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ジェットコースター人生 その50

知識は何かを始める時には必須ですがいくら極めてもそれだけでうまくいくことは稀です。

40歳前に主人の他界で大きな荷物を背負うことになった時、右も左もどころか上も下も、つまり分からないことだらけでした。

今から勉強するにも時間がありません。相談する人もいません。

そこで私は毎日のように書店に行きました。藁をもつかむとはこのことかもしれません。関係のなさそうな本まで立ち読みしました。なんとなく役立ちそうな1,2冊を買って読み漁る。自分一人の作戦会議は毎日続きました。読んでいるときはトンネルの向こうに小さな明かりが見えたようで励みになりました。

義父の残した商売は主人もてこずる従業員ばかりで、何とかしなければと彼もいろいろ考えていました。親の自慢の息子は国立大学出の秀才でしたがその世界ではあまり役立たなかった感がありました。理性的であっても歯が立たないことがあるということは当時専業主婦の私にもわかりました。

そんな厄介な仕事が私に回ってくるなんて!

運の悪さに落胆したこともありましたが、何とかしなくては前に進めません。

女性の成功物語もかなり読みました。そのたぐいの小説も。最後は成功するのですが、現実的ではありません。

ある時1冊の本に出合いました。

アメリカの大手自動車メーカーの社長に容赦ない質問を浴びせる内容でした。その社長が生え抜きでなかったことを知ってのことです。

「私は自動車について細かくお話しするほどの知識はありません。ただたくさんのボタンが私の机の上にあります。解らない時はそのどれかのボタンを押すと超スペシャリストが飛んできて素晴らしい回答をしてくれる。私はただそのスペシャリストが私の元に集まってくるような人物になることに努力するだけです。」もう一人のお話。「私は音楽が好きです。でもピアニストになるには遅すぎます。バイオリン、チェロ、ハープ。そうだ!指揮者になろう」

それから猛勉強して夢を叶えたという内容でした。

この二つの話で何かヒントを得たような気になりました。

人を大切にすること。いろんな人が集まってくるような人間になろう。いろんなことに興味を持とう。

雑学を詰めた頭の引き出しは今の生活、人間関係におおいに役立っています。

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