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怒りのスイッチ

最近は元気なシニアが増えました。80歳になってもバイクでさっそうと現れたりジムに通う女性もいれば、マウンテンバイクで毎朝出会う方。こちらも80代。

何の心配もなさそうな人たちですが、
なかには自分の思うようなサービスがされなかったと店頭で怒鳴る人もいて、その急激な感情の高ぶりに驚くことがあります。

かと言って本当に怒っているのかと様子をうかがっていると、怒りが落ち着くといつもの穏やかな人にとおさまります。

私の母もそうでした。今までご機嫌だったのが急に顔がこわばって何かに腹を立てる。最初は戸惑いましたが、しばらくすると日常を取り戻している。そのことに家族が振り回されてる時期もありましたが、少し距離を空けて、こちらもその感情の高ぶりに乗らないように冷静にすることで母が落ち着くことを学びました。だからと言っていつも機嫌がいいわけではなくすごく落ち込んだり、父のいないさみしさを家族にぶつけたりと一緒にいた5年間はお互いがへとへとになった時期がありました。

今となっては本人も自分のことで悩んでいたのではないかと思えるようになりました。亡くなってホームからの遺品が送られてきました。その中に私への手紙が入っていました。「ごめんね。」の一言ですが大きな字で懸命に書いてありました。時々引き出しの中から取り出してみることがあります。
「お母さん、こちらこそごめんね。」いつも浮かぶ言葉です。

 ある時、ブティックに勤務している友達から聞きました。ある方が来店されると少々恐怖?を感じるというのです。すっかり以前のやり取りを忘れて自分の都合の良いように話されるそうですが、そのままにしているとどんどん怒りのボルテージが上がって、手に負えないとも。他のお客様の手前もあり、周りの人を驚かせる大声になるので困っているとも。しばらく聞く側になると気が収まったのか「また来るわ」と言って帰られるそうです。嬉しいようなもう勘弁してほしいような複雑な気持ちになるそうです。

販売業なら買っていただいてなんぼ。納得してのお買い上げとなったことが後になって買わされたとか効果が全然ないとのお怒りもあるらしいのです。

サービスがなっていないというのもあり接客の難しさを痛感しているとか。

いつもいつもお客様もご機嫌なときに来られるのならいいのですがそうでない日に気晴らしで来て、何やら気に障ることがあると感情の風船が膨らんではじけます。

誰も私のことをよく思っていないとか、冷たいと思うのはきっとさみしさからくるのでしょう。

歳を重ねるとみんな一抹の寂しさを感じるものですが、それはお互い様。
独りよがりになりがちですが一人暮らしの人も増えてきて、一日にまったく人と話す機会のない人は知らず知らずに不安を積もらせてある日爆発!となるようです。

解決方法はきっとあるのでしょうが、家族もみんな忙しく、自分をかまってくれない不安が怒りとなっているのかもしれません。

健康で、いつも笑っていられたらこんな幸せなことはありませんが、若い人も悩みがあるようにシニア、プラチナ世代にもまた違った悩みがあります。
穏やかに暮らすことは簡単なようでいろんな感情は時として、悲しい結果を生むことがあります。まずはお互いが慈しむ心を持ちたいものです。次は自分が通る道!ですね。

今日もいい日にしましょう!




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