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【読書記録】遠い太鼓

おすすめ度 ★★★★☆

村上春樹を読むのなんて20年ぶり位だ。
学生時代は割と読んでいたけど、毎回やたらとモテるシニカル男が美女とイチャラブする、そして美女が消える。という話な気がする。
色々読んでるはずなのに、それしか覚えていない。

これは旅行記なので、文章は好きだけど小説は好きじゃないという私のような人におすすめ。
村上春樹はエッセイに限る。(多分少数派)

こちらの記事で出会いました↓感謝を込めて。


図書館で借りたんだけど、分厚くてびっくりした。そして古い。村上春樹が40歳のときの本で、30年以上前らしい。

続く話ではないので、空いた時間に息抜きに読める。興味のないものは飛ばしたし、興味のあるものもすごくのめり込む!というような作品ではない。
でも、村上春樹らしいキレイな文章なので、読書欲は満たされる。
比喩が面白いし、食べ物の描写みるとお腹空いてくるし、なんかおしゃれな雰囲気漂ってるし、読んだ後はもれなく春樹的な文章になりがちである。やれやれ。

あと私は「切れ味の鋭い悪口」を読むのが好きなので、面白かった(悪趣味)。
映画館に行った村上春樹が、そこにいたものすごくうるさいガキンチョに心のなかで悪態をつく。

こんなやつらはみんな二日くらい飲まず食わずで納屋の梁から逆さに吊るしておけばいいのにと思う。

そんなわけで、村上春樹的な気分を味わいながら、ゆるゆると読み進めていく。

残念なのは、私がほぼまったくヨーロッパに興味がないことだ。彼が3年間ヨーロッパのあちこちに旅行(というか移住)したエッセイなので、ヨーロッパに興味や憧れのある人はもっともっと楽しいと思う。
私は東南アジア好きなので、「村上春樹がこのノリで東南アジア記を書いてくれないかな」と思ったが、あんまり彼に東南アジアのイメージがないから無理だろうな。


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