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【読んだ】素数ゼミの謎

おすすめ度 ★★★★☆

数学が苦手な私にも面白かった。
タイトルだけみて、「わかりやすい素数のゼミ」かなと思ったのだが、「ゼミ」ではなく「蝉」だった。
表紙をよく見たらわかる。セミが描かれている。
(作中の絵や写真もリアルなセミだから苦手な人はウッてなるかも)

アメリカにいる周期ゼミと言われるセミで、13年と17年周期で特定の地域だけで超大量に羽化する。
しかもそのセミは羽化したあとほとんど移動せず、100メートル四方に40万匹ものとんでもない密度でミンミン鳴きまくる。
そのうるささは大変なものだろう。

著者は、素数ゼミを研究している生物学者で、「なぜ13年と17年で大発生するのか?」「なぜこんなに長い時間をかけて成虫になるのか?」「なぜ同じ場所で移動せずに鳴き続けるのか?」などの疑問に答えている。

数学の話かと思いきや、氷河時代まで遡る壮大な進化の話だった。
文章もスッキリ読みやすく、本好きの小学校高学年〜中学生くらいなら理解できそう。
素数の概念や計算方法がわからなくても、話は理解できるので面白い。

生き物の行動には根拠があって、素数ゼミが生き残ったことにも理由があるんだと驚くし、感動する。

また、一つの疑問が解決したら次の疑問がわいてくる研究者のあくなき探究心にも感動する。
たとえば13年と17年の周期は同時に現れたのか、何匹の祖先ゼミから今の素数ゼミのもとになったのか等々。

福岡伸一さんもそうだけど、研究の魅力をわかりやすく面白く伝えられる人って本当にすごい。かっこいい。

古い本だけど、面白かった。読んでよかったな。

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