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先の見えない幸せな子ども達
私たち大人は、いろいろなことを経験してきたから、ある程度先のことが予測できるようになっている。
「このペースだと間に合わないな」
「これは大変なことになるぞ」
「それはやめた方がいい」
そのように考えて、教師はくどくど声をかける。
時計を見るよう指示したり、タイマーで時間をはかって活動に取り組ませたりして、子ども達に時間の感覚をつけようとすることも多い。スケジューリングのコツを教えて、目標達成の筋道を見通すことが大事だと説く。
そして、先の読めない子たちにイライラする。
私もその一人である。
「本番まであと2週間しかないけど!間に合うと思う!?」と聞いたとて、そんなことわからないのだ。経験がないから。
大人には未来の可能性をある程度予測することができるけど、子どもは難しい場合が多い。
特に記憶領域に困り感がある子どもたちは、先のことがわからない。
だからこそ、彼らは今を生きている。
締切が近くても、本番が近くても、関係ない。
彼らは今を楽しんでいる。
その点、大人は未来を生きている。
未来に起こる危険を察知し、想像し、いつもヒヤヒヤしながら生きている。効率の良い生き方を模索している。
結局イライラするのはこちらが期待しているからであり、その期待の内容を経験したことがない子ども達は何もわからない。先なんてなく、今があるだけだから。
効率の良い生き方を模索して、未来を生きている大人。
今この瞬間を生きている子どもたち。
果たして、どちらが幸せなんだろうね?
先が見えない方が、幸せかもしれない。
今を楽しめるから。
大人になるってのも、難儀なものよ。
そんなことを教室から職員室に戻る廊下で考えちゃいました。
マインドフルに生きたいものだ。