存在自体が癒し ニケと歩けば
少し前いつもの散歩コースを歩いても会えないワンちゃんがいました。
半年前に虹の架け橋を渡っていったと飼い主さんから聞きました。
動物を飼っている人はみんな別れをいつかは覚悟していますが、本当につらいものです。私も三回愛犬との別れを経験しましたが、体の中にこんなにたくさんの涙があったのかと思うくらい泣きました。この感覚はどう表現したらいいのか、ただのペット好きだからなのか、今までの心の支えを失った脱力感が絞り出すものなのか…。
彼女は愛犬をこどものようにかわいがっていました。病気になると自分の事のようにあれこれ調べたり病院に連れて行って高額な治療費も致し方ないといった、そうでない人にとっては理解しがたい行動でしたが、かけがえのない思い出や無言の慰めをその方はもらったのでしょう。
「思いっきり泣いて…。」と慰めにもならない言葉をかけましたが、昨日のことです。
向こうから手を振ってやってくる彼女がいます。「あれ?よく似たワンちゃん?」若干若くなったようなその犬は不愛想であった先住犬とは違ってちぎれんばかり尻尾を振ってにこちらに向かってきます。まだ子犬!
「やっぱり?」そっくりなこの子を見て思わず笑いました。
すっかり元気になった彼女は元気すぎる子犬に引っ張られていますがそれもまた楽しといったところのようです。私たちにこんなにも活力をあたえてくれるもの。人それぞれですが、会話が出来なくても分かり合える存在もまたいいものです。
出会ったときから別れが待っています。人も同じ。会うは別れの始まりといいます。今までに出会った全ての人やものに感謝して、いつか私も人の心を癒やせる人物に!と思うのですが、この年になってもなかなかお返し出来ていません。そんなことを思いながら傍でくつろぐニケをゆっくりと撫でました。
今日もいい日にしましょう。