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考えが合わない人 嫌いな人 教育者のマインドセット改革 #6

「この論破してくる感じ。苦手だわ」
「なんでこう…… 伝わらないなぁ!」
「なんで今それを言う? 理解できないなぁ……」
「あぁ…… もうこの人嫌い!」

苦手な人、嫌いな人、理解できない人……
教育の現場だけではなく、日常生活の中でどんなときでも「出来ればコミュニケーションをとりたくない」と感じる人は現れる。

そんなときは『避ける』の一択!

それも一つの手なのですが、避けた先でまた違う「嫌いなやつ」が現れてしまうので、根本解決にはなりません。

では、最強無敵のマインドセットなら、どんな反応になるか。

教育者のマインドセット改革 #6
いきましょう。


考えが合わない人、嫌いな人との付き合い方

1、現状

来年、小学校を卒業すると同時に特別支援学級から通常学級に入ることが決まっている6年生のAさん。
そのことが決定してから通常学級で授業を受けるようにしていた。
頑張ってはいたが、最近特別支援学級に何かにつけて戻ってくることが多い。

友人とのトラブルになることや宿題に関すること、学習のペースが速すぎることなど、様々な要因でAさんは精神的にかなりストレスを感じているように見える。

本人の様子を見て、特別支援学級担任の自分としては、特別支援学級でゆっくり学ぶ方がいいのではと考えている。
このまま「頑張らせる」と折れてしまう。下手したら無気力、登校拒否になってしまうと考えている。

しかし、養護教諭や管理職は、来年からのことを考えて無理にでも通常学級で続けるべきだと主張している。

本人は「こうなるとは思ってなかった」といっていたらしい。


2、普通ならどうなるか


「私は、あおぞら(特別支援学級)に帰ってきて、こっちで勉強する時があってもいいと思うんです」

教頭「中学校から通常に戻るんだから、トラブルも経験して、授業もついていかんとあかんやろ。本人と保護者ががそう決めたんやし。それにあれは怠けが入っとる」

(カッチーン)
怠けかどうかなんか誰も分からないでしょ。
何を決めつけてるの。
普段一緒に過ごしてない者の言い草だわ。

「でも、今のままじゃ、頑張りすぎで電池が切れると思います。明らかに最近笑顔が少なくなってるし。下手したら不登校になると思います」

「不登校になるかならんかも、保護者と本人の選択やろ。それを選んだんやから。それに、そろそろ指導しようと思っとったんよ。彼ができてないところがたくさんあるせいで、この間教室に入ったときに他の子を指導しようと思ってもできんかった」

はぁ!?
さらに事態を悪化させるようなことをしようとしているわけ!?
何考えてんのこの人。(イライライライラ)
まじあり得んわ。
腹立つ!!!


3、最強無敵のマインドセットならどうなるか

まてまて。
私は今、イライラしている。

なぜだ? 正しさがあるからだ。期待していたからだ。

子どもの未来を一番に?
しんどければ休めばいい?
管理職は問題を的確に捉えてアドバイスをしてくれるはず?
何も知らないのに決めつけるのは良くない?

私の大切にしている価値観に合わないことを言われたから、私はイライラしたのだ。

なるほど。
教頭先生は、「休むことは怠けることは悪いこと」と教えられてきたのだ。
そう言われて、「怠けてはダメだ」「そんな過ごし方ではダメだ」と無理して頑張ることが、良いことだと信じるに至ったのかもしれない。

休むことは良くないことという思い込みがあるのだろう。自分がしんどいのに学校を休ませてもらえないことも多かったのかもしれない。課題の提出が遅れたとき、叱られた経験でもあるのかもしれない。

しんどかったり、辛かったり、さびしかったりしたこともきっとあるだろう。
人は自分の経験でしか判断できないのだから、それも仕方ない。

よくよく考えれば、不登校になるという経験も、大切なのかもしれない。

そこから学ぶこともたくさんあるから。
たしかに通常級で今しんどいのに、それでも「中学校からは通常級で」と決めた親子が学ばないといけないことも、たしかにあるはずだ。

それはそれで、良いことも悪いことも同じ数だけあるはずだ。

となると、どうしようか。

不登校になっても、ならなくても、どちらにしても、価値は同じ。学ぶことは同じ数だけある。そうであれば、本人に選ばせよう。

彼は、「こうなるとは思わなかった」と言っていた。
それはつまり、良くも悪くも現状を知ることができたということだ。

その経験を踏まえて、自分に必要な力やすべきことを明確にし、これからあおぞらで集中的に学ぶことだってできるはずだ。
より主体的に学ぶことができるかもしれない。

ここからが、彼の本当の成長の始まりかもしれない。

全ては経験なのに、私は、私のやり方にこだわっていたのかもしれない。

とりあえず子ども自身に聞いてみよう。

考えるきっかけをくれた教頭に感謝。
このイライラも糧にして、私はまた新たなステージへ進もう。


4、どんなマインドが関わっているか


  1. イライラするのは正しさのせい

  2. 嫌いな人は、自分の知らないことを一番よく知っている人

  3. 人はそれぞれにしかわからない地獄を生きている

  4. 経験こそ全て


嫌いな人は、自分がしたいのにできなかったことをしている人。
それはつまり、自分の知らないことを一番よく知っている人。
同じ考えの人からは学べない。
一番学びが多いのは、自分と正反対の考えの人。
つまり嫌いな人。嫌いな人を理解できれば、また新たなステージへ進むことができる。
似た考えの人にはないものを、自分にはないものを彼らはもっている。

そして、彼らを理解することができたら、二度と同じ種類の人に腹を立てることはなくなる。そうして嫌いな人がどんどん減っていき、知識や経験はどんどん増えて、深くなっていく。
嫌いな人を理解することは、自分を爆速で成長させる裏技だ。

どんな物事にも長所と短所がある。
だから、不登校も、皆勤も、同数の価値がある。
だから、結局はどれだけ経験をするかの話。
どんな経験も、プラスになる。
経験こそ全てである。


5、まとめ

いつもイライラしている人は、自分を縛る正しさが多いのです。
自分に許していないことが多いのです。
だからこそ、それをしている人を見ると腹が立つ。

しかし、「経験すること自体に価値がある」と、「その経験から得られる長所と短所がある」と知ってしまえば、どんな経験でもよくなってしまいます。
そう思うことができれば、もう気がつけばイライラしていないはず。
ありのままを受け入れた、フラットで冷静な状態です。

そして、どんな道を選んでも、どちらにも長所短所があるのであれば、自分の好きな方を選べばいい。

「何を選ぶと、好きな自分でいられるか」
その問いを投げかけることで、この後の選択もスムーズに決まるでしょう。
そして、この問いこそが自分軸の生き方なのです。

避けてもいい。遠ざけてもいい。
しかし離れた後、少しでもいいから、その中身を理解しようとしてみてください。
その心さえあれば、嫌いな人はどんどん減っていきます。
穏やかな優しい世界が待っています。

それは、嫌いな相手を理解しようとしている時点で、あなたがすでに穏やかで優しい心になっているからです。その心が映しだされて、あなたに見える世界は穏やかで優しくなるのです。

嫌いな人というのは、あなたに何かを伝えようとしているのです。



教育者のマインドセット改革 #6、これにて終了!

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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