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青森を去る太陽のような人

私たちの職場には、いつも明るい素敵な職員がいました。もともと、バレーボールで全国大会に出るようなスポーツマンです。仕事を笑顔でこなし、楽しい話で周囲の人を明るくしてしまう太陽のような人でした。その方が、夫の転勤で島根に行ってしまうことになりました。

みんなでしばらく悲しんでいましたが、残された青森の時間を楽しもうと、これまで以上に楽しく話をすることができました。

青森に来た7年前、早く西日本に帰りたくてしょうがなかった、と言います。とても寒いし、雪が尋常じゃないくらい降ります。泣きながら雪かきをした、と言っていました。冗談かな、と思ったら、本当に泣きながら雪かきしたこともあったそうです。同じ職場で転勤していく人の話を聞いて、どうして異動するのがうちではないんだ!とひがむこともしばしば。早く青森を去ることばかり考えていた、と言っていました。

しかし、2年を過ぎるころ、雪の向こうに春を見る楽しさ、短い夏の祭りの華やかさ、この風土と気候、そして人の好さで、青森がどんどん好きになっていったと言ってくれました。

そして7年目。今は去りたくなくて涙が出る、と言っていました。
「私の人生の出演者になってくれてありがとうございました。」
と涙をためて彼女は去っていきました。

住めば都、という言葉があります。

どんな所でも、住み慣れるとそこが居心地よく思われてくるという意味だとと思います。でも、彼女を見ていると、こんな見方もあると感じました。

「住めば都と思える人が幸せになれる人」

という言葉かもしれません。彼女の新天地、島根でも、周囲を照らす太陽のようになって、多くの人を明るくしてほしいと思います。

                       三浦健太朗


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