体重が減る見えない悪魔

巷ではダイエットが何十年も流行っていますが、
ご飯が食べられなくなり体重が減って病院にくる人も結構います。

神経性食思不振症、通称拒食症の人もいますが、食べるのが好きで体重が減っていく人は結構恐ろしい事態であったりします

体重が半年から一年で4.5kg以上、もしくは5%以上減少してしまうと、大体異常の目安とされています。

「1週間で4kg痩せた!」とかいうYouTuberたちが知ったら遅すぎる数字と感じると思うのですが、

あれは早すぎです。ほぼ水分ですね。

管理栄養士で栄養指導しまくっている方に聞くと、ダイエットより、体重を増やす方が難しいといいます。

僕も好き放題食べていたら、せっかく増やした1年前より7kg落ちていました。

ところで、本当に食べられなくて困って病院に来る人がいて、
その場合、慢性的な病気の存在を念頭に置かれて、検査とかされます。

ただし、もっぱらガンです。

一通り検査されると、異常なしとなってそのまま経過観察されるか、放置されることが多いですが、

半年後、がんの全身転移という事態が生じたりします。

体重が落ちている時だとほとんどわからないケースが多いです。
食べられなくなるのが先行しているという患者さんをよく経験します。

がんの代謝能力は、そこら辺のダイエットプログラムを遥かに凌ぎます。
どんどんエネルギーが吸い取られていって、どんどん体重が減ってきますし、食欲も減ります。

うちの祖父も最後亡くなる直前に、「もう何も食べたくない」と言ってそのまま亡くなりました。