【読んだ】子育てのハウツー本はもういらないと思いつつ…
おすすめ度 ★★★☆☆
養老孟司さんの本を読むのははじめてだ。
有名な「バカの壁」のイメージがあまり良くなかったから。
これは対談集だったので大丈夫かなとおもい、借りてみた。
医療少年院の精神科医をしていた宮口幸治さん
慶應義塾大学病院の小児科医である高橋孝雄さん
国産超電導MRIを開発し小児脳科学の研究をしている小泉英明さん
自由学園の学長をしている高橋和也さん
ネットに頼ると負け続ける育児になる
慶應義塾大学病院の小児科医である高橋孝雄さんの話。
子育てで悩んだ時、こんな感じで検索履歴がいっぱいになる経験をしてきた人は多いだろう。
「こども かんしゃく 3歳」
「こども 言葉が遅い」
「宿題 しない 対策」
「反抗期 声掛け」
私のことだ。
うわあぁ、この人私のことどこかで見てたんじゃないか、というくらい私のことだ。
いや結構みんなそうだろう、そうだよね?
育児に限らず、健康法でも勉強法でもなんでもそんな感じ。
ちょっとだけ上の理想を追いかけて、あっちこっちさまよってしまう。
うん、さすがに最近はそれに気づいてあんまり振り回されないようにしてるけど、初期は本当にそうだった。
前回の記事にも書いたけど、ハウツー本みたいなものに正解を求めて「〇〇すればうまくいく」みたいな対処療法をとっても、あまりうまくいかずに終わることが多い。
そして、うまくいかない挫折感だけが残る。
負け続ける。
私は私しかいないし、私の子はこの子達しかいないのに、どこかの誰かと比べて敗北感を感じることになる。
馬鹿げていると気づいたのは最近のことだ。
今は自分の子育てというか、生き方全体にそれなりに自信を持っている。
私は自分なりの子育てをしているし、自分で選択した人生を生きているという自信だ。
責任は私にある、だからどんとこい(誰に?)みたいな気持ちでいる。
この本も同じだと思うけどね
言うてこの本も、〇〇が問題だ、もっと〇〇したほうがいい、的なことが山ほど書いてある。養老孟司さんのテイストが結構そんな感じなので、やっぱりちょっと苦手。
読む人が読むと「あーそうかも、私やっちゃってた、ダメかも」と落ち込みそう。
タイトルだって「子どもが心配」だしさ。
本にしてもネットにしても、どこかの誰かに答えを求めるのはホドホドにして、自分の選択で色々やるしかないでしょ。
と、振り回されすぎて、一周回って図太くなった私なんかは思うのだけど。
「ケーキの切れない非行少年たち」との対談
あとは宮口幸治さんとの対談。
たまたまLINEマンガでこの人原作の「ケーキの切れない非行少年たち」を読んだタイミングだった。漫画だったので読みやすかったが、どれも重い話で胸が苦しくなった。
本当に困っている子は病院に来ない
少年院にいる子達は、家庭に問題を抱えている場合が多く、知的な遅れや障害があっても、公的支援に繋げられていないケースが多い。
もちろん、その子たちが必ず非行に走るわけではないが、もっと早い段階でなんらかの支援が受けられれば、非行に走ることはなかったのではないか。
「自分を知る」難しさ
認知機能というのは、「自分を知る」能力でもある。
例えば、相手から笑顔が返ってきたら「あ、好かれてるのかな」、逆にムッとして不機嫌なままだったら「嫌われたかな」と思う。そこから「自分には相手に好かれるこういうところがある、こういうところは嫌われる」と気づくようになります。
認知機能に問題がある場合は、このフィードバックが正しくできていない場合が多い。いじめられたり、パシリにされて万引をさせられた子が「悪いことをすると友達が褒めてくれる」=「良いこと」と自己評価が歪められていることも多いらしい。
少年に限らず、凶悪犯罪のニュースを見ると「なんてやつだ、極刑にしてやれ!」という気持ちになってしまいがちで、こういう背景に目を向ける機会はなかなかない。
どんな背景があっても罪は罪だが、更生して社会をより良くするためにも、こうした問題をもう少し深く知りたいと思った。
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