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霞の中で思うこと

庭にも雪のような桜の一片
春風に乗ってはらはらと舞い降りています。

奥まった半地下のような庭にも飛んでくるのは今年が初めてかもしれません。新芽が出だした土の上に可愛い花びらが散らばっています。

庭の水槽のメダカや金魚は水面近くで泳ぎ出しました。
カレンダーがあるわけでもなく春を告げられたはずもないのにちゃんと自然を感じて小動物や魚たちは生きています。

昨年の秋に生まれた針子は暖かい部屋の中で越冬して、布団針とまでとはいかないまでも立派な胴体になりました。

もう少し水温が安定したら放流⁈親たちの水槽にしきりを作って同居となります。

さて、人間に生まれたらこの先もずーっと人間として生まれ変わるのだろうか?
善い行いをしたら…。ならばその反対はミジンコもあり得るのか?

そんな風に思いを巡らせることは未来の自分を思うこと。
私は現実的ですが、すべての生き物は土に還るだけだと思っています。それは用意された未来を当たり前としてとらえるのではなくて与えられた環境の中で生きるのみ。この今!が何とも貴重と思えるのです。過去のことも未来を杞憂することもなさそうです。

別れた家族と「天国でまた会おう。」と別れの時に口にしますが、もう二度と会うことはないでしょう。究極の一期一会です。出会えた奇跡こそが宝物。
だから 今生での出会いを愛おししく思い大切にしたいと願っています。

暖かい風が夕方も吹いています。
これからどんどん新しく生まれたものに囲まれて夏へと進むのですが、いっときのその何とも言えない優しさを今の時期は満喫したいものです。

人生の中の何回もやってくる節目の季節。
未知の世界に踏み出すも留まるもその人の意思にかかっていますが、
あまり躊躇せずに何かに飛び込むにはいい季節かもしれません。

この前までバギーに乗ってニコニコしていた赤ん坊が今朝お母さんと手を繋いで、保育園に向かう道すがらでしょうか?勢いよく流される溝の桜の花びらや、石垣に咲く小さな花をその都度しゃがんでいつまでも眺めています。

時間を気にする風もなく、今!を大切にしている母子の姿は春そのものです。「あっという間に小学生ですよ!お母さん。」

すれ違いざま、男の子がにっこり笑ってくれました。春の朝日が優しく包んでいました。

この親子に幸あれ!とこの場ではなんだか不似合いな言葉が思い浮かびました。


今日もいい日にしましょう!



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