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今夜は蓬莱
周期的に食べたくなる豚饅。小さなころから好きでした。
ピロシキと豚饅は私の好きなツートップ。
無性に食べたくなると三宮に出たついでに買える手軽さがいい!
ごちそうというほどではなくて、庶民的。
この551の豚饅は、いつも長蛇の列です。待っている間も作っている様子が見えてその餡を入れる手さばきもリズミカルで面白く、並んでいるのが苦痛でないところがいい!
神戸には中華街があって横浜のそれとは違ってこじんまりとしていますが、お店それぞれに自慢の点心があります。
迷いに迷ってやっぱり豚饅。想像のおいしさを裏切らない安心感があります。
随分前、東京で高校生活を送っている息子に会いに行くことがありました。
行くことを告げると、551の豚饅が食べたいというのです。
何処にでもありそうですがやはり小さな時から慣れているその味が懐かしいのでしょう。
小学生の時、サッカーの練習や試合には必ず父親が見に行っていました。仕事でどんなに疲れていても土日、祝日の試合は朝早くから送って行って、一日中。
夕方、車の中で二人で食べたそれは格別に美味しかったそうです。
主人が亡くなってしばらくしたある日、息子が、夢を見たというのです。
サッカーの練習、休憩の時、
ベンチで麦茶を飲んでるとなんと横に父親がいた。「お父さんもお茶飲む?」と聞くと笑っている。何も声を出さないのでなんかおかしいと思ったものの、「帰りは551、食べたいなあ」といえばいつもの優しい顔でうなずいたというのです。
息子はもうとっくに忘れていると思いますが、何とも切ない彼の夢を忘れることが出来ませんでした。
久しぶりに夕ご飯、一緒に食べるというので、久しぶりに買って帰りました。「わー。いいねえー」とおいしそうにほおばる横顔は父親に似てきましたが、夢のことはとっくに忘れているようです。それをセンチメンタルに抱いているのは私だけ。
「昔ほど食べられないわー」と言いながらも3つ。
もう30年も前の事。相変わらず人気の列はそれぞれの家族の食卓をにぎわしているのでしょう。「あっ!やっぱり甘酢団子も買っとこ!」
昨日食べ過ぎたのか少々胃もたれの私ですが、久しぶりにニケが散歩の催促。一応気を使っているのか優しく肩をポンポンと前足で。カーテンを開けるとまだ薄明り。準備は万端!と言うように階段を駆け下りていきました。
今日もいい日にしましょう!