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【読書記録】日本語教師になるには

おすすめ度 ★★★☆☆

図書館で借りた本。今は興味のおもむくままに、日本語教師の本ばかり読みがちである。
経緯はこちら↓

この本は
・実際に国内外で日本語教師をしている人の体験談
・日本語教師になる方法、就職先、待遇などノウハウ系
・日本語教育の歴史
などがうまくまとまっていて、今の私にちょうどよかった。


体験談は、どなたも素晴らしく立派すぎるほど立派で、まぶしい。
海外に日本の文化を伝えたい、多文化共生社会を目指す、後進を育てるために日本語教育学の指導者もする…意識の高さにひれ伏すばかりだ。
「家から出たくない」からスタートして日本語教師を目指している私って一体。


日本語教師と一口に言っても、誰に・どんな目的で・どういう教え方をするかは千差万別だ。

語学留学している学生には、学生間の交流をつくって
就労者には、仕事で使う専門用語メインで
第二外国語で学ぶ海外の子どもには、マンガやアニメを使って

工夫を重ねて、歩み寄り、橋渡しをする姿には頭が下がる。すごいわ。
民族的な多様性の少ない日本で、そうした橋渡しが出来るスキルはとても貴重になるだろう。

今の時代、翻訳や語学習得だけなら、AIでもできるようになるだろう。
私もわからない単語はGoogle翻訳で調べるし、YoutubeもChatGPTも使う。

でも、文化の相互理解であったり、壁を超えて関係を築けるのは人間なんだろうな。それをAIにされちゃったら怖い。

日本語を教えるクラス内では、ときに学習者の文化や国籍が異なることで感情のもつれが生じる可能性もあります。そうした衝突が起きないように配慮して、また、意識せずともそうした衝突が起きたときに相互理解を促すことで、さらに学習者同士の理解が進み、親睦が深まることもあります。


しかし、終始解せぬと思ったのは収入面だ。

全然稼げない。
こんなにもニーズがあるのに。こんなにも難しい仕事なのに。なぜ!?
特に介護現場などものすごくニーズがあるのに、そこにお金が投下されていない。

今、日本語教師として働いている人の中で最も多いのは「ボランティア」だそうだ。
なぁぜっ!?なめとんのか。
日本語教師として資格を取るには結構なお金もかかる。時間もかかる。
なのに、ボ、ボランティアだと?

いやボランティアを否定するわけではない。すばらしいことだと思うし、得るものがあると思う。
しかし、しかしそこに「やりがい搾取」の構造を見てしまうよ、私は!

日本語教師はやりがいのある仕事だ。
言葉を通して文化をつなぐ、日本との橋渡しになる、多文化共生社会につながる素晴らしい仕事だと思う。やってみて改めて感じる。
でも、そこに「やりがいあるんだから、お金はいらないよね」という小狡いお偉方の意図を感じてしまう。

やりがいがあれば、お金は二の次でいい。
今の私がそう思ってやっているから、ぐぬぬではあるが、それではやっぱり持続性がないと思うのだ。
保育士しかり、介護職しかり。
やりがいのある仕事こそ、給与が低いジレンマは一体何なのだ。

私は今のところ、日本語教師メインで食べていく予定はない。
食べていけそうにないからだ。
そういう人はたくさんいると思う。潜在保育士ならぬ、潜在日本語教師。

でも、時間とお金に余裕があれば、きっと私もボランティアで子どもたちに教えたりすると思う。
やりたい。でも、どこかのお偉方の思う壺だと思うと悔しい。

なんだかな。お金の巡り方ってどうしてこうなんだろう。資本主義とは。
モヤモヤが駆け巡ってとまらない。

解せぬ。

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