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自然の一部になればいい
晴れの日,雨の日、一年中を通じて同じ日はありません。
同じ晴れであっても日差しの違いや、風の具合、雲の流れ、と微妙に表情が変わります。いつまでも飽きない自然の絵巻物。
1日の中でも朝の日の出を待つ数分、神々しい光が海の向こうから現れてしばらく空の境目に何とも言えない優しい色が生まれます。
すっかり太陽が空に持ち上がると元気の出る青空。
梅雨入りしたというのにまるで真夏の暑さです。
朝の空を見るのが好きです。ニケがくつろいでいる間私は木のベンチに腰掛けて、見上げます。ちょうど大きなヤマモモの木に赤紫の実が鈴なりで、
その向こうにそんなに高くない青色のキャンバスが広がっています。
雲は早くもなく遅くもなく、綿菓子を引き裂いたようなものや、太い刷毛でなぞったようなもの、じっとそこにとどまることもなく流れています。ゆっくりと引っ付いたり離れたりしながらいろんな形になります。
こんな身近なところにも自然が造った芸術品のような風景があります。
訓練生のころ、すべてのサービスを終えて、コクピットに飲み物を持っていくようにパーサーから指示が出ました。ノックはハイジャックに備えてその時々で違っていました。
教えてもらった通りにすると中からカチンと音がして招き入れられました。その時はバンコクに向けての空も田んぼも神々しいほどに黄金色に輝いていました。
日本の田んぼと違い一つ一つがなんといびつなこと!その上を飛ぶ空の貴婦人DC8はまるで白い大きな鳥になったみたいにゆっくりと遠くに見える滑走路目指して高度を下げていきます。コクピット内の緊張と、眼下ののどかな田園風景のあまりにも違う様子を言葉に出来ず只々眺めていました。若い!こともあり少し胸が熱くなったのを覚えています。
促されて、機内に戻りいよいよ着陸態勢。バンコクの空の色はどこまでも夕日に照らされて輝いていました。
また東京への帰路は雲海を泳ぐ大きな魚に鉄の塊は姿を変えました。まるで綿布団。分厚い雲の切れ間の下には小さな家々や、木更津の深い緑の山々、すぐ傍には群青の海。雲の上の太陽は下から見るよりなぜか小さくて、可愛いらしい印象でした。
空を見ることでちっぽけなことで悩んだり、心配したりしていることがばかばかしくなるかもしれません。
人間関係って面倒くさいなあと思っていること自体大きな空から見れば小石のようなもの。
ありふれた一日がどんなに豊かで、幸せなことであるかを空が教えてくれます。
朝から雨の日。空は低く山の裾は靄に包まれて石畳の黒さが光っています。今日は梅雨らしい一日になりそうです。
そんな墨絵のような雲を見るのも好きです。何とも言えないアンニュイな空気はただ退屈にとどまることなく北野の街を神秘的なベールで包みます。
空模様は心模様。
その時の感情を隠すことなくありのままでいることの自由さは
何物にも代えがたいわがままで、心地のいいものです。
自分に偽らずたまには包み隠さず、意見を言える人間でありたい。
人にどう思われるかばかりを気にせず、もっとあるがままにいてもいいと思います。
自分も自然界の一部であることが分かれば、何も肩肘張らず、その中に溶け込んで、生きていくことが出来ると思う今日この頃です。私より何倍も自然児?のニケは今日も空と土と草を堪能する散歩で満足そうです。小雨さえも気持ちがいい!
![anzu公園にて](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/81104239/picture_pc_a4e702b4683a3fb45e1dabe8b30c1d69.jpg?width=1200)
今日もいい日にしましょう!