『その怪文書を読みましたか』の「妖精ともの会のサイト」のような、バックストーリーを補足するような仕掛けではないかと思います。
『カセット文字起こし』では、「歌」を「文字」と「声色」に分離するのはまずいと言っていて、「文字」だけにした人がひどい目にあっています。
『ミンナのウタ』のさなのカセットテープでは、「歌」が歌詞のないハミング状態、「声色」だけになっていて、聴いた人がひどい目にあっています。
『カセット文字起こし』では、「歌」を「文字」だけにして怪異にあった
『ミンナのウタ』では「歌」を「声色」だけにして怪異になった
これでなんとなく、『カセット文字起こし』と『ミンナのウタ』の類似性が見えてきましたね。
あと、マネージャーさん(公式ツイッター)のこのフリ
教師が見た時点では、そこまで不気味なことは書かれていなかった気もします。教師もさなの精神状態よりいじめられている可能性を心配していましたし…。
でも、一見不気味じゃなくても、あの「歌」の「文字」(歌詞)が書かれていたら怖いですね…。
※2023/9/26追記
自販機のところで教師がさなノートを見るシーン。教師がノートを見ている前でさなはハミングの歌を歌っていますね。
「歌」を「文字」と「声色」に分離するのはまずいのだけれど、ノートの歌詞を読みながら歌を聞いていたので、先生の脳内で「文字」と「声色」が合体してセーフになった…?
先生、九死に一生…!
▼なぜ、さなの歌が「声色」だけになったか
考察旧版では、ラジオで声が流れたときのさなの声がたどたどしかったので、さなに軽度の失語症か吃音か、それに類する何らかのハンデがあったのではないか、それで歌詞をうまく歌えたくなりハミングになったのではないかと書きましたが、これは取り下げます…。
他のシーンでは結構普通に喋っていましたし、姉(エレベーターの女性)もハミングしていたので、姉から伝わったのかなと思いました。
ラジオの声がたどたどしかったのは、首を吊った後だからと解釈できると思います。
【3】さなの怪異としての能力について
▼さなの怪異としての能力は、カセットテープの機能に由来する?
さなの怪異としての能力とカセットテープの機能には強い繋がりがあるようです。
過去の再生機能
リピート再生機能
同じものをコピーするダビング機能
A面とB面がある
(劇中では同じ言葉が二つの意味を持つ、ダブルミーニング)録音機能
4は物語の作り自体にも関係していそうです。
▼過去の再生、リピート再生
これは分かりやすく、GENERATIONSの面々の前に現れる怪奇現象は、さなの過去に関係している(さなが自身の過去の体験を再生している)であることが伝わってきます。
さなの母は同じ行動をループ(リピート再生)されています。
▼ダビング機能=ウタの感染現象 ☆◇
さなのウタが、GENERATIONSの面々や凛さん、権田、権田の家族などに感染していきます。
これは、ウタそのものだけでなく、ペンのノック、首をさする、しゃっくり、舌打ちなど、何らかのリズムにも感染能力があることがなんとなく分かります。意識して二回目を観ると、「あ、ここで感染した!」と分かってちょっと面白いですね。
マネージャーさん(公式ツイッター)のこのフリ
凛さんが首をさするのも、感染現象の一つだと思います。
「ある女の子と共通点」を気にして二回目を観たのですが、凛さん以外が首をさするのは、私が見つけたのは一か所だけでした。
権田が感染現象に気付くシーン。感染のサインと思われるシーンが次々にフラッシュバックします。
この中で、首をさするシーンが二回出てきます。二回目は明らかに凛さん。一回目が濃い色の服の人なのですが、誰なのか不明です。学生服っぽくはあります。このシーン前に出てきた記憶がありません…。
そこで思いついたのは、ひょっとしてこれ30年前?権田が中学生時代に見たことを思い出している??
だとすると、これはさなの可能性も結構あると思います。
※これに気付いて、うおおひねり入れてきた~と私は唸りましたが、単に私が何か見落としていただけかもしれません…。
感染現象のリズムは何でもよいというわけではなく、さなの癖や経験に関連するものである必要があるかもしれないですね。
(権田のペンのノック音とさながお母さんのお腹をポンポンするリズムが一致するのとか、分かりやすいですね)
※2024/1/18更新
ブルーレイで確認しました。
最初の首ひっかきも凛さんでしたね。凛さんが2回出てきただけでした…。
さすがに考え過ぎでした…。
マネージャーさん(公式ツイッター)への回答としては「さながお母さんのお腹をポンポンしていたのとリズムが一致している」ぐらいですかね。
続いてこちら
これも感染現象の一つではあると思いますが、さなの何に関係するかが難しいですね…。
あまり自信はないのですが、軽くググってみたところ、しゃっくりの止め方の一つに首の後ろをさする?(ツボを押す?)というのがあるようです。
さなが中学生時代にしゃっくりが出る&首をさすって止めるということをやっていて、それが別々に感染現象として現れたのかも…と思いました。
これはあまり自信ないですが、可能性の一つとして…。
※2023/9/26追記
終盤のさなが首を吊るシーンでしゃっくりっぽい声を出していたので、感染現象”しゃっくり”の元はそっちかもしれないですね。
▼A面とB面、ダブルミーニング、ウタ=最期の音(断末魔)?
『ミンナのウタ』の後半で、さなはカセットテープのB面に様々な生き物の”最期の音”=断末魔を集めていることがわかります。
A面はさなの歌(声色)だけ(ミンナではない)なので、カセットテープのタイトル『ミンナのウタ』は実はB面のタイトルで、ウタ=”最期の音”(断末魔)を指しているようにも思えます。
『ミンナのウタ』の公式サイトには以下の記載があります。
『ミンナのウタ』の終盤では、さなの断末魔コレクターぶりが極まってきて、自身の”最期の音”を録音しようとします。
さな自身のウタ=自身の”最期の音”をみんなに届けるのが夢、最終目的はこれだったのかもしれません。
(もちろんハミングの歌を届けることも目的であり、二重の意味が込められているのかなと思います)
劇中では、さなの必殺技=さなの”最期の音”発動の直前、すんでのところで凛さんが助けて事なきを得たという構図ではないかと思います。
▼「私の世界に惹き込む」の目的は何か?
さながGENERATIONSの方々の前で自身の過去を再生した後、GENERATIONSの方々は神隠し的にいなくなります。
これが「私の世界に惹き込む」のようです。カセットテープとの関連では、録音機能に該当しそうです。
ここで不思議に思うのはさなは私の世界に惹き込んで何がしたかったのか?
さなのバックボーンに「大切な人の死がキッカケで歪んでいく」があるので、やはり「大切な人」には関係しそうです。「大切な人の”最期の”音を聞いた」という経験も関係しそうです。
そこで色々考えて、さなの目的は、さなの世界の中で大切な人=姉?とみんなを再会させることではないかな??と思いました。
(確たる証拠はなく、妄想半分ですが…)
こちらの記事の考察ポイントその3
“Love Dream Happinesss”の歌詞を読むと、”また必ず会えるさ そう信じているよ きっと”など、再会を示すワードもありますね。
ただ、30年前は怪異が不発に終わり(ラジオ局に送ったカセットテープは開封されなかった)、30年後に怪異が再起動したので、再会させようとするのは元々さなの意図した相手ではないかもしれません。30年前に意図したのと似た属性の人?を次々惹き込んでいっているのかもしれません。
****ここから没ネタパート****
序盤、権田が自宅に帰ったところで娘が自宅に帰ってきて、玄関前で娘と彼氏が話しているのを目撃するところ。あれは娘ではないかもと思いました。妻との電話で髪がピンクと言っていたのに、ピンクじゃなかったので。
これもさなの経験が再生された怪奇現象なのかなと思いました。
もっと言えば、彼氏は30年前に存在したGENERATIONSみたいなダンス&ボーカルグループのメンバーで、大切な人=姉と関係があった。
大切な人が亡くなり、さなの世界で再会させようとするが不発。30年後に怪異が再起動し、惹き込みたかった人と同じ属性(ダンス&ボーカルグループ)を持つGENERATIONSのところにさなが出現した…そんな線もあるのではと思いました。
……と、ここまで考えて2回目を観たら、娘の顔つき全然違うじゃん…。
で、このネタは没になりました。そんなこともあります…。
*******************
※しかし、娘の顔つきが違う件は未公開シーンで謎が解けました!
後述の「▼未公開シーンとアナザーエンディング、そして『ミンナのウタ2』への期待」参照。
【4】登場人物たちに関わる様々な謎…
▼先生の果たした役割について ★
マネージャーさん(公式Twitter)のこれ。
さなとしては、あの自らの”最期の音”を録音したカセット(さなのウタ)をみんなに届けたいはずです。
※「▼A面とB面、ダブルミーニング、ウタ=最期の音(断末魔)?」でも書いた通り、さなの夢には歌(ハミングの例の歌)を届けるというのと、自分の最期の音(断末魔)を届けるという二重の意味があり、その裏の意味の方です。
一方先生は、自販機の所のやり取りでノートを読んで「将来は作曲家か作詞家かな?」みたいなことを言っていたので、さなの夢をある程度具体的な形で察していたようです。
(とはいえ裏の意味は分からず、文字通りの歌を届けたいという意味で捉えていたのではと思います)
あのタイミングで先生が呼ばれたのは…。
先生は、”さなの夢を叶えるために動いてくれそうな人”として呼ばれたのではと思いました。
カセットをラジオに送ったのが先生というのも可能性としてはあると思います。A面しか聞かずにうっかり送ったはあり得る話かと…。
あとは、先生とお母さんで何らかの会話があって、先生からお母さんに夢の話が伝わって、お母さんが送ったというのもあり得ますし…。
決定的なネタは見つからなかったので、想像するしかないですね。
個人的には、上記の「あとは~」のパターンがエモくて好きです。
▼権田はGENERATIONSとは別口で狙われていた? ★☆
上の「没ネタパート」で書いた、権田が自宅に帰ったところに現れた娘が娘っぽくない(ピンク髪でない)話、あれ結局謎なんですよね…。
あと、マネージャーさんのこれ。
表情は正直覚えていないのですが、何かあったんですかね…。
いずれも、何なのかは分からないのですが、何らか怪奇現象のようです。
ですが、私は「何か」よりもむしろ「タイミング」が気になりました。怪奇現象が、感染現象(権田だとペンのノック)の前後(感染前と解決後)で起こっているようです。
ひょっとすると、権田自身が「呼ばれているのかも」と言っていたように、GENERATIONSとは別口で権田もさなに狙われていたのかもしれませんね…。
中務さんは、あの部屋の窓の外にさながいるのを感じていました。
(どこぞのいじわるシルエットクイズとかでなければ、あれは間違いなくさなでしょう)
そして、あの電話のとき、権田は窓の近くにいました。直線距離的には近くにいた、さなの声が聞こえていたのでしょうか…!?
あと、ほとんど妄想ですが、中学時代の権田とさなの間に恋愛感情があった可能性もなくはないのでは?と思いました。いずれか片方向だけでも...。
権田も中学生時代はあのルックスではなかったでしょうし。
ここで、卒アルに権田が映っていたらヒントになるかも…。
※2024/1/18追記
ブルーレイで確認しました。いなさそうですね…。
そもそもこのツイートは #ミンナの推理 じゃないので、メタ的な小ネタなのかもしれないですね。
しいて言うなら、副担任がNON STYLEの井上さんに似ていましたが…。
こんな感じで、GENERATIONSの楽曲の歌詞が何かを示唆している(考察ネタである)という話が、ニュースサイトの記事や公式ツイート(マネージャーさん)等でいろいろと出てきていますが、Lonelyだけ話に上がってきていないんですよね。逆に怪しい気も…。
♫ 君が年老いて 笑顔にシワが増えて
それすらも ずっと愛し続けたかった
ん?何かを示唆している気が…。
(いや、考えすぎか…)
※2023/9/26追記
未公開シーンとともに流された「さなを探せクイズ」の中で、地下駐車場のシーンにさながいたことが分かります。
(映画本編を観ていてあれに気付いた人は1000人に1人ぐらいでは…。私はクイズで初めて気付きました)
やはり、さなはGENERATIONSとは別に権田のことも気にしていた…?
公式インスタのこれ近いですね。
【5】ラストのダブルミーニング
▼さなの家のシーンのダブルミーニング:さな新生
終盤、さなの家のシーン。
ストレートに見ると、さなが自分の”最期の音”を収録する(首を吊る)シーンが再生されて、凛さんが時間を越えて助けるというシーンだと思います(A面解釈)。
それと同時に、表象解釈的な話になりますが、あのコードが臍の緒メタファーにも見える気がしました。
母の表情には苦しみに加えて喜びっぽいニュアンスがあったので、出産っぽいイメージはあるような気がしました。
(個人の感じた印象なので、合っているかは分かりません…)
母と娘がコード(臍の緒)で繋がった状態から臍の緒が切れて部屋から出てくる…さな新生のイメージがあるような気がしました(B面解釈)
▼ライブシーンのダブルミーニング
上記のA面解釈からすると、さなの成仏フラグが立ったように思えるのですが、ライブシーンにさなが存在します。まだ成仏はしていないようです。
ライブシーンの意味は、ストレートに見ると呪いが観客全体に広まってしまったと思えるのですが(A面解釈)、さなが普通に遊びに来たと見ても良い気がします(B面解釈)。
その前のさなの家のシーンで新生したとすると、さなの「過去の亡霊」的な属性が消えて、現代に生きる(いや死んでるか…)存在になったとも思えます。それでライブに来たと。元々GENERATIONSに恨みはなく、好きになっても不思議ではない…気がします。
さながライブで録音していたカセットテープは、令和の「かぐや姫」テープになりそうですが…。
(そもそもライブを録音してはいけないんですけどね…。セキュリティの人にはさなが見えていないのでしょう…。もしくは既に惹き込まれたか…)
▼さなを完全に成仏させるには
※本考察のネタ枠です…。
さなはまだ存在しているように見えますが、ではさなを完全に成仏させる方法はないものかと、考えてみました。
【2】で書いたように、昔から伝わる「歌」を「文字」と「声色」に分離したのが怪異の発動条件だったとすると、また一つにすれば解除できる可能性はありそうです。
どこからか「文字」(歌詞)を探し出してきて、GENERATIONSがライブで歌えば解決!『ミンナのウタ2』はこれで決まりだ!!
(妄想です…)
▼未公開シーンとアナザーエンディング、そして『ミンナのウタ2』への期待 ☆◇
未公開シーンの一つ目では、凛さんと権田が子供の頃の夢について話していて、子供の頃の根拠のない自信っていつ失ってしまうんだろうね~みたいなことが権田から語られました。
夢関連で繋がりそうなのが、高谷家の前で白濱亜嵐さんが、さなの歌をどこかで流してやれればいいのにと言うシーン。
そしてさらに繋がりそうなのがラスト。通常エンディングでは、GENERATIONSのライブでさなの歌(歌詞のないハミング)が聞こえてきて、凛さんが怪訝な顔をしていました。
これがアナザーエンディングでは、怪訝どころではなく、あからさまにおかしいぞ!という反応をしています。
子供ゆえの根拠のない自信を持ち続けて、純粋に夢を追い求めたさな。
夢を叶える属性を持つGENERATIONS。
(そこまでGENERATIONSに詳しくはないのですが…DREAMERSの歌詞などからそんな印象を受けました)
その化学反応で、さなの夢が(一部でも)叶った…?
けれど、奇しくもその夢はダークサイドだった…。
そして、上でも書いたこれ。
3回目の鑑賞で確認しました。
女性がコードを切って輪を作るシーンの後、権田が出てきます。おそらく自宅で、階段の下から上を見上げて、そして下を見ます。
そして、アナザーエンディングの中では、これに関連する映像がそこそこ長尺で流れました。内容を事細かく書くのも無粋になると思うので書かないですが、一つ言えるのは、さな凶悪にパワーアップしていませんか…!?
新生したさなは、夢を(一部でも)叶えても成仏する気配も見せず、より凶悪にパワーアップ。どうすればいいんだ…。
『ミンナのウタ2』を期待して待つしかないですね…。
※2024/1/18追記
ブルーレイでアナザーエンディングをもう一回観ました。
女性がコードを切って輪を作るシーンの後、権田が出てきます。おそらく自宅で、階段の下から上を見上げて、そして下を見ます。
階段上の娘の部屋から階段下にコードが延びてきており、ちょうどさなが死んだときと同じ構図です。
そして、コードの輪に首を通そうとする娘…。
…で、このシーンをよくよく見ると、序盤に権田が帰ってきたのと家の外観が違うように見えます。そして、娘も派手な髪色をしていて、序盤に出てきた娘らしき女性とは別人のように見えます。髪色が権田の妻の話と合致するので、こちらが本当の娘のようです。
アナザーエンディングの方は「権田」の表札が出てくるので、おそらくこちらが本当の権田の家。序盤の方は、タイミングがシンクロしたけど別の家(愛人の家か何かか?)ではないかと思いました。
序盤の権田は、一見自宅に帰ったように見えて、実は愛人の家に帰った。そして愛人の浮気を目撃してしまった(W浮気なのですが)。そういう想像もできそうですね。仕事で家に帰れないというのも、愛人に会うための言い訳だったのかもしれません。
ああ見えて、権田にもいろいろありそうですね…。
【6】監督の謎かけ:逆再生の逆再生
▼逆再生の逆再生を文字起こししてみた ◇
カセットテープの逆再生シーンを逆再生すると「映画館では味わえなかった、実は別の謎が秘められています」とのこと。
このコメントを受けて、実際に逆再生シーンをスマホで録音、逆再生して文字起こししてみました。
(奇しくも、鑑賞前にやった「カセット文字起こし」と似たようなことを鑑賞後にもやることになりました。凄い仕掛け…)
<逆再生の逆再生文字起こし>
うまくできなくて、騒がしくてごめんさい。でも、死にたて(?)は静かな方が好きです。うるさいので、ごめんなさい。
いつも私ばかりうるさいので、そろそろ静かにしようと思います。
私が作ったウタには、私がいなくて、いつもみんなと違う私で悲しいです。
殺すのは(?)簡単です。猫や鳥は静かで。
そこにいる私が、こっちを見ています。誰だろう。この人の魂の声も集めたいです。この人にも、私のウタを届けたいです。欲しいです。
悲鳴(おそらくさなが集めた”最期の音”の断片)が被ってくるので、聞き取りにくい所が少しありました。(?)が付いているのは、聞き取りにくかったけどおそらくこうだろうという、推測込みのものです。
▼逆再生の逆再生をどう解釈するか ◇
書き起こせたらすんなり謎が解けるというものではありませんでした。
詩的な感じなので、あとはどう解釈するかですね…。
おそらく、これはさなが死に至る(両親に殺させる)心情を表しているのかと思いました。
思い返してみると、断末魔コレクターをそのまま続けていればいいものを、なんで死んだのか理由がはっきりしていません。せいぜい多少の想像ができる程度です。
その理由を想像できるヒントがあるような気がします。
さなは”最期の音”=生き物が死ぬときの断末魔の声を集めているが、さなとしてはうるさい音より静かな音の方が好きなようである。
さなには死後の世界が見えている(?)(とさなは思っている?)
”最期の音”は現世と死後の世界の境目にあるもので、死後の世界にも聞こえている。そして、”最期の音”は(さなの好みではないが)たいがいうるさいので、騒がしくてごめんなさいと死後の世界の住人に謝っている。
さなは”最期の音”を集めて「ミンナのウタ」を作ろうとしているが、その出来に納得がいっていない。それはウタの中に私(=さな)がいないからだと考えている。
「そこにいる私」は、一つの解釈としては自分自身を指していて、その魂を集めたい(=自分の”最期の音”を録音して「ミンナのウタ」に入れたい)と言っているのかもしれない。そして、それには誰かに殺される必要があった。
⇒両親に殺される展開に繋がる。「そこにいる私」のもう一つの解釈として、死後の世界にいる「さなが歪んでいく原因となった大切な人」を指しているという見方もありかもしれない。そして、その大切な人にウタを届けたいと言っている。
(大切な人については、▼「私の世界に惹き込む」の目的は何か?参照)
(大切な人=姉説でいくならば、自分と容姿が似ている姉を「そこにいる私」と表現するのもありと言えばありか…?)
ちょっと飛躍し過ぎかもしれませんが、想像の羽を広げてみました。こんな感じの心情がさなの中にあったのかもしれません…。