読者を決める〜小説のちょっとしたコツ
崖っぷち作家のニジマルカです。
小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。
今回は「読者を決める」です。
誰が読むのか
何かを書くのは、やはり誰かに読んで欲しいからでしょう。
ところで、どういう人に読んでほしいですか?
読者を決めて、作品を書いているでしょうか。
その読者は普段何を読んでいて、どういう作品が好みなのでしょう。
年齢はどれくらい? ライフスタイルは?
読者を決めずに書くことも悪くはありませんが、決めれば決めるほど、作品は強くなります。
決めたことがないなら、一度読者を決めてみるのも悪くないです。
読者を決める場合と決めない場合で、どう違うか見ていきましょう。
読者は的
作品を弾丸に例えましょう。
すると、読者は的(ターゲット)になります。
当然ですが、的を決めない限り、狙いをつけることはできません。
ですから的(読者)を決めない場合は、なんとなく撃つことになります。
図にするとわかりやすいでしょう。
こんなイメージです。↓
的がないと、そもそも狙うことができません。
読者を「こんな感じの人」と決めると、ようやく狙いがつけられるのです。
狙いを定めると作品も変わる
上で書いたとおり、読者という的を決めると、初めて狙えるようになります。
狙おうとすると、弾丸である作品も変わらざるを得ません。
題材や書き方が変わってくるのですね。
イメージはこんな感じでしょう。↓
狙う場合、構え方や使う銃も変わります。
それに伴って攻撃力も高くなるのですね。
一方、狙いがない場合は、全方向に撃ちまくることになります。
指向性の高い銃ではなく、散弾銃を使うことになるでしょう。
流れ弾に当たる人は多くなるかもしれませんが、威力は小さくなります。
読者を決めるかどうか
読者を決めた場合と決めない場合、どうなるかイメージできたと思います。
どちらにも良い点と悪い点がありますね。
読者を決める場合
・良い点:狙いが定まり、攻撃力が上がる
・悪い点:的の周りにしか当たらない
読者を決めない場合
・良い点:狙いを定めないので、流れ弾が当たる可能性がある
・悪い点:攻撃力が弱くなる
どちらが良いということでもありませんが、だいたいの人は、読者を決めていないと思います。
そういう場合は、一度読者を決めて、その人たちが好きそうな作品を書いてみるといいです。
読者を決めると言っても、難しく考えることはありません。
知っている人なら、「あの人ならこういうのが好きなんじゃないか?」「多分こういうのはウケないな」などと仮説を立てられるはずです。
その仮説に従って作品を書いてみるのです。
何かの創作グループに入っているなら、会誌を作るときなどに「あの人たちならどういうのが好きかな?」と考えればいいわけですね。
読者をなんとなく決めると、ようやく仮説を立てることができます。
立てた仮説が「狙い」です。
その仮説に沿うように作品を考えるのが「企画(たくらむこと)」です。
ほとんどの人には狙いがなく、企みがありません。
そうしなければならないわけではないですが、やったことがないなら、まずは読者を決めることから始めてみるといいでしょう。
今回のまとめ
小説のちょっとしたコツ「読者を決める」でした。
1.読者を決めて書いているか
2.読者は的。的が決まると初めて狙えるようになる
3.狙おうとすると書き方や題材も変わる
4.決める場合と決めない場合、どちらにも良い点、悪い点がある
5.だいたいは読者を決めていないので、狙いも企みもない
6.まずはなんとなく読者を定め、その人たちが好きそうな作品を書いてみる
狙わないと力を結集することはできません。
ですので、狙う気がない場合はふわっとした作品を書くことになりますが、それが悪いわけでもないですね。
それではまたくまー。