お金を払った時点で存在を忘れるのがクラファンの真理などと言ってみる
正直すっかり忘れていた。
1年の時を経てとどく(であろう)特典
クラウドファンディングが開始されると、続編を待ち望んでいた世界中のファンからまたたく間に支援を集め、「キックスターター史上でもっとも早く100万ドルを集めたビデオゲーム」となったシェンムー3。総支援額は8億円にものぼり、クラウドファンディングを用いたメジャーなゲーム開発においての好例となった。
かくいう私も支援をした一人である。シェンムーをロクにプレイしたこともないくせに「面白い試みだ、鈴木裕さん頑張ってくれ! バーチャファイターは昔よくプレイしました!」と勢いだけで300ドルのコースを選択。支援の特典としては以下が予定されていた。
各種ダウンロードコンテンツのほか、鈴木裕サイン入りイラスト、アートブック、CD、カプセルトイといった物理アイテムもセットになった豪華なものだ。ただ、支援してからゲームが発売されるまで色紙以外の物理アイテムが送られる気配もなく、ゲームが発売してからもう1年も経とうとしている状態。ただ、クラファンってこういうものだと思う。何回も詐欺にあってきた自分は悟ったわけだが、あくまでも投資・支援であって、ショッピングサイトではないのだ。こういうのはお金を出した時点で帰ってくることを考えたら駄目だよね、などととしたり顔で特典の存在すら忘れていたところ、先日唐突に発送したよメールが来て驚いた。
アートブック、カプセルトイ、サントラCDが来るらしい。ゲーム発売から1年の時を経てついに届く。来なくても、それはそれで話のネタになるのでよかったのだが、送ってくれたことには素直に感謝したい。
とはいえだ。熱心なファンからすれば「どうなの」っていう負の感情は当然あるだろう。Twitterで何気なく検索したら、現状を嘆いている人も少数ながらいた。昔からシェンムーが好きで、支えてくれているこういうファンの人は大事にしてあげてほしいものだ。それを考えると、最低限の礼儀として、送れないにしても「こういう事情で送れない」ということを定期的に共有し、支援者に真摯に向き合うことが必要だったのではなかろうか。
まあ、でも……クラファンはやっぱ支援した時点で、そのお金は帰って来ないものと認識しておいた方がいいと考えている。支援者は支援者であって、お客ではないのだ。お客でありたいなら、商品化されたものを買ったらよい(インディーのゲームとかハードウェアだと世の中に出ていかないので支援するしかないのだが)。要支援者に勝手に期待しちゃうと裏切られたときの支援者側の失望が大きくなってしまうから、それだけは避けたほうがお互いにとっても無難なのではと考える。
ご参考までに。