大学教授直伝。この時代を生き抜くための情報収集法(Voicyヤング日経チャンネルより)
他者に操作される側の人間ではなく、操作する側の人間になるためには・・・!?
ボイスメディアVoicyの「ヤング日経」木曜パーソナリティの大塚美幸さんが、津田塾大学総合政策学部の森田朗教授に「情報収集法」についてインタビューしました。今回は放送内容から一部抜粋してお伝えします。気にいってくださったら、是非Voicyチャンネルをフォローしてくださいね!
あなたの行動はデータとして把握されている
大塚
森田さんは日本経済新聞をどのように見ていますか?
森田
そうですね、最近は新聞各紙が個性を出していますが、相対的にみるとニュートラルな情報を多く出しているという意味で、日本経済新聞は信頼できるのではと思います。
大塚
大学生にとってはどのような存在でしょうか?
森田
学生も就職が近くなると社会的なことを勉強しようとしますから。日経を関心を持って読み始める人が多いんじゃないでしょうか。
大塚
今の時代、情報をどのように捉えたら良いでしょうか?
森田
心理学や経済学などでずっと議論されてきましたが、昔は人間がどのように行動するかを把握するのは難しかったんですね。
ただビッグデータの時代になり、データを使って人間の考えや行動を把握できるようになりました。典型的なのはAmazonのような通販サイト。どういう傾向の人がどういう物が欲しいか、買いたがるのか、がわかるようになりました。その結果、次に求めるものもわかるようになりました。これを把握した上で、企業は消費者に次の売り込みを図るわけです。
これが選挙の世界や、国際関係の世論にも使われるようになってくる。人間の行動がわかってきた結果です。
他方、人間は操作される可能性が高くなっているわけです。これは気をつけなければならないことですね。
その顕著な辞令が、米大統領選挙で使われたフェイクニュースです。
ひとつの情報源に依存しないこと
大塚
操作されないためには、どんなところに気をつければいいでしょう?
森田
難しいところですが、そういうかたちで情報が取られているというのを前提にするのは大事です。そして、情報を取られたくない人は出さない。
世の中いろいろな情報源があります。片方が「良いこと」と言っているけど、もう片方が反対の意見を持っている、という事柄も多いです。場合によっては炎上したり、感情的な対立も生じたりしている。
ただ、多角的な情報が得られるようになったのは情報技術の発展の良い面だと考えます。
そういう見方をすると、ある情報源に依存せず、違う情報を比較することで自分で考える姿勢が大事なのかなと。
「そうではないんだ」という人の存在
森田
ただ今の時代は忙しい時代なので、情報を比較して取捨選択というのはなかなかできない。そうすると、自分が欲しい情報に一回マッチすると同じ情報源にずっとアクセスする傾向がどうしても出てくる。
それが、操作をされる原因にもなるんです。
そうならないためには、違う観点を意識的に持つこと。違う観点を持つ人とできるだけ情報交換することです。
あるものについて「良い」と言う人もいるし、「そうではないんだ」という人もいる。
それが仕組みとして成立しているサービスがあって、商品の評価が星5つで表示され、口コミがでるようなもの(通販サービス)です。
そういう機能を使って、自分のほしいものかどうか判断するというのが大事ですね。
森田さん、ありがとうございました!
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