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同人ハードはいいものだ:メルクリウス

PCエンジンGT? PCエンジンLT? 違う。据え置き機のPCエンジンを携帯ハード化してしまうという夢の同人ハード、それがメルクリウスである。

PCエンジンにはコア構想という夢があった

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PCエンジンの本体後ろには拡張バスがある。この拡張バスを媒介にしてさまざまな周辺機器をつなげ、ゲームにとどまらないエンタテインメントマシンにしようというのが、かの有名なコア構想だ。結局、コア構想はゲームに寄ってしまう結果とはなったが、その拡張性の高さはPCエンジンの機能と魅力を倍増させ、FC・SFC・マーク3・メガドライブと他メーカーの2世代のハードと渡り合う、実に息の長いゲーム機となった。

そんなコア構想も相まって、PCエンジンは本体のバリエーションが非常に多い。ドラえもんがCMをしていたコアグラフィックスだったり、CDROM一体型のDUOシリーズであったり、さまざまな機種が出たものだが、当時少年だった人なら誰しも度肝をぬかれたのはPCエンジンGTやPCエンジンLTだろう。

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GTは電池駆動の携帯機でカラー液晶が非常にきれい、なによりHuカードのゲームがそのまま遊べることが非常に画期的であった。ただ、44,800円というとんでもない価格(当時は競合のゲームボーイが12,500円だった)と電池の持ちの悪さなどがたたって大ヒットとはいかなかった。

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LTのほうはというと、こちらはもっとゴージャスな作りで、PCエンジン本体にヒンジで液晶モニタをくっつけたラップトップPCのようなマシンである。ただ、バッテリーは搭載していないため単独稼働は不可能。価格が99,800円と当時と言わず、今でも気軽に購入できる価格ではなく、当時周囲に持っている人をみることはなかった。

PCエンジンを携帯ゲーム機化!?

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ここからがようやく本題となるが、メルクリウスは上記のGTとLTのコンセプトをいいとこどりしたマシンにPCエンジンを変貌させる同人ハードだ。
メルクリウスを用いて改造したPCエンジンは、本体裏側に液晶とコントローラーを内蔵し、LTとGTが悪魔合体したかのような外観となっている。携帯ゲーム機といって差し支えないものの、バッテリーはつんでいないため単体では稼働できない。ただ、USB端子があり、モバイルバッテリーをつなげれば給電できる。軽めのモバイルバッテリーとセットで持ち歩けば、いつでもどこでもPCエンジンを楽しむことができる。
ちなみに、LTやGTと異なり、拡張バスがそのまま使えるが、構造的にあれこれつけると遊びにくくなること必至なので、基本的には単独起動することが多いだろう。

さて、そんなメルクリウスではあるが、残念ながら現在はもう販売されていない。ときどきヤフオクやメルカリに組み込み済みの本体が出品されることがあるので、どうしても欲しい方は足繁くサービスを覗いてはチェックしてみることをおすすめする。

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この手のものだとキットの組み込みは大変だし(実際に自分がメルクリウスの組み立てしたときは2日くらいかかった。上の写真は組み立て途中のもの)、ぶっ壊れても自己責任だし、補償も当然してくれないわけだが、だからこそ同人アイテムは無茶で面白いものが多い。BEEP家電のケンちゃんBoothなどで売っていたりするのでそういったチャネルをチェックしておくのもいいかもしれない。

参考リンク

メルクリウスについては以下などが参考になる。詳しく知りたい方はあたってみるといいだろう。


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