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【読書記録】大切な人が死ぬとき

おすすめ度 ★★★☆☆

家族の死とどう向き合うかについて書かれたコミックエッセイ。どこかで見た絵だと思ったら、この前見たヤングケアラーの本と同じ作者さんだった。こういう福祉系マンガを描いてる人なのかな。

父がガンで亡くなり、なかなかその死を受け入れられない作者が緩和ケアナースに相談するというストーリーで、父の闘病、死までの話とナースが語る他の事例で構成されている。
家族の死を受け入れるだけではなく、自分自身の死を受け入れられずに苦しむがん患者の話など、いろんな視点が見えてよかった。


死を受け入れるには5段階のプロセスがあり、否定→怒り→取引→抑うつ→受容、というものらしい。
「いや、死ぬわけない」(否定)
「どうして自分が!」(怒り)
「神様どうか…!」(取引)
「もうだめだ…」(抑うつ)
そして、死を受け入れる受容。
なるほど、なんとなく想像できる。


民間療法みたいなものは代替医療というそうで、約5割の人は試しているらしい。
私の父もガンだったのに、知らないのはどうかと思うが、みんなは大切な人に死んでほしくなくて、色んな方法を調べたりすがったりするのだと思う。

標準治療以外の治療法、代替医療を選ぼうと思えば選べる
治療法ってこんなに自由でその人次第なものなんだな…
誰かが答えをくれると思ってたけど、自分で何を信じるか決めなきゃいけないんだな…

「それにしても、なんでこれほど代替医療を選ぶ人が多いのかな?」
「きっと、怖いんじゃないかな
病気なのに何もしないなんて耐えられない…
代替医療をやるのもその人なりの病気と対峙するための必要な過程なのかもしれない

私は今のところ、ナントカ療法的なものには怪しさしか感じないけれど、それを頼みにしている人を心なくバカにするようなことはしないようにしようと思った。
治療法も含めて、その人の人生をどう生きるかなんだ。


私も、数年前に父がなくなったのだけど、色々あって悲しいとか受け入れられないみたいな感情はなかった。今もない。(詳しいことはここに書いてます)

ただ、自分だったら?母親だったら?と考えたら話は別だ。
自分はもっと生きて子どもたちの成長を見守りたいし、やりたいこともある。
母にはもっと元気で生きていてほしいし、恩返しさせてほしい。
う、考えると泣きそうになってきた(ビビリ)。

受け入れるのは簡単じゃない、ということだけでも知っておいてよかった。

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