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なんでもない日が思い出になる

誕生日やクリスマス、お正月に夏休み,
もちろんエキサイティングなイベントの日やお休みに連れて行ってもらった旅行、みんないい思い出です。

それ以外は毎日同じような時間に起きて大体曜日ごとに違った仕事や家事に明け暮れて何にもない日が続きます。

子どものころは退屈な日なんてなかったのに、おとなになると楽しいことより、苦痛に思うことの連続だと思っている人にとっては何もしない退屈と言える日が有り難かったり、貴重に思えるものです。

でも年を重ねると旅先で出会った美味しいものやきれいな風景、楽しかったことは事実として記憶に残っている、ただそれだけのことがあります。

それよりも普段何気なく発せられた言葉に引っかかったり心に響いたり、驚いたりと、形のないものが思い出としてよみがえることがあります。

その時の相手の表情や、言ったことがいいも悪いも強烈にふとした時にその場面がでてきます。

それはとりとめのなかったことなのに今から思えば、その言葉で、今の自分があるということさえあります。


偉い先生の話や教科書などから得られる知識も大切ですが、日々の人との関わりで得たヒントが本当は一番心を動かすことなのかもしれません。

想い出は楽し事ばかりではなく傷ついたり怒ったり…。そして笑った一コマがいつかは積み重なって人生という片道旅行の中で小さくてもいろんな花を咲かせてくれます。振り返るときれいな道が出来上がっていて世界に一つの我が道となります。

低学年の新学期、仲の良い友達ともクラス替えで離ればなれになり、新しいクラスメートとはなかなか仲良くなれなかったとき、「面白くないなあ~」とこぼした時の母の言葉は「スープと同じ。ジャガイモも人参も玉ねぎもお肉も最初はゴロゴロしてお鍋の中で好き勝手にいるけど、しばらくするとみんな角が取れて美味しいスープになるよ!」
そんなに大したこと?を言われたようにも思わなかったのですが、ものすごく合点がいった一瞬でした。

それは今でもよく覚えていますが、それからしばらくして、学校に行くことが楽しくなったのです。
何気なく言ったことが私を元気にしたなんてその時の母は分かっていたのでしょうか?

反対にそれほど幼い私が新学期を重たく感じていたのに気が付かなかったということでしょう。

それは新しい環境に飛び込む時も思い出しました。だから溶け込むことが案外早くて、人見知りの私が姿を消してどちらかというと積極的な性格になったのかもしれません。

不思議の国のアリスの挿入歌のように何でもない日が万歳!となれば毎日が変わってくるように思います。

今日もいい日にしましょう!


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