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クライマックスを盛り上げる手軽な方法3つ〜小説のちょっとしたコツ
小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。
今回は「クライマックスを盛り上げる手軽な方法」です。
盛り上げるには
「クライマックスまで書いたけど、どうも盛り上がらないな……」と思うことがありますよね。
簡単に言うと、「盛り上がる」とはこういうことです。↓
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逆向きの何かと何かが衝突すると、その勢いで上に盛り上がります。
これが盛り上がりの原理です。
ですから、盛り上げたいなら、
主人公と敵をぶつける
組織と組織をぶつける
利害関係がぶつかる
といった衝突を作り出せばいいだけです。
両者が大きなエネルギーを持っていて、しかも逆向きであればあるほど、衝突力も上がり、盛り上がりも大きくなります。
原理はこれだけなので、やりようはいくらでもあるのですが、今回は手軽に盛り上がりを大きくする方法を3つほどご紹介します。
1.舞台を大きくする
盛り上がらないのは、クライマックスの舞台が小さいからかもしれません。
もっと舞台を大きくしましょう。
舞台を大きくすると、それだけ起こせる事件も大きくなり、衝突力を上げられます。
例えば、こんな感じに舞台を大きくしてみるといいです。
冒険ファンタジーなら
大迷宮
国家間戦争
青春バンドものなら
ライブハウス
野外フェス
グルメものなら
料理大会
料理勝負
競技、スポーツものなら
競技大会
世界大会
ミステリなら
孤島
謎の大豪邸
青春恋愛ものなら
全校生徒の前で告白
告白をライブ配信
SFなら
未知の惑星
宇宙規模の戦争
盛り上がらないなら、さっさと舞台を変えてしまうといいでしょう。
舞台を変えれば、起こる出来事も変えざるを得ません。
そうやって自分に無茶ぶりすれば、相応のクライマックスになるはずです。
2.タイムリミットを設ける
これも手軽な方法ですが、効果はかなり高いです。
盛り上がらないなら、強引に時間を制限してしまいましょう。
たとえば、以下のようなタイムリミットが考えられます。
タイマー式の爆弾が仕掛けられている
絶対に出席しなければならない重要な用件に遅刻しそう
時効が成立するまでに事件を解決する
毒薬を飲んでしまい、助かるには時間内に解毒薬を飲まなければならない
物語内のゲームや競技に時間制限がある
酸素がもたない
彼女が旅立つまでに告白したい
借金返済まで猶予がない
何でもいいので時間制限を設けると、途端に緊張感が上がります。
時間制限ができると、主人公の行動も厳選されたものになるので、展開が引き締まるというメリットもあります。
3.二重のクライマックス
これは私もよく使う手ですが、クライマックスで問題を解決したと思ったら、もう一山あるという手法です。
単純にヤマが2つになるので、物量で盛り上げる感じでしょうか。
また、最初の解決→実は解決していない→本当のクライマックス、と矢継ぎ早な展開になるので、緊張感も高まります。
たとえば以下のようなものが考えられるでしょう。
敵を倒したと思ったら、実は黒幕がいた
危機が起こるのを止めたと思ったら、止めたことが引き金となり次の危機が起こった
事件を解決したと思ったら、それは大きな事件の一部だった
敵を倒したら、施設が自爆するようになっていた
当初考えていたクライマックスを最初のクライマックスとして消費し、もう一つ新しいクライマックスを追加しましょう。
すると、本当のクライマックスを解決するために、もう一つ解決方法を考えなければならなくなります。
その方法をなんとかひねり出せれば、盛り上がりを大きくできるでしょう。
とにかく、話が盛り上がらないなら、できるかどうかは置いておいて、自分に無茶ぶりしてみるのがオススメです。
舞台を大きくし、時間を制限し、当初のクライマックスを消費してしまいましょう。
そこから先は自分で何とかしなければなりませんが、そうやって頭をひねればひねるほど、盛り上がりは大きくなり、話は面白くなります。
結局のところ、話の盛り上がり、物語の面白さというのは、作者がどれだけ頭をひねったか、どれだけエネルギーを掛けたかで決まるということでしょうね。
今回のまとめ
小説のちょっとしたコツ「クライマックスを盛り上げる手軽な方法」でした。
盛り上がりは逆方向の何かが衝突することで起こる
手軽に盛り上がりを大きくするには
舞台を大きくする
舞台の規模を上げると、起こせる問題も大きくなるタイムリミットを設ける
時間を制限することで緊張感を上げられる二重のクライマックス
山を2つにし、物量で盛り上げる
作者が頭をひねるほど、エネルギーを掛けるほど、話は盛り上がり、面白くなる
今回ご紹介した方法を全部使えば、かなりクライマックスを盛り上げることができると思います。
ぜひ試してみてください。
それではまたくまー。