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【読書記録】きつおんガール

おすすめ度 ★★★★☆

小3娘が好きそうなカワイイ絵だったので、借りてきたマンガ。

吃音をもつ作者、小乃おのさんの自伝的なコミックエッセイで、子どもにもわかりやすく、でも繊細に当事者の心理が描かれていて、とてもよかった。

私は当事者じゃないし、身近な人に吃音を持つ人はいない。
本を読んで初めて、「あ、あのときの人は吃音でああいう喋り方だったのか!」と気付くことがあった。あの時どういうリアクションをしたか、、、、覚えていないけれど、ふざけていると思って笑ってしまったような気がする。
思い出すと恥ずかしくてたまらない。無知は人を傷つける。

子どもにちゃんと知識を持たせたい、と思ったら、読み始めてすぐ娘が
「あ、あれ、きつおんって言うんだー。お友だちにいるわ」と言う。
え!そうなの?

娘いわく、なんでそういうしゃべり方になるんだろう?と思ったけど、誰もからかったり笑ったりせず、ちゃんと話を聞くのだそうだ。
素敵…いまどきの小学生っていい子なのね…。


娘は、お友だちのことを考えながら、興味深く読んだらしい。
本では、良いことも悪いことも書かれているから「こんなこと言う人ひどい!」「泣いててかわいそう!」と感情豊かに感想を教えてくれた。
素直やなぁ、そのまま育っておくれ。

中一の息子も読んでいたので、感想を聞いたら、彼の周りには当事者はいないそうだ。
でも、吃音だからって笑ったりはしない、というかそんなダサいことするやついないっしょ、というリアクションであった。

うぅ。無知のせいにして、自分の人間性を守ろうとしていた自分がはずかしい。
お母さんも、少しずつ成長しようとおもいます。


物語は、作者が大人になるにあたり、苦労はしたけど前向きに人生を切り開いていくストーリーで読後感もいい。
作者だけでなく、作者のお母様も作品作りに協力して、思い出すのも辛いというエピソードもある。
吃音当事者の「声がコントロールできない感覚」なども絵でうまく表現されている。
ライトなテイストだけど、しっかり見ごたえがある。

息子にも娘にも、いろんなことを教えなきゃと思っていたけど、私に教えられなくても彼らはちゃんと学んでいるし、すくすくと生きている。
嬉しく思いつつ、まあそれでもせっせと本やら何やら与えるんだけど。


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