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変わりゆく「自助・共助・公助」
私が所属している自治体の社会科教科書では4年生から「自助・共助・公助」という言葉が出てきます。
「自助」とは、災害や困難なことが起きた際、まず自分自身の身の安全を守ることです。 この中には家族同士の助け合いも含まれます。
「共助」とは、ご近所さんや地域といった周囲の人たちが協力して助け合うことをいいます。
「公助」とは、国や地方公共団体から、主に税金を用いた働きかけのことをいいます。
自助・共助・公助は災害の学習をする際には便利な言葉で、教えやすいと感じています。しかし、その枠組みは曖昧なところがありますし、時代によっても形が変わってきます。
つまり、この言葉を見ていくことで、世の中の様子や状況が見えてくるのです。
例えば、青森県でも田舎に行くと、醤油が無かったら数10キロ先まで買いに行かなければならないことがあります。そうなったら大変。だから、お隣さん。お金がなくても、お互いに助け合って生きていく共助の幅が、とても広いのです。
さて、ちょっと興味深い記事を見つけました。なんと、青森県がAIで結婚相手を見つけるサービスを始めます。その名も「AI(あい)であう」です。
2022年の8月から登録が始まるようです。こどもみらい課という部署が担当しています。つまり、税金を使った立派な公助なのです。
かつては、結婚相手を見つけるために税金を使う、なんて信じられないことでしたが、最近ではいたって当たり前になりました。それだけ、少子高齢課が深刻なのだと私は解釈しました。
誤解のないように書きますが、もちろん、「結婚=子どもを産む」ではありません。子どもがいなくても、幸せに暮らす夫婦はたくさんいらっしゃいますし、現に私もその一人です。
公助としての結婚支援。まさに、自助・共助・公助の姿は、時代や地域を写す鏡なのだと感じています。
三浦健太朗