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【読んだ】今日もテレビは私の噂話ばかりだし、空には不気味な赤い星が浮かんでる

おすすめ度 ★★★☆☆

タイトルの不穏さと絵の穏やかさのギャップに惹かれて読んでみた。
マンガだけど、絵本のような色使いで、水彩のタッチがとても優しい。
一度読んで「なるほどねー」ではなく、読み返す度に心に染みてくような、丁寧で温かい本だった。

統合失調症を患った筆者が、自分の体験を書いている。
統合失調症がどんな病気かということよりも、かかった人が自分の病気を認める辛さ、受け入れて生きていく「その後」がしっかりと描かれている。

こんなにすごい病気なんだぞ!ドヤドヤ!としたほうが、読む人にとってキャッチーだったと思うけど、そうしないのは著者が「この病気について知ってほしい」と想っているからなんだろう。

著者は病気を受入れて、うまく付き合えるようになるまで5年かかったという。
「他人と比べない」「自分のペースで生きる」「ありのままを認める」
言うのは簡単だけど実践するのは難しい。
病気であってもなくても難しい。

支えてくれる方々には心から感謝しています
人を助けられるってかっこいいな 憧れる気持ちもあります
そして正直に言うと 助けがたまにつらい時があります
なぜなら 病を患ってから 一部の人に未熟な人間として扱われると感じることがあるからです
子どもを諭すような話し方に不自由さと情けなさを感じます

支えてくれる人へ感謝しつつも、自分の人生は自分で選びたい。
当たり前で、自然な感情だけど、言葉にするのが怖かったという。
病人から出る感情の全てが病状ではない、健康な人と同じ感情も当然持っているのだと、控えめだけどハッキリと書いていた。

そうだよな。
一緒に生きていくなら、お互いが人間であることを認め合う必要があるよね。
言葉にすると当たり前のことだけど、それができてないことが多すぎる。

統合失調症にかぎらず、いろんな差別や偏見、諍いごとにも当てはまるなと感じた。

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