見出し画像

どうか似ないでほしい

なつめが家に来てから1年以上経つが、彼女が怒ったところを見たことがない。
言うことを聞かなかったり、迷惑そうな態度をしたり、呼んでも聞こえないフリをしたりすることはある。が、まず怒らない。
穏やかでいい性格しているなあと思う。

先日、「『犬は飼い主に似る』と聞いたことがあるけど、どうですか」という内容のコメントをいただいた。

穏やかで怒らないなつめに対して、私はすぐにイラっとしやすい。まったく違う。

それに、なつめは社交的。誰にでも警戒することなく近づいていく。
一方、私は人見知り。かなりの気にしいなのだ。スーパーへ行っても、あれば迷わずセルフレジに向かう。

似ている点といえば、飽きっぽいところだろうか。
今年梅雨が終わって、暑くなり始めてから、庭にホースで水をまくようになった。それを見ていたなつめ。急にテンションがあがり、水に向かってとびかかってきた。方向を変えれば、またそちらに向かってくる。もちろん全身びしょぬれである。
これが日課となり、毎日庭に水をまいたあとは、なつめの身体を拭くという仕事も増えた。
これ、なつめが楽しそうなのは何よりだけど、これから毎日大変かも。
使い古したタオルで拭いているが、そう何枚もあるわけではないし、ストックがなくなったらどうしよう。
そんなケチな不安もよぎりつつも、1週間ほど経ったある日。
水遊びがぴたっと止まった。こちらが水をまいていても、おすわりして見てるだけ。あまりの変わりように思わず声をかけるも、動かない。それ以来、一切水を追いかけない。結局1週間ほどでなつめの水遊びブームは去ってしまったのだ。

これだけではない。また庭の話で恐縮だが、私が草むしりをし始めると、いつもなつめは張り切ってついてきて、近くで見守ったり、周りのにおいを嗅いだりしている。
ただ、それもすぐに飽きてしまう。5-10分ほどすると、ひとりだけそそくさと家の中に入ってしまうのだ。涼しい部屋でゴロゴロしたり、ときにはぐっすり寝てしまうときもある。
なつめに対してかなりの親バカ、そう認識している私でもやはり忠犬とは言いがたい行動である。

似ているのはこれくらいなので、総括すると、なつめと私は今のところ似ていないと言えそう。
これもこれから長く一緒にいると変わってくるのだろうか。すぐにイラっとする人見知りなんて最悪だ。どうか私には似ないでほしいと切に願う。
むしろ私がなつめに似たほうがいいくらいである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?