縄文人・弥生人が住んでいた日本で
日本全国の博物館巡りをしている。
それぞれの土地に合わせた展示には個性がある。
例えば、北海道釧路市の博物館には、「釧路湿原」のコーナーがある。タンチョウの剥製があり、冬に舞う姿が楽しめる。
福岡の博物館には大陸に関するコーナーがある。金印をはじめ、朝鮮通信使の記録や元寇で活躍した竹崎季長コーナーなど、様々な時代で大陸に近い福岡らしい特徴が見られ、面白い。
神奈川には、鎌倉時代のコーナーがある。鎌倉殿の13人で山本耕治が演じた三浦義村像や、となえた念仏が仏像になったと言われる一遍上人の像があり、その表情から人となりがうかがえる。
個性的な日本各地の博物館だが、共通点があることに気付く。
それは、縄文・弥生時代のコーナーである。
どの博物館にも、必ずと言っていいほど、縄文・弥生時代の展示物がある。土器や貝塚の展示はお約束のごとくである。
縄文・弥生の遺跡について調べてみると、北は北海道、南は沖縄まであることがわかった。
日本は、昔から人が住んでいたのである。
測量会社の社長が、
「縄文人が住んでいたところに家を建てたら間違いない」
と言っていたことが忘れられない。
なんと、一か所に6000年も住み続けた、ということ。驚くしかない。
測量会社の社長が言っていることは、縄文人が何千年も住み続けることができた場所なのだから、家を建てても大丈夫ということであろう。
自然災害に強く、水の豊かな場所であったことに間違いない
日本は災害大国である。
世界で起きているM6以上の地震の約20%は日本で起きている。活火山の数は世界の約7%もある。
世界の面積0.25%しかない日本なのに…である。
台風もよく来るし津波も甚大な被害をもたらす。
雪害や水害など、自然災害は枚挙にいとまがない。
それでも、昔からこの日本には、日本という国の概念がなかったころから、各地で人が住み続けている。
災害にあい、大変な思いをしながらも、この地に住み続けたのである。
全国各地の博物館で、その土地に住んでいた縄文人・弥生人と出会うだけで、この国を誇らしくなるのはなぜだろうか。
三浦健太朗
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