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毒親テニスアニメ「星合の空」を見てくれ!!!見えにくい苦しみを抱え今日も生きていく少年少女から、学ぶものは多い!

全人類のみなさんこんにちは。

「星合の空」を知っていますか?
全人類老若男女すべからく「星合の空」を見てください。

2019年10月期、2019年の秋アニメとしてTBS系列で放送中のテレビアニメなんですが、これがもう本当にすごいんですよ。


■「星合の空」とは

概要とあらすじはこうです。

【概要】
赤根和樹原作・監督・脚本、エイトビット制作による日本のオリジナルテレビアニメ作品。2019年10月よりTBS『アニメリコ』枠ほかにて放送中。
本作では、廃部寸前の男子中学ソフトテニス部を舞台に、ソフトテニスを通した様々な想いを胸に抱く少年たちの青春ストーリーが描かれる。(Wikipediaより)
【あらすじ】
中学2年生の桂木眞己(かつらぎ・まき)は母親と引っ越しして、志城南中に転校、幼馴染だった新城柊真(しんじょう・とうま)と再会する。
男子ソフトテニス部で部長をしている柊真は、廃部の危機を乗り越えるべく奮闘、運動神経のいい眞己に目をつける。
だが、母子家庭の眞己は家事で忙しく、ある事情により生活費にも困っており、入部を断ってしまう。柊真から「入部してくれたら金を払う」という約束で、眞己はソフトテニス部に入部。夏の大会で最低一勝することを目標に、二人はペアを組むことになる。(Wikipediaより)

これだけ見ると、「少年たちがテニスするんだな」と思いますよね。
まあそうなんやけど。テニスはするんですが、この作品の軸はテニスじゃないんですよ。

そう、子供たちの家庭環境と心です。
タイトルにも書いた通り、「毒親」の描写がとにかくすごい。
毒親フルコースなんですよ。

現在10話まで放送中、HP見た感じ恐らく12話で放送終了(もしかしたら分割2クール?という声も)というところまで来ましたが、誰一人幸せな家庭の子がいない。

※以下ネタバレあり、気になる方は早く「星合の空」を見て!
 個人的にはネタバレしても問題なく楽しめると思います。

■多様な苦しみを抱えるキャラクター達

スライド2

主人公・眞己は、同級生の中では大人びた発言をする器用なヤツです。貧乏だからこその生命力と生活力があって、ロジカルでフラットな思考も持っていて知的だし、運動神経もいい。
超すごい主人公なんですけど、離婚済みの実の父親が目の前に現れると、一瞬で「無力な子供」になってしまう。辛すぎる。死んでほしい大人ランキング1位は文句なしで眞己のオヤジです。本当に死ね。

柊真は、ぱっと見裕福な家庭なんですよ。家も広いし自分の部屋もあるし、与えられている道具も多い。しかし子が一番欲しているであろう「母からの無償の愛」だけが与えられない。この欠如感は「持つ者」は想像すらしないような見えない傷として、ずっと柊真の中に残り続けるんだろうな…
愛されている兄との関係が良好なのが救いだけれど、柊真は漠然とした喪失感や劣等感を抱えている。部活ではとてもしっかりしていてみんなのリーダーなんだけどね…ウッ…

は、身体的虐待経験者。飄々としているけれど、背中のあざを説明するのがめんどうだから、それを知らないやつの前では着替えを避けている。星合の空で一番キツイ描写は樹の回想シーンですね。。。本当に辛い。でもこれは、ひとりで抱え込んで育児ノイローゼだった母親を一概に責められもしないし、現代に渦巻くすごく難しい問題のように思いますね、、、

凛太朗は、「必要とされること」に敏感というか、自分の存在意義や価値を求めてしまう子。里親家庭で育ったからかなあ。みんなそのままで素晴らしいんだよ。凛太朗もそうだよ。

スライド3

晋吾はそれぞれ活発なタイプだけれど、「サッカーをやめたこと」や「元妻に似てきた」などの理由で父や母に辛く当たられる。兄弟格差のある子は何人もいるけど、全員タイプが違うのがすごい。監督、どこまで機能不全家族についてリサーチしたのか。。。

直央太洋は過干渉家庭。
特に直央の方は酷くて、コントロールタイプの母親が「言うことを聞きなさい」と過剰に行動制限をしたり罪悪感を煽ったり、発言できないようすごんだり、学校にすぐヤバめの電話をしたりする。おかげで虚言癖があるし、一番心が壊れそうで本当に抱きしめてあげたい。自分の人生、自分の好きにしていいんだよ!!!!
太洋は一見なにも問題ないようにも見えます。(ツイッタにもそう書いてる人はいる)しかし、一部しか見えなかったのでまだわかりませんが、これも毒になり得るんですよ。試合に来て「大丈夫?負けてもいいよ?」と言うのはすごくヘリコプターペアレント。あらかじめ失敗しないように監視し続けるのは可能性をつぶして籠の中から出さないのと同じ。

スライド4

そして、部員でもマネージャーでもないのにいつも練習場にいる御杖さんもいい!視聴者目線なのはこのポジションです。彼女もまた、親からの「否定」により傷ついています。絵が上手いのはとっても素敵なことだよ。

マネージャーの悠汰の悩みは性自認について。
名前に違和感があるけれど、女の子になりたいわけでもない。
そう語る悠汰をただ「ふ~ん」と受け止める主人公・眞己とのシーンは本当によかった。「気にしないよ」とかじゃない、その先を見せてくれた星合の空に拍手!!!!!

最後、忘れそうになるけど、男子ソフトテニス部は弱すぎて廃部の危機にあります。それを指揮している?のがたまに出てくる生徒会長の春日絹代さん。
学園モノの生徒会長なんて強キャラで当たり前ですし、それでいいんですよ別に。しかしそこにも問題をぶち込んでくるのが星合の空!!!!!
絹代さんは祖母につけられた名前で、それを認めない母は「るりは」と呼び、それも認めない自身は「香織」と呼んでいる。闇が深すぎる。こんな闇初めて見た。しかしこれもファンタジーではないのかもしれない。

■それでも精一杯生きている、彼らの輝きを見て

「あと2話で解決できるのか」
「毒親の話がノイズ」
「テニスだけしてくれ」

このnoteを書こうと思った理由は、星合の空を全人類にみてほしいというのもあるけれど、このような意見を見たというのも大きいんです。

え、毒親問題がノイズなわけないやん…!!!!!
辛くて見てられないというのなら、王道のスポーツアニメを見たらいいじゃないですか。そういう気分の日は、ハイキューみたいなスポーツアニメを見てくれ。

幸せな家庭で育ったか、もしくは自分の中の傷に気が付いていないのか。
みんながみんな傷ついているとは思わないし、共感すべきだ!とも思いません。ただ、これを見て「平気な顔をしていても何か抱えている青少年はたくさんいる」ということと、「青少年を傷つけ得る言葉や環境は、こんなにも多様」だということを知ってほしいんです。

「君の悩みはノイズだね」というのはかなり暴言。ツイッターは独り言を好き勝手書く場所ですけどもそれにしてもだよ。人の心を取り戻してくれ。

毒親というものは、「自分の傷を癒せていない」から子を愛せなかったり、傷つけてしまったり、接し方がわからなかったり、自分の方が大事だと思ってしまうと言われています。そしてそれらの根深い罪深い問題が知られていないからこそ、「親が子を愛してないわけないよ」とか「親なんだから大事にしてあげなよ」とか、心無い言葉でさらに被害児を傷つけることになるのです。

そして、このような各家庭の「精神論」で説き伏せることもできるような加虐性は本当に見えにくい。子は親の支配下にある。正しいか正しくないかの話が通じる親はほんの一握り。だから、解決なんてきっとしないと思うんです。最終回まであと2話、どうなるかわかりませんが私はそう思うんです。家を出るまで、本当の解放はありません。それが進学か、就職か、結婚か、親の死かはわかりません。家を出ることで籠の中から飛び出して自由になれるかもしれないし、より束縛が強くなって苦しむかもしれない。

物語だからきっと解決するもんだと無意識に思ってしまう気持ちも勿論わかるし、出来ることならみんな幸せになってほしいし、親たちは全員ぼこぼこにしたいです。けど、現実ってそんなことない。

それをリアリティをもって描いて、「それでも強く生きていくんだ」という姿を描いてくれるのが星合の空なんじゃないかと思うんです。

Amazonプライム・Huluほか、かなりの配信サービスで全話配信されているので本当に全人類に見てほしい。

彼らから目を逸らさないでほしい。

「星合の空」は社会を映す、己を映す、鏡でもあるのです。

最後まで、是非一緒に見てください。

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