「自分を変えなきゃ」の永久ループを抜け出す
この前、自分より10歳くらい下の人と本の話をする機会があった。
彼は「自己啓発本とか仕事に役立つ本、スキルアップできそうな本ばかりを読んじゃうんですよね」と言う。
わかる。
確かに、20代までそういう本ばかり読んでいた。
自分に足りないものは何か、もっと実力をつけなければ、という焦燥感が常にあった。
いくつか本を紹介したら、「僕もそういう教養がつくような本を読まなきゃな〜」と言う。
素直でいい子だなと思うと同時に、それも「自分に足りてないものを探してない?」と少し引っかかった。
足りないもの探しは終わらない
自分を変えたい、と思って足りないものを探す人は多い。
仕事にせよ、家事にせよ、育児にせよ、人間関係にせよ、何か改善したいと思う時に「マイナスポイントを探して補おうとする」発想になる。
私たちが減点方式で教育を受けてきたからかもしれない。
100点満点の理想をつくって、それと比べて何が足りないか、何が間違っているのか考える方式。
でもそれって永遠に終わらなくない?
自分を好きになりたいなら
「自分を変えたい」気持ちの根源は、「自分を好きになりたい」だと思う。
自分を認めてあげたい、肯定したい、いいねしてあげたい。
そのために、自分を変えたい。
ここ数年、そういう感情が湧いてきた時は、「なんでやねん」とセルフツッコミを入れるようにしている。
「自分を好きになりたい」と「自分を変えなきゃ」は直結しない。
自分を好きになりたいなら、好きになればいい。
今の自分のいいとこ探して
「え、私最高じゃない?天才じゃない?偉くない?……好きっ!!!」
って思えばいい。
それだけ。
自分に足りないものを探し求めて、永遠のループを続けるより、だいぶコスパが良いはずだ。
自動自問システム
しかし、日本人は自分のプラスポイントを探すのが下手なので、易きに流れてマイナスポイントを探したがる。
脳内に「何が足りてない?何がダメ?」と自動で自問するシステムがある。
あるよね?私にはあった。
今もうっかりすると自動自問システムが発動する。
夫や友人と話していても、「あ、発動してんな」と思う時はあるし、最近は我が子にもそのシステムの構築を見ることがある。
なんでやねん。
あんたたちは生きているだけで100点満点だわ。
なんも足りてないことないわ。
その上で宿題したり部活したり、歩いて学校行ったり風呂洗ったりしてんの?
は?最高では?偉いのでは?…好き!!!
減点方式やめて加点方式にしよう
そういうこと言うと、褒めすぎると努力しなくなるとかいうマイナスポイント大好き勢がでてくるだろう。
まあわかる。そういう側面は否定しない。
実際こんなに褒めてはいない。
でも、減点方式だと自己評価だけじゃなくて、他人に対しても永久ループになると思うんよ。お互いに苦しい。
脳内のシステムを減点方式から加点方式に切り替えていく。
それも結構エネルギーがいる。今まで培ってきた教育やしつけが邪魔をしてくるし。
結局その努力も「自分を変えよう」ってことじゃない?とまた自問ループが顔を出すこともある。
まあそうだけど、「自分を変えなきゃ」じゃなくてポジティブに「自分を変えよう」ならいいんじゃない?とまあまあ都合よく考えるようにしている。
こういう思考実験はやってて楽しいし、一度システム切り替えちゃえば、ずっと楽しく生きられる気もする。
どう思いますか?