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お金の教育、考えてみる①

 みなさん、明けましておめでとうございます。
 職員室NEXTでの記事投稿は初めてになります。シリーズの自己紹介記事は後日書きますが、授業てらすでも2期として活動している佐藤 陽介です。
 茨城県の小学校教員として働いています。こちらでもよろしくお願いします!

 現在、「お金の教育」について興味をもっています。新学習指導要領により、高校の家庭科の授業で『金融教育』、資産形成の授業が始まったのは皆さんも知るところでしょう。

 学校の先生。やっぱり忙しいですよね。一生懸命働いてお金を稼ごうとしています。私。それ以上のことは考えたことがないのが現状。みなさんはいかがでしょうか。これまで児童・生徒にも「お金ってね…」のような話をしたことがありません。
 ミアン・サミさんの、「お金の教育が全て。7歳から投資マインドが身につく本」という本を読みました。(読んでいる最中です。)

 私が今学校の教員としてそうであるように、そして子どもの頃そうだったように、日本では、学校や家庭でお金の教育がほとんどされていない現状です。
 子どもの人生を豊かにするためには、大人がお金のことについてしっかり学んで子どもに教えることが大事。『お金の教育が全て』とサミさんは仰います。
 冒頭で、「お金の教育力が分かる8つの質問」という項目を設け、私たちに投げかけてくれる内容などから、今回はいくつかお届けします。

①子どもの将来における最大の危機は何だと思いますか?

 それは、顕著な「所得格差」だそうです。
 世界の後進国を除き、中間層の所得が減っている一方、富裕層がますます富を増やしているそうです。
 世界で最も裕福な8人の総資産額と、世界人口の半分と同等の資産を持っているという調査結果も出ています。

 格差が広がっている訳ですから、我々の子どもが、このままの世界線で何も考えずに生きていたら、私たちと同じ水準の暮らしができるか。ほどほどの人生で十分、と考えていても、その水準の生き方ができる保証すらないということです。富裕層の彼らがどのようにお金を増やしているかを知り、その考えに導いてあげることが必要だということでした。

②子どもに『お金持ちになるにはどうしたらいいの?』と聞かれたらどう答えますか?

 おそらく、皆さんも「たくさん勉強して、一生懸命に働くといいよ」とか、「医者か弁護士になるか、会社を作って社長さんになるといいよ」等と答えたりするのではないでしょうか。
 ただ、そうではないというのが答え。一生懸命に働いている人の多くが、毎日の生活にも困窮しているという事実があります。報酬が高いとみられている医者や弁護士でさえ、仕事に追われて家族とゆっくり話をしたり、趣味に興じる時間・ゆとりを失ったりしていることもあります。それに見合う対価があるならまだしも、薄給となってしまうお医者さんも。
 一生懸命働いても、お金持ちになれる保証も、「安心」も「自由」もないのです。サミさんは、4人のお子さんにこのように答えていらっしゃいます。

「たくさんの人の問題を解決して、その人たちをハッピーにすればいいんだよ」

 ここで、そもそもの「お金」とは何なのか、論も出てきます。
 お金とは、価値の交換ができ、価値を測ることができ、そして価値の保存をすることができるものと定義されています。

 お金は価値そのものではないということです。よく考えればそうですね。
 お金という紙・硬貨に価値はなく、それと交換できる『価値』を我々は求めています。その価値とは、誰かの問題を解決したことによって得られる対価・報酬のことです。つまり、お金とは、「価値を入れ込む器」のようなもの。
 多くの人の問題を解決することで、より多くの価値が得られるので、その分対価を得ることができるということ。


 我武者羅に勉強すること、学校の成績や学歴が必要なのではなく、社会に出て『誰が、どんなことに困っているかを考え出せる、解決に導ける。そのために人とコミュニケーションが取れる』そんな子どもたちを育まなければいけないのです。

③「安心」と「自由」を手に入れるための働き方・稼ぎ方〜キャッシュフロークワドラントについて知る〜

 よく考えると、中学校のキャリア教育で教えることもありましたが、お金の教育の中で大切な部分の1つに、世の中にどんな働き方があるのかを教えることがあると書かれています。職種というよりは、その職種に就くことによって、どんな仕組みでお金を得ることになるのかという内容です。この本の中で取り上げられているのは、『金持ち父さん、貧乏父さん』シリーズの著者として知られる実業家のロバート・キヨサキ氏が、別の著書『改訂版 金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント(白根美保子訳)』

 雇われて時間や労働力を切り売りすることで収入を得ているのがE:エンプロイー(従業員)。日本では働いている人の中で従業員・労働者の割合は約9割!サラリーマン、パート、アルバイト、公務員などが含まれます。
 従業員・労働者と同じく、時間や労働力を切り売りすることで収入を得ているのがS:セルフエンプロイド(自営業者)。専門的知識やスキルを使って働いています。従業員・労働者と違う点は、やればやるだけ収入も増える可能性があるので、稼ごうと思えば稼げます。個人事業主、医者、弁護士、インスタグラマー、インフルエンサー、ユーチューバー、アフィリエイター、デイトレーダーもここに含まれます。
 B:ビジネスオーナーは、人を働かせ仕組みを作って稼ぐ人。立ち上げの時や、最初に仕組みを考え、あとは人やシステムに任せます。ある程度の規模の会社を所有・経営したり、事業に出資して事業の”権利”を持つ人です。基本的に自身は現場での作業などはしないので、事業が軌道にのれば、自由な時間も増えます。従業員やシステムが働いてくれるので、自分が労働しなくても収入が途絶えません。 自分でやるよりも人に働かせるので、なんでも自分でやりたいSの自営業とは真逆の考えを持っています。
 I:投資家は自身の時間を使うことなく、他人のビジネスや他人の時間を利用し、お金を働かせて収入を得る人です。自分の時間が消費されないので、自由な時間が多く持てます。EやSの「他人の時間」と、Bの「他人の仕組み」を利用して、自分がお金を投資して大きなお金を稼ぐ人たちです。

 日本で働いている人をこのクワドラントで見ると、その構成比は9割の人がE(従業員)もしくはS(自営業者)です。そして、会社員や自営業者として収入を得ている人は多いですが、その人たちへの富の配分はたったの1割。つまり、世の中の富の1割を世の中の9割の人たちで分け合っているということです。残り9割の富は、B(ビジネスオーナー)とI(投資家)のクワドラントが保有しているといわれています。

 どの働き方が良い、悪いではない、ということが書いてあります。ただ、この本に書いてある通り、BやIの立場になりたい、そんな働き方もあるという考えは、私自身ほとんどこれまで持ってこなかったですし、教育現場でもなかったかもしれませんね。

高校生人気職業ランキング(13歳のハローワーク調べ)
https://www.13hw.com/jobapps/ranking.html

 自分の時間を切り売りして蓄積した大事なお金を、他の人や企業に提供することで、自分だけでは解決できない大きな問題の解決に寄与する、そんな社会貢献のしかたも働き方や稼ぎ方としてあり得ることも、子どもたちに伝える内容として知っておきたいと思いました。


 新年早々、長文記事になってしまいました。
 お金について知ることは大事!そして得たことをどうかみ砕き、子どもたちにどう伝えればいいか。それによってどんなマインドが育っていくのか、どんな良い影響(悪い影響もあるかな…)を及ぼすのか。考えると面白いなと思いましたし、自身もっといろいろな勉強をしたいと思いました。自分のファイナンシャルリテラシーも向上していきそうです。次回も続編記事書きたいと思います💰

 皆さんは、担当の子どもさんや自分の子どもにどんなお金の教育、してますか?
 感想・コメントなどお待ちしています。

                            佐藤 陽介

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