巡る夏は同じではなく
すでに熱い朝になりました。
いつものように家を出たもののニケは早くもばて気味。行き先々で、休憩します。おかげでいつもより30分近く帰宅が遅くなりました。
暑くても外が好き。何の目的があるわけでもなさそうですが、いくつかの散歩コースでなじみのにおいをかいで新しい匂いがあれば女の子なのにマーキング。用を足して、それが一日の最初の仕事なのかもしれません。
最近は道端に蝉の死骸が堂々?と落ちています。お腹を見せているものもあればまだ動き出しそうなものまで、ジジーと鳴きながら逃げる蝉をスズメが追いかけて掴みます。いつもの事ながら哀れですがそれが自然。
そうやって季節は流れ時代が動いています。去年と同じ今年ではないことは分かっているのにそれを平凡な、代わり映えのしない夏と思うのは私の錯覚なのでしょうか…。
小さな時はあんなに夏休みが来るのが待ち遠しくて衣替えで出てきたお気に入りのワンピースを胸に当ててこれを来てまた宝塚ファミリーランドに連れて行ってねとせがんだのを思い出します。
夏になってそれを着るとなんだか丈が短くなっていて、少し窮屈。
祖母は嬉しそうに「また大丸に行かないとね」と成長を喜んでくれました。
彼女は大丸百貨店が大好きで何か買い物があると着物を着て、いそいそ出かけました。近いのにそれがヨソイキ。車ならすぐなのに市電に乗ってそんなに遠くない三宮までわざわざ一つ向こうの停留所から乗りました。私の市電好きを知ってのことだと思います。
大丸の西側には元町商店街。当時は人も多く、いつも賑わっていました。
そこを右左の専門店に立ち寄りながら、最終は三越百貨店がありました。
結構な距離でしたが、飽きもせず歩いたものです。家族によって目的が違います。叔母たちは従妹も一緒に連れて朝日会館に映画。祖母や母は買い物。
時は流れて…。母になるとベビー服は元町のファミリア。
神戸の赤ちゃんの定番みたいな子供服は親たちのお気に入りでした。
子供らしいデザインというのが好まれたようで、現代のような大人の洋服を小さくしたようなデザインはありませんでした。色も淡いものが多くいかにも⁈というデザインですが…。
「らしく」という言葉がいいのか悪いのかはわかりませんが、当時はそれが当たり前。何の疑いもなく大人のような洋服を着たいとも思いませんでした。
今のように子供本位に決めることはあまりありませんでしたが、それでも楽しいことがたくさんありました。
豊かな時代になって、娘たちは賢く子供服を交換したり回してもらったりと結構賢くやりくりしていることに驚かされます。すぐに大きくなるのだから。ごもっとも!お金の使い方が堅実です。
たくさんの夏のページはパラパラめくるとこんなこともあったなあとひとり笑うことがあります。傍のニケは「何がおかしいの?」というように首をかしげて見ています。今年はどんなページになるのかお盆のころの孫たちを待つことにします。
今日もいい日にしましょう!