距離を置くことの大切さ
僕はグラフィックデザイン、イラスト、アニメ制作のほぼ全ての工程をデジタルで行う。だから20代の頃から朝から晩まで常にモニターを見っぱなしだ。
イラストやグラフィックデザインなど静止画を制作している時は、モニターの中で画像を拡大して細部を作り込んだり、縮小して全体のバランスを確認したりを繰り返す。
作業をしていると徐々に、自分がモニターから離れて眺めてみるなどし始める。そして離れて見つつ、首を90度くらいに傾けてじっと画面を見つめたりし出す。
他人が見たらかなりおかしな光景だと思う。
陶器などの立体物を作る人は、そのものを手に取っていろんな角度から眺めて見え方を確認したりするが、静止画だとそれができない。できないけど、これまでとは違う視点、客観的な視点で捉えたいという気持ちが高まり、モニターという枠からなんとか逃れようとして自然に体が動き出してしまうのだ。
離れたり、首を傾けても静止画の見えなかったところが見えたり、色が変わったりするわけではないから意味はない。でも作品と距離を置いて客観的に捉えようとする姿勢は必要だ。自分の思考にのめり込みすぎて間違った方向に向かっていることもあるから。
一番効果的なのは作業を止めて寝てしまうことだ。
睡眠で時間という距離を置き、頭を休ませること。
作品作りに限らず、実生活でいろんな問題に直面した時でも解決策を考えて考えて考えて、、、
で、寝る。
何かで読んだけど、脳は寝ている間にいろんな情報をせっせと整理してくれているらしい。アイデアが出ずに困っていろいろ考え抜いた末に寝て、起きた瞬間にいいアイデアが閃いたなんてことが何度もある。
さらに作品を何日も寝かすことがある。何日も経ってから見ると、とても新鮮に作品を捉えることができる。
何事も距離を取ることが大事。
困ったら、とりあえず、、、