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癒しの喫茶店

三宮や元町の繁華街から少し山に向かって歩いて行くと、住宅街が広がっています。すぐ近くには山が迫っていてなだらかな坂道。しゃれたマンションが現れ、細い道の両側にはインド料理、ステーキの店、ペルシャ絨毯の店。カフェはそれぞれ。ちょっとした異国情緒を味わえます。

日常生活に密着している大型スーパーの辺りは昔ながらの魚屋さん。焼きたてのサバや、今なら秋刀魚。それを目当ての人もいて…。

ちいさな和菓子屋さんは準備中。開店は正午ピッタリ。手作りのおはぎのみ!評判のお店です。

惣菜店からは早くも唐揚げのいい香り、コロッケも並んでいます。
そんな通りをひょいと曲がった路地に小さな可愛い喫茶店があります。
かわいいと言っても子供が好きなとか若い女性の言うカワイイではなくてそこはシニアのお客さんが静かに赤いドアを押して一杯の珈琲を飲みに来る大人の喫茶店です。

BJMもなくあまり大声で話す人もいない。客席は3つのテーブルと大きめのダイニングテーブルだけです。おひとりさまが三人。それぞれのテーブルで新聞を読む人、手紙を書く人、スマホを見る人。しずかな時が流れています。

センスがいいと言うのが見て取れるインテリア。小さな花瓶には季節の花。
大きな花器には大胆に大ぶりなものが生けられています。

カランコロンとドアにつけられたカウベルがなって「こんにちは。」
奥から「いらっしゃーい。」

注文も取りに来ない女店主は不愛想ではなく、家に招いたお客のように自然なふるまいです。

「ホットコーヒーをください。」「はーい。」
「一緒にサンドイッチもお願いします。」
「4つもありますけど、多いなら2つにされますか?」「できたら2つでお願いします。」何気ない会話ですが、なんだかホッとします。

最近は音が無いという環境が難しいと思えるほど、いろんな刺激を受けていますがなかなか心地よいほどのころあいはなく疲れるもとになるようなことが多い気がします。

静かなのが苦手!と言う人は結構いて、沈黙が続くと何かしゃべらないととついつい大声で話す人もいてそれは時と場所をわきまえない場合もあり注意されてもなぜだかわからず逆恨み?となる場合もあります。

ゆっくり珈琲を味わいながら何も考えずその空間に浸っていると自然といろんなアイデアが湧いてくることもあります。私は自然と何か新しいことを始めようとしているときにふらっと訪れることが多いような気がします。

何かにチャレンジする時、最初はできるだけ情報を集めて何度も練ってはまたフラットにしての繰り返し。それを誰にも相談しないので決まった時、それを聞いた友達は直感で?とか決断が速い!と驚きますが、それは自分の頭の中で温めたり冷ましたりの時間を知らないだけで、臆病ともいえる思考回路です。

そんな迷える?時、この母親の子宮の中のような?場所は本当に落ち着くのです。

珈琲を楽しむだけもいいですが、只々ソファーにどっぷり身を任せて時間を紡ぐことが出来るこんな場所は私にとって数少ない癒しの喫茶店です。

アイデアがすぐにでなくてもなんだか心にさざ波、心地よい予感が生まれたような気がします。
今日もいい日にしましょう!



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